【電子化】書類の電子化に必要な基礎知識!受け取った納品書や請求書を電子化するには?

電子化 納品書

経理業務の電子化が進む中、よくわからなくて立ち止まっている人はいませんか?

ここでは、電子化が進む大きな原因のひとつである電子帳簿保存法における保存のルールと、書類の電子化の方法をお伝えします。

この記事でわかること!
  • 電子帳簿保存法の書類の区分について理解できる!
  • 電子データの保存方法について理解できる!

この記事で話題になる書類とは?

この記事で話題にある書類とは、国税関係帳簿書類です。

国税関係帳簿書類とは、税務申告に必要な帳簿や書類のことです。

税務申告に必要な文書はまず、帳簿と書類に分けられます。

【帳簿】

帳簿とは、仕訳帳・総勘定元帳の主要簿や、売上帳・仕入帳などの補助簿のことです。

また、損益計算書や貸借対照表などの決算に関して作成された書類は、書類として区分せずに帳簿と同様に電子帳簿保存法(電子帳簿等保存)の規定に従って保存します。

帳簿は、次の2つに区分します。

①手書きで作成された帳簿

手書きで作成された帳簿は、電子帳簿保存法の管轄外のためそのまま紙の帳簿として保存します。

スキャンして電子データのみを保存することはできませんから、注意してください。

②パソコンや会計ソフトを使用して作成された帳簿

パソコンや会計ソフトを使用して作成された帳簿は、次の2つの保存方法があります。

  • プリントアウトして紙で保存する方法
  • データベースで保存する方法

 データベースで保存する場合には、電子帳簿保存法(電子帳簿等保存)の規定に従って保存する必要があります。

電子帳簿保存法については、この後解説します。

【書類】

書類とは、税法で保存を義務付けられている書類を指します。

ただし、上記で述べたように棚卸表や損益計算書・貸借対照表などの決算関係書類は、帳簿と同様に電子帳簿保存法(電子帳簿等保存)の規定に従って保存しますから、ここでは除きます。

書類は、紙でやり取りした場合と電子データでやり取りした場合では、保存の方法が変わります。

書類を受け取った場合であっても発行した場合であっても同じです。

①紙ベースでやり取りしたもの

紙でやり取りした請求書や受領書などの書類は、次の2つの保存方法があります。

  • 紙のまま保存する方法
  • 電子データ化して電子保存する方法

 電子データ化して保存する場合には、電子帳簿保存法(スキャナ保存)の規定に従って保存する必要があります。

②電子データでやり取りしたもの

電子メールなど、電子データでやり取りした請求書や受領書などの書類は、電子帳簿保存法(電子取引)の規定に従って電子データのまま保存しなければなりません。

プリントアウトして紙で保存することは認められていませんので注意が必要です。

また、スキャナ保存では書類を以下のように分類しています。

  • 超重要(契約書、領収書など)

一連の取引過程における開始時点と終了時点の取引内容を明らかにする書類で、取引の中間過程で作成される書類の真実性を保管する書類

  • 重要(預り証、請求書、納品書など)

一連の取引の中間過程で作成される書類で、所得金額の計算と直結・連動する書類

  • 一般書類(見積書、注文書、貨物受領証など)

資金の流れやものの流れに直結・連動しない書類

重要度によって取り扱いが変わります。確認漏れのないようにしましょう。

電超法 初心者向け

書類を電子化する時のルール

ここまでは、対象となる書類が何かについてみてきました。

ここからは、そんな書類を電子化する際のルールについて、見ていきます。

電子化する際のルールで最も重要なのは、「電子帳簿保存法」についてのことです。

電子帳簿保存法とは、経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、記帳水準の向上等を目的とした法律です。

簡単にいうと、PCやスマホを使ってもっと簡単にもっと正確に経理の仕事を終わらせようということです。

例えば、あなたが取引先から納品書を受け取ったとします。

納品書は、商品を受け取ったという取引の証拠となる大切な書類ですから、保管しなければなりません。

しかし、その受け取り方によって適用される法律の規定が変わり、保存方法が変わることになります。

電子帳簿保存法は、3つの区分から成り立っています。

電子帳簿保存法上の区分

①電子計算機を使用して作成する帳簿書類(電子帳簿等保存)

主に、パソコン等を用いて自らが作成した国税関係帳簿書類を一定の要件のもとで、データ保存することを認める法律です。

②スキャナ保存

主に、取引の相手先から紙で受け取った証憑書類や自らが作成した証憑書類の複写について、一定の要件のもとでスキャン文書による保存を認める法律です。

③電子取引

電子データの交換による取引やインターネットを通じて入手した証憑書類の保存は、データ保存を義務付けた法律です。

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電子データでの保存方法について!

電子データで保存するということは、ただパソコンに放り込んでおけばよいわけではありません。

いくつものルールがありますから、それらを守って保存する必要があります。

簡単なスキャナ保存の方法を紹介

スキャナ保存を自社ですべて実施しようとするのは、無理があります。

満たすことが難しい要件を順に確認しましょう。

スキャナ保存に関する改正事項

①タイムスタンプの付与

タイムスタンプの要件を自社のみで完結させる事はできません。

なぜなら、付されるべきタイムスタンプは一般社団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプでなければならないからです。

②ヴァージョン管理

このヴァージョン管理とは、データ管理システムのことをいっています。

違和感のあるネーミングですが、ヴァージョン管理が正式名称です。

電子データとしてスキャナ保存した納品書や請求書は、訂正・削除を行ったときにその内容をあとから確認できる(又は訂正削除ができない)システムに保存しなければなりません。

電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問33では、ヴァージョン管理の要件を4つあげています。

訂正・削除の履歴が残るシステムは、この4つの要件をすべて満たす必要があります。

以下引用部分です。

  • スキャナで読み取った電子データは必ず初版として保存し、既に保存されているデータを改訂したもの以外は第2版以降として保存されないこと。
  • 更新処理ができるのは一番新しいヴァージョンのみとすること。
  • 削除は物理的に行わず、削除フラグを立てるなど形式的に行うこととし、全ての版及び訂正した場合は訂正前の内容が確認できること。
  • 削除されたデータについても検索を行うことができること。
電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】より

また、問35では訂正削除ができないシステムの例として「具体的には、例えば、他社であるクラウド事業者が提供するクラウドサービスにおいてスキャナ保存し、利用者側では訂正削除できないクラウドシステム」といっています。

ここまで読まれた方は、もうおわかりだと思います。

紙ベースの納品書や請求書をスキャナ保存したいのであれば、クラウドシステムを利用するのが一番簡単で早いです。

クラウドシステムでしたら、データ保存に限らず仕訳や申告の業務を効率化することも十分に期待できます。

様々なサービスがありますから自社にあったものが必ずあるはずです。

電子帳簿保存法スキャナ保存では、紙で受け取った書類については、紙ベースでの保存を認めています。

今すぐに電子データに切り替える必要はありませんから、よく検討する必要がありそうですね。

簡単な電子取引データの保存方法を紹介!

メールで受け取った納品書や、ネットショップのホームページからダウンロードした納品書などは、電子取引に該当しますから、電子データで保存しなければなりません。

電子取引に関わる電子データは、電子データで保存することを義務付けられています。

納品書が電子メールで届いた場合には、ダウンロードをクリックして名前を変更して保管しましょう。

ダウンロードしたファイルには、「日付_取引先名_金額」の名前を付けて検索できるようにしてください。

例えば、「20221031_㈱国税商事_110000」のような感じです。

またメールの本文に、取引に関わる情報が記載されている場合には、本文も電子データとして保管しなければなりません

メールを開いた状態で印刷のアイコンをクリックして、保存先を「PDF」に変更して保存しましょう。

名前を変更して所定のフォルダに移動してください。

こちらも後日検索できるように名前を付けましょう。

Billmagアイキャッチ-【2024年義務化】電帳法の改正にはどう対応すればいい?

データ保存のメリット

今まで紙で保存していた経理関係の書類をデータで保存することには、いくつかのメリットがあります。

データ保存のメリット

コスト削減

紙で帳票類を保存するためには、発行側であった場合以下の工程を経る必要があります。

入力作業→証憑書類・送り状・宛名のプリントアウト→袋詰作業→糊付け→切手貼り→ポストに投函

ここから考えると、紙代・封筒代・インク代・郵送代・のり代の費用がいらなくなります。

中でも、郵送代はメールで送信してしまえばコストゼロになるわけですから、かなりの経費削減が期待できます。

人件費の削減

上記であげた作業の工程は、手作業で行わなくてはなりません。

月末の忙しい時期に、袋詰作業で時間を取られて、銀行や郵便局で待たされてしまっては、事務員さんが何人いても足りません。

電子メールで送信してしまえば、ワンクリックですしわざわざ郵便局に足を運ぶ必要がなくなります。

クラウドサービスには、受け取った請求書の支払いを一括で代行してくれるサービスもありますから、銀行に行く必要は徐々になくなっていくでしょう。

紛失や劣化の防止

国税関係帳簿書類は長ければ10年程度の保存が必要になります。

保存状態が悪ければ、変色や虫食いなどの心配もあります。

取引回数の多い会社は自然と書類も増えて、保管場所も必要です。

電子データなら、検索もできますし劣化もありません。

ヒューマンエラー防止

電子化した書類は組織内で簡単に共有して確認することができます。

伝達ミスなどのヒューマンエラーはなくなります。

検索性に優れている

PCやスマホでの作業は自動的に日時が記録されるものが多くあります。

ファイルに名前さえ付けておけば書類を一枚ずつ探す時間は必要なくなるでしょう。

コスト削減

データ保存のデメリット

データ保存することのメリットは沢山ありますが、前向きな姿勢と柔軟な対応力がないと、難しい面もあります。

デメリットを確認しましょう。

データ保存のデメリット

慣れるまでに時間がかかる

今まで紙で書類を保存していた人にとっては、作業内容がガラリと変わりますから慣れるために時間が必要です。

「あれもこれも」と手を出さずに導入するシステムは極力数を少なくしたがストレスは少ないはずです。

初期投資が必要

PCやプリンターは必須となります。

また、どの方法を取るかによってスキャナーやデジカメが必要な場合もあるでしょう。

システムの導入も便利な分、費用がかかります。

情報漏洩のリスク

セキュリティの対策は、きちんと行いましょう。

ウィルス対策ソフトの導入やアカウントの設定も安全性を考慮しなくてはいけません。

また、メール・LINE・Slackなどのコミュニケーションツールは、操作が簡単であればあるほど、誤送信が増える傾向にあります。

送付先の確認は、怠らないようにしましょう。

要件が細かい

上記で見てもらったように、書類を電子データで保存するためには、いくつもの要件があります。

面倒くさがらずに、ルールを守って運用しましょう。

顧問税理士がいる場合は、相談してみるのも良いでしょう。

取引先との関係

電子化の導入を「よくわからない」「面倒くさい」と思っているのは、取引先も同じでしょう。

書類を発行する側と受け取る側が協力して進めなくてはなりません。

電子請求書 デメリット

【新制度対応】請求書の電子化にペイトナー請求書がオススメ

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請求書処理の自動化・効率化を叶える「ペイトナー請求書」をご紹介します。

ペイトナー請求書は、以下のような面倒な経理業務を請け負い、業務の円滑化を支えます。

ペイトナー請求書ができること
  • メールで受け取った請求書を自動で保管
  • AIと専属オペレーターで請求書を電子化
  • 振込業務の自動化

「ペイトナー 請求書」とは?

「ペイトナー 請求書」は、請求書の管理・振込をすべて自動化することができる、クラウド請求書処理お任せサービスです。

電子帳簿保存法(※)にも対応し、法人の皆様が請求書を保管することを支援します。

ペイトナー請求書の特徴!解決できる課題とは?

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請求書の電子保存がドラッグ&ドロップだけで完結!

ペイトナー請求書に請求書の画像ファイルをドラッグ&ドロップでアップロードすると、OCRという、画像認識AIの技術によって、自動でデータ化、自動保存を実現できます。

今まで、時間がかかっていた請求書の情報をエクセルなどにデータ入力する作業を大幅に短縮することが可能です。

振込まで自動化!

データ化した請求書情報から、支払いに必要な情報を読み取り、支払い期限までに自動で支払いを行います

1件あたり5分かかる毎月の振込業務(弊社調査)が0分になるため、毎月、支払い作業が存在する事業者には、コスト削減の観点で非常にオススメです。

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資料でわかること
  • 「ペイトナー請求書」の製品概要と主な機能
  • 「ペイトナー請求書」を導入することによるメリット
  • 「ペイトナー請求書」が選ばれている理由

この記事のまとめ!

スキャナ保存の対象になる紙の証憑書類は、紙での保存も認められています。

要件をクリアできないなと思う人は、まず今まで通り紙で保存するのがおすすめです。

電子取引の電子データの保存から始めてください。

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監修者プロフィール

ペイトナー執行役員 邨山毅

立教大学経済学部卒。投資会社にて内部統制・米国新興事業の国内展開に従事。その後VOD運営会社にて経営戦略・機械学習・調達戦略領域の経験を経て、ペイトナー株式会社に入社。執行役員ファクタリング事業本部長として、ファイナンスサービスの運営及びフリーランスの与信構築全般を所掌している。

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