フリーランスはお金をいただく際に自分で請求書を送る必要があります。本記事では、請求書の作成方法を、消費税や源泉徴収の記載も含めてわかりやすく解説します。「今まで請求書を作ったことがないから不安」「レシートはわかるけど請求書って何?難しそう」そんな不安をお持ちの方は是非ご覧ください。
- フリーランス人向けの請求書の書き方とは!
- 源泉徴収の対象職業についてわかる!
- 源泉徴収税は請求額が100万以下か、以上によって計算式が異なる!
目次
請求書作成の基本
請求書とは
請求書とは取引先(クライアント)に支払いを求める書面のことです。
請求忘れや金額、期限の認識のズレによるトラブルを防ぐ上でも重要な書面です。
請求書に記載する内容は特に法律で決まっているわけではありません。ですが、ある程度必要事項は共通していますのでここで整理しておきましょう。
請求書に記載するべき事項
1.請求書の宛先
取引先の情報を記載します。会社名、氏名、住所、電話番号などです。
2.サービス、商品の内容
提供サービスや商品の内容を記載。具体的には品名、単価、数量、金額などを記載します。
特にフリーランスではサービス名の具体性がないと第三者が見たときにわかりにくくなりがちですので具体的な仕事内容を記載することが重要です。例えばデザイナーであれば品目は、雑誌やパンフレットなど手がけた媒体の「デザイン」などと記載します。
3.請求内容
取引を全て合わせた小計に消費税をプラスして合計金額を記載します。報酬金額+消費税(10%)を大きく記載します。
4.請求金額
消費税と取引の小計金額は分けなければいけないというわけではありませんが、分けておいた方が見やすいので内訳が分かる形で表すことをオススメします。
5.消費税の金額
上記の通り消費税をプラスした合計額を大きく記載しますが、消費税(2023年1月現在は10%)の内訳を示して確認できるようにしておきましょう。
6.発行日
請求書を発行する日です。
日付を決める時は取引先の都合に合わせる必要があります。
特に初めてのやり取りの際は取引先(クライアント)に確認します。
7.支払期日
支払期日は通常契約を交わしたときに決めておきます。
相手に対して確認の意味もありますし、自分で入金確認する際も役に立ちます。
8.発行者の情報
自らの事業所の会社名、氏名、住所、電話番号などを記載します。住所はフリーランスで自宅住所の場合、トラブルになると怖いなど様々な理由で記載したくないときは省略も可能です。
社会的信用を得るために住所を書くに越したことはありませんが、請求書は住所がなくても役割は果たしますのでご安心ください。連絡先はマナーとして入れておいた方がベターです。
9.振込先情報
振込先の口座情報のこと。
具体的には銀行名、支店名、預金種別、口座番号、名義の情報を記載します。
銀行コードや支店コードも記載し、名義はカタカナで明記します。
10.特筆事項
特別価格での販売や追加料金、分割払いの何回目の支払いかなど記載できます。
例:5万円の支払い(額面金額)のうち、2万円は前金で支払われていて、今回の請求で支払う金額は3万円だった場合。(額面金額はあくまで5万円)と記載します。
そのようなとき、特筆事項で説明する方法があります。
11.請求書番号
請求書番号の付け方には特に決まりはありません。日付や取引先で数字と記号のルールを決めておくと管理するときに便利です。
消費税の記載方法
消費税の記載は内訳を記載することが重要です。2023年10月から始まるインボイス制度が導入されるとなおさら消費税込で記載していると後々面倒になる恐れがあります。そのため消費税別で記載した方が好ましいと覚えておきましょう。
消費税は通常買い物時に支払っていますので馴染みはあると思います。納税しているのは事業者ですので間接税に分類されます。消費税がかかるものとかからないものがありますので事前に調べておきましょう。
記載方法のイメージとしては下図のように税抜き、消費税、合計金額がわかるように記載しましょう。
ここで簡単に消費税の仕組みを解説します。
消費税の代金は受け取った側が翌年の3月31日までに納付する必要があります。
ただし前々年度の課税売上高が1,000万円以下の方は納税義務が免除されます。当然前々年度の課税売上高が0円の事業開始から2年以内の事業者も免除となります。
(参考:国税庁HP)
つまり課税売上高1,000万円以下の小規模フリーランスの方は消費税をお客様から受けとっても納める必要がないのです。消費税分で受け取ったものが利益になります。これを益税といいます。
この辺りは令和5年10月1日(2023年10月1日)から開始される「インボイス制度」と密接に関係していますので関心のある方はコチラからインボイス制度を学んでみてください。
請求書を作成する上での注意点
源泉徴収額や振込手数料はどちらが負担するか
振込手数料や源泉徴収額をどちらが負担するかはよく訊かれる質問です。まず振込手数料に関して原則として債務者側(仕事を発注した方)が支払います。(民法第484条、民法第485条)しかし双方で取り決めた契約があればそちらが優先されます。いずれにしても前もってどちらが負担するか明確にする必要があります。
源泉徴収は所得税を支払う側つまり、お金を受け取る側の負担となります。源泉徴収の説明はこちらの記事をご参照ください。源泉徴収税額が差し引かれている場合、まず確認が必要です。その上で源泉徴収額を請求書に含めた方が良いのか確認すると良いでしょう。
源泉徴収税額を引かれた場合、年明けごろに源泉徴収票が送られてきます。源泉徴収票は確定申告で必要なので保管しておきましょう。
内税、外税のどちらを使うか
内税とは消費税込みの報酬の総額、外税とは消費税抜きの報酬額を表します。契約時に報酬額は「税込み」か「税抜き」か確認しておきましょう。
なお、明記されてないときは税抜きの場合が多いと言われています。
合計額には消費税が含まれている金額を記載しましょう。
源泉徴収の対象かどうか
源泉徴収とはそもそも何でしょうか。会社員としての源泉徴収の方がなじみやすいのかもしれませんが、フリーランスにも源泉徴収はあります。源泉徴収とは代金を支払う側が国に所得税を納付する制度です。消費税とは全く別の所得税に関することです。フリーランス側での動きは源泉徴収票が後日送られてきますので保管して確定申告で提出することが必要です。
源泉徴収の対象かどうかには報酬の種類によって決まりがあります。
下記の報酬を支払う相手が個人の場合は源泉徴収の対象となります。
1 原稿料や講演料など。ただし、懸賞応募作品等の入選者に支払う賞金等については、一人に対して1回に支払う金額が50,000円以下であれば、源泉徴収しなくてもよいことになっています。
2 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
3 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
4 プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
5 映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
6 ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対しての接待などを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
7 プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
8 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金
※引用:国税庁HP
より身近な業務で説明しますと例えば webデザイン料、原稿料、講演料、デザイン料、モデル料、カメラマン料、挿絵の報酬などは源泉徴収の対象となりますが、コーディングなどのプログラム費は対象外ですので分けて記載する必要があります。
源泉徴収税率の計算について
源泉徴収の対象となる所得の場合は源泉徴収税を計算します。
源泉徴収税の計算式は下記の通り決まっています。
請求金額×10.21%=源泉徴収税額
※10.21%=10%部分は所得税額、0.21%部分は復興特別所得税額
(支払金額-100万円)×20.42%+102,100円
※20.42%=20%部分は所得税額、0.42%部分は復興特別所得税額
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この記事のまとめ!
- フリーランス向けの請求書の書き方とは!
- 源泉徴収の対象職業についてわかる!
- 源泉徴収税は請求額が100万以下か、以上によって計算式が異なる!
フリーランス向けに請求書作成の基本について解説しました。「今まで請求書を作ったことがないから不安」「レシートはわかるけど請求書って何?難しそう」と感じる方の問題が少しでも解決していたら幸いです。
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フリーランスになって請求書・経理関連業務は慣れないうちはとっつきにくい部分がありますが、上手に便利なツールを使ったり情報収集したりしながら少しずつ学んでいくといいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。