「請求書の電子化を進めたいけど取引先への案内方法がわからない」「実は電子化を取引先に伝えるのが億劫で先伸ばししてしまっている」そんなお悩みはありませんか。
今回は「請求書を電子化したい」と思っている担当者が読んで真似するだけでスムーズに電子化を取引先に伝えられる7つのポイントを記事にしました。
最後まで見て真似していただければ電子化への大きな一歩が踏み出せると思います。
目次
請求書の電子化におけるメリットと注意点
電子化のメリット
最初に請求書の電子化のメリットをお伝えします。これまで請求書を紙で管理していたものを電子化することで下記の効果が得られます。
繰り返し作業の効率化は売上を増加させるより簡単にすぐに低リスクで実現できる点がポイントです。
1.効率化の実現
まずは効率化。発行側と受け取り側にメリットがあります。
例えば発行側ではこれまでの印刷や封入、投函などの作業が不要になり、電子データを送るだけで完了できます。また受領側では開封や入力、ファイリングなどの作業が不要になり、データを受け取るだけでよくなります。
以上のように電子化すると作業の効率化を実現できます。
2.コストの削減
次にコストの削減効果です。
物理的なものとして郵送代や用紙代、印刷コストがいらなくなります。加えて発行側でも受領側でも封入や投函、開封やファイリングのような「郵送ならば必要な作業」が不要になります。
つまりその分人件費を削減し、その時間を別の仕事に取り組めるため、コスト削減効果があります。
3.保管や検索の利便性
請求書関連の書類は数年単位で保管が必要です。そのため大きな保管スペースが必要になります。電子化すればその必要はありません。
また後から検索するときも日付や伝票番号で絞り込みができますのでファイルを開いて探し回らなくていいのです。
以上3点でも十分なメリットがあることがおわかりいただけたと思います。
請求書を電子化する場合の注意点
次にメリットのある請求書の電子化の注意すべき点をご紹介します。
デメリットとして共通して挙げられることは導入・運用コストがかかる点と取引先が協力してくれない場合がある点です。
これらのデメリットは分けて考える必要があります。導入コストは請求書の電子化に限らず新たなものを取り入れるときは必ず生じます。大切なことは初期でコストがかかっても後で取り戻せて、トータルプラスになるのであれば問題ないことです。
また取引先には一定数、どうしても郵送しかできないという会社が出てくると思います。
現時点で100%の取引先を電子化することは現実的ではありません。しかし一部が変わるだけでも効率化が図れる場合は多いのです。
とはいえ、やはりできるだけ多くの会社に電子化に対応していただき、初期のトラブルはなるべく防ぎたいですよね。
ポイントになることは「取引先への丁寧な周知」と「的確な案内状の作成、送付」を実行することです。
請求書の電子化を案内する前にやっておきたいこと3選!!
「社内で請求書の電子化が決まったけどやっておくことはあるの?」ここでは請求書の電子化が決まったらやるべきことについて3つポイントを述べます。
電子化する理由と時期を事前に取引先に伝えておくこと
まず事前に開始時期を案内しておくこと。
「いきなり導入したのでお願いします」となっても取引先は慌ててしまい、「うちは準備ができていないのでこれまで通りで」と言われる恐れがあります。
余裕を持って取引先が準備できるよう早めに連絡することが大事です。
後述します案内文を参考に事前連絡の方法を考えてみてくださいね。
問い合わせには丁寧に答えられるように準備しておく
電子化すれば取引先から様々な問い合わせがくることが想定されます。
もちろん「電子帳簿保存法」の改正についてやインボイスについてもあるかもしれません。
専門的な話はできないかもしれませんが、国税庁の資料などを確認し一般的な回答ができるように準備しておくことが理想的です。
私たちのbillmagのコラムにも電子請求書関連の情報は沢山ありますので事前に考えられる質問に対して準備しておくと良いと思います。
もし取引先から問い合わせがあったときは丁寧に答えられるようにしておくことで安心して電子化を進められます。
取引先によっては従来通り対応できるように準備しておく
先ほど少し触れましたが、自社が電子請求書を導入したからといって100%の取引先が電子化に協力してくれるとは思わないようにしましょう。
取引先によってはどうしても変えられない事情がある会社もあります。
どうしても難しい場合は従来通り紙の請求書で対応する必要があるのが現実です。その場合は従来通り対応できるよう準備しておく必要があります。
以上3点は請求書の電子化が決まったらすぐに準備する必要があります。
請求書電子化の案内文作成の4つポイント!
次にカギとなる案内文の作成の仕方を述べていきます。大きく4つのポイントがあります。上記で環境を整え、的確な案内文を送付できればトラブルは減らせ、導入ハードルへ更に前進できます。
いつ案内文を送るのが最適か?
案内文はいつ送ったらよいのでしょうか。
請求書の電子化が決まった段階で案内文を出すことが望ましいと言われています。
余裕を持って移行の3か月前を目安に案内を開始しましょう。
案内文の内容は電子請求書への移行が決定した旨と開始の日付は最低限伝えましょう。電子請求書の導入は自社の決定事項である前提で送るようにしましょう。
相談や提案ですと不安や手間を理由に断れやすくなってしまう恐れがあります。ですから自社では決定していることを丁寧に伝えましょう。
取引先側のメリットを伝える
伝えた方が理解を得やすい項目は、取引先にもメリットがある点です。
発行者側では封入や投函など、受領側では開封やファイリングのような「電子でなければ必要な作業」をする必要がない点など発行側だけでなく、受け取り側でもメリットがある点を伝えます。
保管も簡単になったり、発行から受領までのタイムラグがなくなったり、担当部署への共有が楽になったりと電子化には発行側受領側双方に大きなメリットがあることを伝えます。
電子化の経緯、理由を明確に説明する
効率化やペーパーレス化の促進や、インボイス制度導入の準備のためになど電子化の経緯があると思います。
経緯や理由を伝えることで「なるほど、確かにそうだね」と理解を得やすくなります。
必ず何らかの電子化への移行理由があると思いますので丁寧、誠実に取引先に伝えることで少しでも理解が得られるように工夫して伝えます。
請求書の電子化が社会の流れであること
また電子化は社会的な流れであることを入れることもポイントになります。
電子帳簿保存法の改正や脱ハンコ、ペーパーレス化が推進されていることは周知の事実です。
今のうちに対応していくことで流れに取り残されずにすむことや今後他社からの要望があることも想定されると伝えることでより前向きに検討していただける可能性が高まるはずです。
案内文の文例
最後にこれらを網羅した案内文の文例を紹介します。
真似して作成してみることをお勧めします。記載しておきたい項目についても後述しますので、参考にしてください。
案内文の文例①(書面)
案内文の文例➁(メールの場合)
○○株式会社 ご担当者様
いつもお世話になっております。
株式会社○○の○○です。
この度、弊社にて請求書の電子化を導入することになりましたので、
事前にご連絡いたします。
●背景
昨今の社会背景において環境意識の高まり、ペーパーレス化、リモート化などの流れに伴い弊社でも業務効率化を目的とした請求書の電子化を導入することを決定いたしました。
変更によりお手数をおかけいたしますが、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。
■導入開始時期
〇〇年〇月度分の請求より開始予定
■請求書の送付方法
・請求書は紙の郵送ではなく、PDFファイルで送信いたします。
■貴社のメリット
・開封やファイリングが不要となり物理的、時間的コスト削減が実現できます。
・Web上で保管できるため、保管や検索にかかる時間を短縮できます。
・郵送より早く受け取ることが可能です。
■お問い合せ先
株式会社○○ ○○部 担当○○
メール:○○@○○○.jp
※本件についてご質問やご要望、ご相談がございましたらご連絡をよろしくお願いいたします。
案内文例に記載項目の一覧
1.導入の背景
導入に至った背景を簡単にお伝えすることにより、「なぜ請求書の電子化を決めたのか」の疑問を解消できます。
2.開始日と導入時期
実際にいつからになるのか、または現段階でわかる範囲の見通しを早めにお伝えすることで取引先との導入後のトラブルを防げます。
3.送付方法
具体的に決まっていれば送付方法をお伝えすることでこれまでとどう変わるのかイメージがつきやすくなります。
4.取引先側のメリット
取引先側にもメリットがあり、具体的にどんなメリットがあるかお伝えすることで前向きに移行してもらいやすくなります。
5.お問い合わせ先
お問い合わせ先を必ず明記すること。また何か困ったら対応する旨を伝えることでより安心して取引先が移行できるような環境を整えます。
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この記事のまとめ!
「請求書の電子化を進めたいけど取引先への案内方法がわからない」「実は電子化を取引先に伝えるのが億劫で先伸ばししてしまっている」そんなお悩みはありませんか。
今回は「請求書を電子化したい」と思っている担当者の方が読んで真似するだけでスムーズに電子化を取引先に伝えられる7つのポイントを記事にしました。
最後まで見て真似していただければ電子化への大きな一歩が踏み出せると思います。