あなたの事業も電子請求書で効率化!自治体のデジタル化の波に乗ろう

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政府は今、国をあげてデジタル化に取り組んでいます。

これまで以上に、個々人がデジタル化に対応していくことが求められます。

また効率よく、事業を展開していくことができます。

あなた自身の事業を効率化するヒントになることをまとめたので、是非最後までご一読ください。

この記事でわかること
  • DXとは何か
  • デジタルガバメントについてと、その具体例
  • 各自治体の動き
  • デジタル化で受け取れる補助金

DXとは?

DXとは、デジタルトランスフォーメーション(digital transformation)の略です。日本語では「デジタル革新」や「デジタル変換」などと理解されています。

経済産業省は、DXの定義を以下のように定めています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

経済産業省「DX推進指標とそのガイダンス」令和元年7月

政府は、今までITとは無縁だった企業に対しても、競争力を維持・強化し、スピーディーにデジタル革新を行うことを勧めています。

「スピーディーに」というのは、「2025年の崖」問題を懸念しての言葉です。

2025年の崖とは?

「2025年の崖」問題とは、具体的にどのようなものでしょうか?

以下の3つに要約できます。

2025年の壁
  • レガシーシステム
  • 人材不足
  • 経営層の意識

これらの問題を解決できない場合、最大で年間12兆円の経済損失が発生すると経済産業省は予測しています。

それでは一つずつ確認してみましょう。

レガシーシステム

レガシーシステムというのは、これまで使用してきた既存のシステムのことです。

部署ごとに使い勝手の良いシステムをカスタマイズしバージョンアップを重ねてきた一方、社内全体をデータとして確認することには対応しておらず、活用できていない状態のことです。

このまま運用を続けていくと、高額な維持費が掛かるのみならず、いずれは情報の流出やデータの滅失の危険性があります。

人材不足

日本では、10年以上も前からIT人材が不足していて、2025年には43万人不足することが予測されています。

日本の多くの企業は、自社でIT管理の従業員を雇うことはせずに、外部にシステムを丸ごと発注する形を取ってきました。

すなわち、これまで使ってきたシステムに不具合が生じても、対応できる人員が社内にはいないのです。

また、システムを受注する企業においては、古いシステムのメンテナンスに時間を割かれて、最先端の技術にまで手が回らない状況に置かれているのが現状です。

経営層の意識

レガシーシステムを捨て去り、DXを推進するには、経営者の判断が必要です。

これまでの慣れたシステムを変えることには社内からの反発があるでしょうし、コストも掛かります。

しかし、「今大丈夫だから、まだ大丈夫」では、ITテクノロジーの本当の利益を得ることはできません。

DXとは、単に効率化を目指しているわけではなく、ITを利用することにより新しい商品や新しいサービスを開発し、世界競争の優位に立つことも目指しているのです。

企業が取り組むべきこと

企業がDXを進めるに当たって、経済産業省は「DX推進ガイドライン」を公表しています。

ガイドラインは、主に3つのテーマから構成されています。

DX推進ガイドライン
  • 経営のあり方と仕組み
  • ITシステムの構築(体制、仕組み)
  • ITシステムの構築(実行プロセス)

経営者の方々は、ITを利用してどのようなサービスを提供したいのか、経営戦略とビジョンを明確にして内外に提示し、具現化していかなくてはなりません。

自社の製品・商品・サービスを、IT技術を活用して最大限に活かすためには何が必要か・どのように変化すべきかを考え、実践していかなくてはならないのです。

もちろん全てを一人で実践していくことは困難ですから、信頼できるパートナーに相談してみることも必要です。

例えば、家族、部下、組合、税理士など、ヒントは誰が持っているかわかりません。

ただし、出発点である経営戦略とビジョンの明確化は経営者であるあなたが決める必要があります。

DX推進ガイドラインでは、やってはいけないことの一つの例として「失敗を恐れて何もしないこと」をあげています。

会社のこと、事業のことを長期的に考え、勇気ある一歩を踏み出しましょう。

デジタルガバメントとは?

デジタル技術を活用して行政の在り方を変革しようという動きをデジタル・ガバメントといいます。

政府は、現在のデジタル社会に対応した、デジタル政府に変化しようとしているのです。

社会全体をデジタル化するために、政府はデジタル庁を設置し、デジタル・ガバメント実行計画を公表しました。

政府のデジタル・ガバメント実行計画の趣旨は以下のとおりです。

デジタル・ガバメントの趣旨

「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」

皆さんの住む地域でもデジタル化が進み、オンラインでの申請や図書館などへのWi-Fiスポットの設置でその利便性を実感できることでしょう。

政府のDX推進では、各省庁で色々な取り組みがなされています。

以下で、身近な例を見てみましょう。

財務省は「納税者の利便性の向上」「課税・徴収の効率化・高度化」を目的として以下の取組を実施しています。

財務省が実施している取り組み
  1. e-Tax受付機能の見直し
  2. 国税庁組織内で書面中心からデータ中心へ事務運営の変更
  3. システム全体の最適化を図り、最新記述の導入を容易にする
  4. 運用経費の低減

以上のように、納税のための機能をデジタル化したり、省庁内でのデジタル化を推し進めています。

そして、それらの取組を、コストの削減につなげようとしています。

厚生労働省は、ハローワークシステムにおいて「現在の問題を克服」を目的として以下の取り組みを実施しています。

厚生労働省が実施している取り組み
  1. 求職者がオンラインで自主活動できる
  2. 個別支援の充実
  3. 業務の簡素化・効率化

デジタル庁では、行政サービスのオンライン化実施の3原則を次のように掲げています。

デジタル庁が掲げる三原則
  • デジタルファースト
  • ワンスオンリー
  • コネクテッド・ワンストップ

この3原則はマイナンバー制度の浸透が前提となっています。

それでは個々に確認してみましょう。

デジタルファースト

デジタルファーストの元々の意味は、新聞や雑誌などに代表される、紙で提供されていた情報の提供手段をデジタル化しようという動きのことです。

政府はこの考え方を、行政サービスのオンライン化実施の3原則の1つに採用しました。

個々の手続き・サービスが一貫してデジタルで完結できるというものです。

ワンスオンリー

ワンスオンリーとは、一度行政に提出した書類は再提出を不要とする簡素化の動きのことを指します。

ワンスオンリーを実施することにより、各省庁や行政内部の各部署の連携が行われています。

このことにより、何度も提出を求められていた書類を一度の提出に省略することに成功しています。

コネクテッド・ワンストップ

コネクテッド・ワンストップとは、民間を含めて、一箇所でサービスを完結できるシステムをいいます。

例えば、引越しをする際に発生する、市役所・水道局・郵便局・電気・ガスなどの様々な手続きを、デジタル化により、なるべく少なく済ませようというものです。

自治体の電子化の例

上記の3原則を踏まえたデジタル手続法が2019年に公布されました。

正式名称は「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律」です。

総務省指導のもと、自治体では、この法律に基づいて様々なデジタル化が進められています。

以下で、具体的な例についてみていきましょう。

オンライン申請

多くの自治体では、各種手続きのオンライン申請の準備が着々と整ってきています。

オンライン申請を使用できるようになると、時間と場所にとらわれずに自由に申請することが可能です。

また、窓口で待たされることもありません。

このオンライン申請を利用するには、事前準備が必要です。

地方公共団体情報システム機構公的個人認証サービスポータルサイトは、多くの自治体が利用する個人の認証サービスのサイトです。

このサイトの事前準備は以下のとおりです。

公的個人認証サービスを利用した電子申請までの流れ
  1. マイナンバーカードの取得
  2. 電子証明書の取得
  3. ICカードリーダライタ準備
  4. ソフトのダウンロードと設定
  5. オンライン申請可能

このシステムは、商売を営む人や転勤の多い人には便利なシステムです。サービスの内容は自治体ごとに違いがありますが、全てが電子申請できる体制はまだ整っていません。

用紙をダウンロードするのみのサービスも多くあります。

AIの利用例

多くの自治体ではすでにAIが導入され、業務の効率化が図られています。

AIによる業務の効率化の例
  • 音声データを文字データに変換して議事録を作成する
  • 文字認識機能による行政文書のデータ化
  • チャットボットによる窓口対応
  • マッチングによる保育所入所選考の自動化

以上のように、今までは、人の手を借りて行われていた業務を、徐々にAIが行うようになってきています。

DXの推進

地方の自治体には、その地域ならではのDXの推進事例があります。

大分県姫島村は、島の規模からその雇用を公務員に頼りがちでした。しかし、働く場所を選ばないIT関係の仕事なら雇用を促進できると考え、島全体をITアイランドとして通信環境を整え、IT企業を誘致し、コアワーキングスペースや移住の情報を公表しています。

福島県郡山市は、水道メーターの自動検針が実証実験されました。

自動検針のメリットはコスト削減のみならず、漏水の早期発見や水道の利用状況から高齢単身世帯の安否確認にも活用できることです。

こういったシステムは、全国単位で広がるでしょう。

多くの自治体が電子請求書の導入を検証している

令和3年1月に地方自治法施行規則が改正され、自治体との電子契約書に電子証明書を添付する必要がなくなりました。

そこで、電子請求書の導入についても、いくつもの自治体が実証実験を進めています。

ほとんどの自治体が業務の効率化に成功していることから、全国で電子請求書が導入される日も近いでしょう。

以下では、神奈川県横須賀市の成功例を見ていきます。

横須賀市の成功例

横須賀市では、請求業務のデジタル化の実証実験が行われました。

横須賀市では、実証実験を行う前から、電子決済・電子審査システムによる業務の効率化、支出業務の簡素化がすでに導入されています。

実証実験は、3つのパターンにわけて検証されており、最大で年間約 3,848 時間(約14,238,128 円)の削減効果が確認されました。

また、実証実験の結果から、手入力担当職員の精神的負担も軽減されることがわかっています。

参考:実証実験の成果概要

横須賀市の他にも、神戸市・奄美市・春日井市・前橋市など、電子請求書の実証実験を実施している自治体は複数あります。

経理業務からDXを進める

事務や経理といった経理業務は、どの企業にも存在します。また、どの企業においても、簿記のルールや伝票に記入すべき項目に大差はありません。

そんな経理部門も、デジタル化を進めやすい領域の1つです。コンピューターは決められた作業を間違いなくこなすことに優れていますから、経理部門のデジタル化は最も着手しやすい分野と言えます。

あなたの事業でも、できることからデジタル化を進めてみましょう。

インボイス制度

インボイス制度とは、消費税法で定められた適格請求書等保存方式のことです。

2023年10月から本格的に開始されます。現在は、適格請求書発行事業者の登録申請を受け付けている段階です。

インボイス制度を詳しく知りたい方は、次のページをご覧ください。

お役立ち資料のアイキャッチ

DXとインボイスには、次のような関係があります。

インボイス制度が導入されることを受けて、デジタルインボイス推進協議会(EIPA)が設立されました。

この設立の目的は、民間の金融業界やIT業界などが協力することで、事業者のバックオフィス業務の効率化を図ることです。

もちろん、この計画にはデジタル庁も参画しています。

EIPAは、電子文書の世界的標準仕様であるPeppol(ペポル)に準拠した形で、日本のデジタルインボイス標準仕様である「JP PINT」を公表しています。

世界中を日本の請求書が飛び回る日を視野に入れているわけです。

このサービスが本格的に始まれば、請求書だけではなく、決算・申告までデジタル化が進んでいくことでしょう。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法とは、決算や申告にかかわる帳簿や書類を電子データで保存することについてのルールを決めた法律です。

電帳法は、2022年に改正が行われました。

2改正において注目すべき点は、電子取引に関する電子データはデジタルのまま保存することを義務付けている点です。

電子帳簿保存法に関する詳細を知りたい方は次のページをご覧ください。

コスト削減
電帳法 タイムスタンプ

電帳法においても電子データ保存が義務付けられるなど、国全体のDXに対する姿勢が読み取れます。

うれしい補助金の紹介

独立行政法人中小企業基盤整備機構では、ITの導入にあたって補助金の申請を受け付けています。

このIT導入補助金は4種類あります。

IT導入補助金の種類
  • 通常枠
  • セキュリティ対策推進枠
  • デジタル基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
  • デジタル基盤導入枠(複数社連携 IT 導入類型」)

ここでは、インボイス制度の導入に便利なデジタル基盤導入類型をご紹介します。

デジタル基盤導入類型は、インボイス制度の導入を見据えて企業間取引のデジタル化を強力にするために、通常枠よりも補助率をあげている制度です。

補助金の申請の際には、まずIT導入支援事業者を選ばなくてはなりません。

IT導入支援事業者とは、あなたが補助金の対象となるITシステムを導入するに当たって、相談役になってくれるパートナーのことです。

このパートナーは、事務局と外部審査委員会の審査をクリアした事業者でなくてはなりません。

この補助金の補助の対象となるのは、ソフト(会計ソフト、ECソフト、受発注ソフト、決済ソフト)や、ハードウェア(PC、タブレット、券売機、レジ)です。

また、クラウド利用料を最大で2年間補助するメニューもあります。

ソフトウェアの補助額は5万〜350万円、ハードウェアは最大で20万円までの補助が予定されています。

申請・導入までのステップは以下のとおりです。

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この記事のまとめ!

今は、アナログからデジタルへの時代の過渡期です。

日本でも、DXを政府や、自治体が推し進めています。

DXは、今後を見据えると、便利であると同時に必須であるということもできます。

DXについて、相談に乗ってくれる人や協力してくれる人は必ずいます。

あなたなりのやり方で、あなた自身のDXを進めてください。

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監修者プロフィール

ペイトナー執行役員 邨山毅

立教大学経済学部卒。投資会社にて内部統制・米国新興事業の国内展開に従事。その後VOD運営会社にて経営戦略・機械学習・調達戦略領域の経験を経て、ペイトナー株式会社に入社。執行役員ファクタリング事業本部長として、ファイナンスサービスの運営及びフリーランスの与信構築全般を所掌している。

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