建設業が使える国の支援制度は、設備やITの導入に使う補助金と、雇用や人材育成に使う助成金に大きく分かれます。
どちらも原則として返済不要ですが、従業員を雇っているかどうかで申し込める制度が変わります。
目的別の選び方、一人親方が使える制度、申請から入金までの流れ、入金を待つ間の資金調達方法を順に解説します。

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建設業の補助金と助成金の違い
補助金と助成金は、主な目的、募集時期、審査方法が異なるため、解決したい課題から選ぶことが大切です。
補助金は公募期間内に申請して審査に通った事業者に支給される
補助金は、国や自治体の政策に沿った設備投資や販路開拓などを支援するお金です。
申請要件を満たしていても事業計画の審査があり、採択されない場合は受け取れません。
助成金は決められた要件を満たせば通年で申請できる
助成金は、従業員の雇用、処遇改善、人材育成などを行う事業者を支援するお金です。
要件を満たして必要な手続きを期限内に行えば支給対象になりますが、予算の状況によって早く受付を終える制度もあります。
補助金と助成金の主な違い
| 比較項目 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 設備投資・IT導入・販路開拓 | 雇用・賃上げ・人材育成 |
| 募集時期 | 決められた公募期間 | 通年または年度ごとの期間 |
| 審査 | 採択審査がある | 要件を満たすか確認される |
| 主な窓口 | 経済産業省・自治体など | 厚生労働省・労働局など |
| 従業員 | 制度により不在でも申請可能 | 原則として雇用が必要 |
補助金の基本を先に確認したい人は、下記の記事も参考になります。
建設業が使える補助金・助成金10制度
2026年7月29日時点で建設業者が検討できる10制度を、支出の目的とあわせて確認します。
目的別に見た10制度
| 目的 | 候補となる制度 |
|---|---|
| 省人化・設備投資 | 中小企業省力化投資補助金、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 |
| IT導入 | デジタル化・AI導入補助金 |
| 販路開拓 | 小規模事業者持続化補助金 |
| 賃上げ・労働時間削減 | 業務改善助成金、働き方改革推進支援助成金 |
| 採用・育成・定着 | 人材開発支援助成金、人材確保等支援助成金、トライアル雇用助成金、キャリアアップ助成金 |
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、人手不足を補う設備の導入を支援する制度で、建設業では測量用ドローン、ICT建機、鉄筋加工機などが候補になります。
カタログ注文型の補助率は2分の1以下で、通常枠の上限は従業員5人以下が500万円、6人から20人が750万円、21人以上が1,000万円です。
従業員がいない事業者も初回に限り追加資料を出して申請できますが、2回目以降は常勤従業員が必要です。
一般型の第7回は2026年7月31日17時が締切で、第8回の時期はまだ発表されていないため、公式サイトで更新を確認してください。
デジタル化・AI導入補助金
デジタル化・AI導入補助金は、見積書や請求書の作成、施工管理、写真管理などに使う登録済みITツールの導入費を支援します。
個人事業主も申請でき、通常枠の補助率は原則2分の1以下で、補助額は業務工程の数に応じて5万円から450万円です。
申請にはGビズIDプライムの取得、SECURITY ACTIONの宣言、IT導入支援事業者との共同手続きが必要で、通常枠第4次の締切は2026年8月25日17時です。
建設業の請求業務をデジタル化したい人は、下記の記事も参考になります。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、革新的な製品やサービスの開発、新市場への進出に伴う設備投資を支援します。
2026年度は2制度の統合枠となり、ものづくり枠は従業員数に応じて750万円から2,500万円、新事業進出枠は2,500万円から7,000万円が上限です。
いずれも1人以上の従業員と賃上げを含む事業計画が必要で、申請期間は2026年9月30日から10月30日18時までです。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、看板、ウェブサイト、展示会出展、販路開拓に必要な機械などの費用を支援します。
一般型通常枠の補助率は原則3分の2、基本上限は50万円で、インボイス特例と賃金引上げ特例を併用すると最大250万円です。
第20回の申請期間は2026年11月5日から12月15日17時までで、商工会または商工会議所が発行する事業支援計画書も準備します。
補助金以外の資金調達手段も比べたい人は、下記の記事も参考になります。
業務改善助成金
業務改善助成金は、事業場内最低賃金を引き上げ、生産性向上につながる機械や業務管理ソフトを導入する中小企業を支援します。
2026年度の補助率は事業場内最低賃金1,050円未満が5分の4、それ以上が4分の3で、賃上げ額に応じた上限は最大600万円です。
従業員がいない事業者は対象外で、賃上げと設備購入の前に申請し、交付決定を受けてから取り組む必要があります。
働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金は、労働時間の削減や休日の確保に向けて、建設機械や労務管理ソフトなどを導入する費用を支援します。
建設業向けコースでは週休2日の確保や時間外労働の削減に取り組み、成果目標と対象経費に応じて支給上限が決まります。
労働者災害補償保険の適用事業主などが対象で、従業員がいない一人親方は申請できません。
2026年度の申請締切は11月30日17時ですが、予算に達すると早く受付を終える場合があります。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金の建設労働者技能実習コースでは、雇用する建設労働者に受けさせる技能講習や安全衛生教育の費用と訓練中の賃金を支援します。
20人以下の中小建設事業主は経費の4分の3が基準で、賃金助成は1人1日9,500円、CCUS登録者は10,450円です。
21人以上では年齢などにより経費助成率が変わり、賃金助成は1人1日8,550円、CCUS登録者は9,405円です。
人材確保等支援助成金
人材確保等支援助成金の建設キャリアアップシステム等活用促進コースは、CCUSの能力評価を受けた建設技能者の賃金を5%以上引き上げる事業主を支援します。
要件を満たした技能者1人につき16万円、1事業年度につき160万円が上限です。
賃上げ後の賃金を12か月維持する必要があり、事前の計画提出と実施後の証拠書類をそろえます。
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、経験不足などで就職が難しい人をハローワークなどの紹介で原則3か月試行雇用する事業主を支援します。
一般トライアルコースは1人につき月額4万円、ひとり親は月額5万円を最長3か月受け取れます。
35歳未満の人や女性を建設技能労働者として雇うなどの条件を満たすと、若年・女性建設労働者トライアルコースの月額4万円が加算されます。
採用後14日以内に実施計画書を提出する必要があるため、求人を出す段階で窓口へ確認しましょう。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金の正社員化コースは、有期雇用労働者などを正社員へ転換し、転換後の賃金を3%以上引き上げる事業主を支援します。
2026年度の中小企業向け支給額は重点支援対象者が1人80万円、それ以外の人が1人40万円で、1年度につき20人が上限です。
転換日の前日までにキャリアアップ計画を作成し、就業規則に正社員転換制度を定めておく必要があります。
一人親方や従業員がいない建設業者が申請できる制度
従業員を雇っていない一人親方は雇用関係の助成金を申請できない
厚生労働省の助成金は雇用保険に加入する労働者への賃上げ、訓練、採用などを支援するため、従業員がいない一人親方は原則として対象外です。
今後従業員を採用する場合は、採用前に就業規則や賃金台帳を整え、ハローワークや労働局へ申請時期を確認してください。
設備やITの導入に使う補助金は従業員がいなくても申請できる
個人事業主でも、デジタル化・AI導入補助金と小規模事業者持続化補助金へ申請でき、従業員がいない場合の持続化補助金はインボイス特例を含めて最大100万円です。
中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型は、従業員がいない事業者でも初回申請に限り追加資料を出して申し込めます。
一方、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は1人以上の従業員が必要なため、申請前に各制度の定義を確認しましょう。
建設業許可や資格取得の費用は自治体の制度で補助を受けられる
自治体や業界団体によっては、建設業許可の取得、資格講習、若手技能者の育成などに使える独自制度があります。
国の制度と対象経費が重なる場合は併用できないことがあるため、所在地の自治体と申請窓口の両方に確認してください。
一人親方が使える資金調達方法を広く知りたい人は、下記の記事も参考になります。

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建設業の補助金・助成金を申請してから入金されるまでの流れ
補助金と助成金は後払いが基本で、申請後すぐに入金されるわけではありません。
申請から入金までの6段階
| 段階 | 行うこと |
|---|---|
| 申請前 | 公募要領の確認、事業計画と書類の準備 |
| 申請・審査 | 電子申請、採択または支給要件の審査 |
| 事業実施 | 交付決定後の発注、契約、支払い |
| 実績確認 | 実績報告、証拠書類の確認、支給額の確定 |
| 入金 | 請求手続き後に指定口座へ振込 |
STEP1 公募要領を読んで対象と公募期間を確認する
対象者、対象経費、補助率、締切、事前に必要なIDを確認し、自社が申請できるかを判断します。
STEP2 事業計画書と必要書類をそろえる
決算書、確定申告書、見積書、従業員名簿などを集め、投資で改善する課題と数値目標を事業計画書に記載します。
STEP3 電子申請システムから申請する
GビズIDプライムなど指定されたアカウントで電子申請し、送信後は受付番号と提出データを保存します。
STEP4 交付決定の通知を受けてから発注・契約する
採択通知だけで発注できるとは限らないため、交付決定日と事業実施期間を確認してから契約や支払いを行います。
STEP5 事業が終わったら実績報告を提出する
契約書、請求書、振込記録、設備の写真などを提出し、申請どおりに事業を行ったことを報告します。
STEP6 支給額が確定してから指定口座に入金される
実績報告の確認後に支給額が確定し、精算払いの請求手続きを経て指定口座へ入金されます。
事業計画書の作成方法を詳しく知りたい人は、下記の記事も参考になります。
建設業が補助金・助成金を申請するときの注意点
申請しても審査に落ちれば1円も受け取れない
補助金は申請者同士の審査があるため、対象要件を満たしていても採択されるとは限りません。
交付決定より前に発注や契約をすると対象外になる
採択と交付決定は別の手続きであるため、通知書に記載された日付を確認してから動きましょう。
予算に達すると締切前でも受付が終わる
助成金の一部は、申請期限より前でも国の予算に達した時点で受付を終える場合があります。
書類に不備があると差し戻しで入金が遅れる
見積書と請求書の品名や金額が一致しない場合や、振込記録が不足する場合は、追加提出を求められます。
支給後も帳簿や書類の保管と報告を求められる
支給後も一定期間、帳簿、契約書、請求書、設備の管理記録などを保管し、収益や賃上げの報告を求められる場合があります。
資金繰り悪化を防ぐ考え方を確認したい人は、下記の記事も参考になります。
建設業が補助金・助成金の入金までのつなぎ資金を用意する方法
補助対象の設備代や人件費は先に支払い、補助金や助成金は実績確認後に入るため、その間の資金を用意する必要があります。
手元の運転資金や自己資金でまかなう
自己資金なら利息や手数料はかかりませんが、材料費、外注費、給与、税金の支払いに必要な残高まで使わないようにします。
日本政策金融公庫や銀行のつなぎ融資を借りる
補助金の採択通知や交付決定通知をもとに、日本政策金融公庫や取引銀行へつなぎ融資を相談する方法があります。
調達できる金額は大きくなりやすい一方、決算内容や返済能力の審査があり、利息と返済義務も生じます。
取引先への請求書をファクタリングで先に現金化する
工事が完了して請求書を発行している場合は、売掛債権をファクタリング会社へ売却して支払期日前に現金化できます。
融資とファクタリングの違いを比べたい人は、下記の記事も参考になります。

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ペイトナーのファクタリングが建設業のつなぎ資金に向いている理由
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たとえば50万円の請求書なら手数料は5万円、受取額は45万円と申込前に計算できます。
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店舗への訪問や面談は不要で、工事現場や自宅からオンラインで手続きできます。
1万円の少額から利用できる
利用可能額は1万円からで、材料の追加購入や外注費など少額の不足にも使えます。
初回の利用上限は50万円で、利用実績に応じて最大300万円まで増額されます。
ペイトナーのサービス概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 請求書額面の一律10% |
| 入金 | 最短10分 |
| 利用額 | 1万円から |
| 初回上限 | 50万円 |
| 最大上限 | 300万円 |
| 必要書類 | 初回は本人確認書類・請求書・入出金明細、2回目以降は請求書 |
| 受付 | オンライン完結、土日祝日対応 |
建設業の補助金・助成金についてよくある質問
Q. 建設業許可がないと補助金は申請できない?
建設業許可がなくても、請負金額などが許可不要の範囲で適法に営業し、各制度の要件を満たせば申請できる補助金はあります。
Q. 補助金と助成金は同時に申請できる?
別の目的と経費であれば同時に申請できる場合がありますが、同じ設備費や同じ賃金に国の支援を重ねて受けることは原則できません。
Q. 受け取った補助金・助成金に税金はかかる?
事業者が受け取る補助金や助成金は、原則として法人税または所得税の計算上、収入に含めます。
固定資産の取得に充てた国庫補助金は、要件を満たして所定の明細を添付すると圧縮記帳などを使える場合があるため、税務署や税理士へ確認してください。
Q. 申請の代行を頼むといくらかかる?
行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士などへの報酬は、制度、申請額、支援範囲によって異なります。
補助金申請を専門家へ相談するときの確認項目を知りたい人は、下記の記事も参考になります。
まとめ
建設業の補助金は設備・IT・販路開拓、助成金は雇用・賃上げ・人材育成に使う制度から選びます。
交付決定前の発注や書類不足は対象外や入金遅延の原因になるため、公募要領を読み、支払いと証拠書類を計画的に管理してください。

- 一人親方は、設備・IT・販路開拓の補助金から探そう
- 採択後も交付決定を待ってから発注し、証拠書類を残そう
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