個人事業主が借入をした際には、入金された金額を帳簿に記載する必要があります。しかし、具体的な仕訳方法や勘定科目が分からないと、確定申告時に迷う可能性もあるでしょう。
本記事では個人事業主が借入をした際の仕訳方法の詳細と、経費にできるお金・できないお金について解説します。
- 個人事業主は、借入を利用して資金繰りすることができるよ！
- 借入を利用した際には、仕訳方法をしっかりと確認しておく必要があるよ。
- 借入をする方法はいくつかあるから、自分に合ったものを選んで、正しい手続きをできるように事前に備えておこうね！
目次
個人事業主が借入をした際の借入金の仕訳方法
個人事業主が借入を行った場合、借入金は帳簿に記載して仕訳をする必要があります。以下では、個人事業主の借入時における仕訳方法を解説します。
借入時の仕訳方法について
個人事業主の借入時には、主に「預金」「租税公課」「支払手数料」といった勘定科目が使用されます。例えば100万円を借りて保証料として1万円が発生した場合には、以下の形で仕訳をします。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 概要 |
| 普通預金 | 989,800 | 借入金 | 1,000,000 | 事業用の借入 |
| 租税公課 | 200 | 印紙代 | ||
| 支払手数料 | 10,000 | 保証手数料 |
借入をする際には金額に応じた「印紙代」がかかるため、その金額と勘定科目も仕訳します。
借入金を返済する際の仕訳方法について
個人事業主が借入をした際には、返済時にも帳簿の記載および仕訳が必要です。具体的な仕訳方法は、以下の形になります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 概要 |
| 借入金 | 30,000 | 普通預金 | 31,000 | 借入金の返済 |
| 支払利息 | 1,000 | 利息の支払額 |
借入時には返済と同時に利息を支払うため、その金額も仕訳しておきます。
借入時に支払った保証料の仕訳方法
金融機関から融資を受ける場合、信用保証協会の「保証付き制度融資」を活用して借入をすることもあります。保証付き制度融資の利用時には「信用保証料」が発生し、借入の金額に応じて保証料の支払いが求められます。
信用保証料の仕訳方法も、先に紹介した「借方：支払手数料」「貸方：借入金」となります。概要欄には、信用保証料であることを明記します。信用保証料は、借入,借入時に、一括で支払うのが基本です。
個人事業主の借入金は経費にできない
個人事業主の借入金は、仮に事業に活用したとしても経費にはできません。以下では、個人事業主の借入金と経費の関係性について解説します。
借入金は売上に直結しないため経費にはできない
個人事業主が経費にできるものは、売上に直接つながる出費のみとなっています。借入金は事業の継続などに活用されますが、直接的に売上をつくらないため、経費には計上できません。
経費にすることを前提に借入をすると、節税につながらず翌年の納税に苦労する可能性があります。「借入金は経費にならない」という点を理解した上で、資金調達の計画とその後の返済計画を考える必要があるでしょう。
そのほかに個人事業主の経費にできないもの
借入金のほかにも、所得税や住民税などの税金、生命保険料や地震保険料、健康診断の費用などは個人事業主の経費にできません。事前に経費にならない出費の種類を把握し、間違って計上しないように備える必要があります。
生命保険料や地震保険料に関しては、確定申告の際に申請することで控除が可能です。経費と控除は別で確認し、節税につながる要素をピックアップしておくと良いでしょう。
個人事業主の経費にできるものとは？
個人事業主の経費に計上できるものには、さまざまな種類があります。以下では、個人事業主の経費にできる内容を解説します。
借入金の返済時にかかる利息は経費にできる
借入金そのものは経費にできませんが、借入の返済時にかかる利息は経費に計上可能です。先に解説した通り、利息と借入金は別に仕訳し、利息のみを経費に計上できるように備えます。利息は毎月の返済にかかるものであるため、返済の帳簿付をきちんと実施する必要があります。
売上原価と販売費及び一般管理費は経費になる
個人事業主は「売上原価」と「販売費及び一般管理費」を経費として計上できます。売上原価とは、個人事業の売上に対して直接的に影響する費用を指します。例えば商品の仕入れにかかった費用や、商品を送付する際の運賃などが売上原価に含まれます。
販売費及び一般管理費とは、間接的に売上に関わる費用を意味します。事業所の家賃や水道光熱費、消耗品費など直接売上につながらなくても、事業に必要とされる経費が該当します。
住宅ローンの借入金は控除できる
住宅ローンの借入金は、「住宅ローン減税（住宅借入金等特別控除）」を利用することで減税が可能です。住宅ローン減税を活用するためには、適用条件を満たす必要があります。「所得金額2,000万円以下」「返済期間が10年以上」「自己居住用の住宅とその敷地取得のための借入れで、一体として借入れられている」「所定の借入先を利用している」などが条件になります。
そのほか、適用条件は新築や買取再販など住宅の種類によって異なるため、事前に詳細の把握が求められます。
個人事業主が借入をする方法
個人事業主が借入をする際には、いくつかの方法が検討されます。以下では、個人事業主が借入をする方法についての詳細を解説します。
金融機関から借入をする
銀行などの金融機関からの借入は、最も一般的な方法として知られています。銀行には都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合などの種類があり、それぞれで融資を受けることが可能です。
都市銀行・地方銀行は多くの資金を調達しやすく、金利も低めとなっています。その分審査が厳しい傾向にあるため、簡単には借入ができない可能性があります。信用金庫・信用組合は審査の難易度が低いため、個人事業主でも借入がしやすいです。
日本政策金融公庫から借入をする
日本政策金融公庫とは、国が支援する金融機関です。銀行のように口座の開設や預金はできず、あくまで融資業務のみを実施しているのが特徴です。
日本政策金融公庫は、中小企業などへの支援を積極的に実施しています。仮に金融機関の審査に落ちた場合でも、日本政策金融公庫なら借入ができるケースも多いです。融資は固定金利かつ低めに設定されているため、ローリスクで借入が可能です。
ファクタリングを活用する
資金調達のために借入をする場合、「ファクタリングサービス」の活用も視野に入ります。ファクタリングサービスとは、売掛債権を譲渡して資金を確保できるサービスです。請求書（売掛債権）に記載されている支払日よりも早く現金化ができるため、資金繰りの安定化につながります。
ファクタリングは金利が発生しませんが、手数料の支払いが必要になります。ファクタリングサービスを提供する企業によって、手数料の設定額は変わるため、事前に複数のサービスを比較することがおすすめです。
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ペイトナーファクタリングは、最低1万円から利用可能です。初めてファクタリングを使うため、まずは少額で試してみたい人にもおすすめです。手数料も一律10%と明確になっているため、計画的な資金調達と返済がしやすい点がメリットです。
ファクタリングを活用するのなら、「ペイトナーファクタリング」への申し込みがおすすめです。ペイトナーの公式LINEを経由すると、手数料が5,000円オフになるクーポンが獲得できます。公式LINEでは、個人事業主に役立つお金の知識も提供しているため、事業継続における勉強にもご活用いただけます。
まとめ
個人事業主は事業継続や先行投資のために、借入を必要とするケースも多いです。事前に借入の基本や仕訳方法を確認し、必要な場面になっても慌てずに対応できるように備えると良いでしょう。
資金調達の方法は銀行などの金融機関からの借入だけに限らず、ファクタリングサービスの利用も検討されます。ファクタリングサービスは安心安全に利用できる資金調達法として、国からも公認されています。この機会にファクタリングサービスでの資金調達も、1つの方法として考えてみると良いでしょう。
- 個人事業主は、借入を利用して資金繰りすることができるよ！
- 借入を利用した際には、仕訳方法をしっかりと確認しておく必要があるよ。
- 借入をする方法はいくつかあるから、自分に合ったものを選んで、正しい手続きをできるように事前に備えておこうね！
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