個人事業主の方で「税務調査が来るのではないか?」と不安に感じたことがある方は、少なくないのではないでしょうか。個人事業主(フリーランス)になると、自分で支払う税金を計算して、税務署に申請します。確定申告にミスがあったり、申告漏れがあったりして、税務調査が来てしまうのではないかと不安を感じる方も少なくないかと思います。
本記事では、税務調査の対象になる個人事業主はどんな人なのかを詳しく解説します。税務調査が来ることになった際の対応方法についても詳しく解説しますので、税金面で不安がある方はぜひご覧ください。
- 税務調査とは所得の申告漏れや脱税がないかを調べるものだよ!
- 個人事業主の2%ほどは調査されるので、書類の管理は徹底しておこう。
- もし調査結果に異議があれば、再調査を請求できるよ!
目次
税務調査とは?概要と種類について
税務調査とは、納税者に対して税務署が「申告が正しく行われているか」「嘘はないか」を調べるために行う調査です。税務調査の結果、所得の申告漏れや虚偽申告などが発覚した場合、追徴課税という追加の税金を支払うこととなります。
調査手法には「実地調査」と「簡易接触」があります。実地調査とは、自宅や事務所に税務署職員が訪れて行う調査です。一方の簡易調査は、電話や書面、税務署での面接などで行う調査となっています。
個人事業主も納める所得税や消費税に関して、合計約60万件の税務調査に対し、約32万件の申告漏れや虚偽申告が発覚しました。つまり、税務調査に入られた人のうち約半数は、申告に問題があったということです。
以下では、税務調査の種類を2つご紹介します。以下の内容を参考にして、税務調査に関して正しい知識を身につけていきましょう。
参考:国税庁『令和3事務年度 所得税及び消費税調査等の状況』
任意調査
任意調査とは、名称のとおり任意で行う税務調査です。脱税の疑いがあまりない場合は、任意調査のかたちを取ります。税務調査は、必ずしも脱税の疑いが濃厚な場合に行うのではなく、事業を一定年数にわたり継続している場合でも行うものです。特に不審な点がなければ、任意で税務調査を行います。
ただし、任意調査であっても、虚偽の回答をしたり調査を拒否した場合は、罰則の対象となる可能性がありますので注意しましょう。これは、税務職員にも質問検査権があるためです。任意・強制いずれの場合でも、真摯に対応する必要があります。
強制調査
強制調査は、脱税の疑いが高い場合や、高額な脱税が疑われる場合に行われる調査です。裁判所で令状を取ってから税務調査が行われます。国税局査察部が行う調査で、拒否をすればもちろん罰則の対象となりますので、しっかりと対応しましょう。強制調査が行われる場合は深刻な状態になっているケースがほとんどで、調査に入られる納税者自身も思い当たる点があるはずです。もし、自分が強制調査の対象になった場合には、無理な隠蔽工作はせずに、正直に業務状況や売上などを回答してください。
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税務調査に入られる割合は?
税務調査に入られる割合は、おおよそ3%ほどとされています。2020年ごろからは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて実地調査の件数が減少していたものの、2022年ごろからは回復基調となってきました。割合に関しては年度によってばらつきがあり、これまでのおおよその平均は5〜6%ほどとされています。以下では、法人と個人事業主それぞれの税務調査に入られる割合を、令和3年分のデータを基に紹介します。
法人は4%程度
法人が税務調査に入られる割合はおおよそ4%程度です。この割合は「法人税に関する税務調査の件数 ÷ 法人の数」で算出できます。法人税に関する税務調査の件数は、令和3事務年度では約11万件でした。そして、令和3年時点での法人の総数は270万です。これらの数値から、法人が税務調査に入られる割合は「11万 ÷ 270万 = 0.04…」で約4%ほどと考えられます。
参考:国税庁『令和3事務年度 法人税等の調査事績の概要』
参考:国税庁『(4)法人数等の状況』
個人事業主は2.6%
個人事業主が税務調査に入られる割合はおおよそ2.6%程度です。この割合は「所得税や消費税調査の税務調査の件数 ÷ 確定申告した個人事業主の件数」で求められます。所得税や消費税調査に関する税務調査の件数は、令和3事務年度で約60万件でした。そして、令和3年度に確定申告をした人数は2,285万人です。これらの数値から、個人事業主が税務調査に入られる割合は「60万 ÷ 2,285万 = 0.026…」で約2.6%となります。
参考:国税庁『令和3事務年度 所得税及び消費税調査等の状況』
参考:国税庁『令和3年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について』
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税務調査の対象になる事業者・個人事業主の8つの特徴
税務調査の対象になる事業者や個人事業主には、いくつかの共通点があります。売上が急激に増えた、開業からしばらく経っているといったものです。具体的には、以下のような特徴があげられます。
- 売上が急激に伸びている
- 開業から3年が経過している
- 確定申告をせずに事業を行っている
- 売上に不審な数字が多い
- 不審な経費計上が目立つ
- 医療控除が大きいのに売上が高額
- 海外投資に関する売上が大きい
- シェアリングエコノミー関連の売上がある
以下の項目では、税務調査の対象になる人の特徴についてそれぞれ詳しく解説します。税務調査に入られるんじゃないかと不安な方は、ぜひご覧ください。
①売上が急激に増えている
売上が急激に増えている場合、申告において修正すべき点が増えやすいために、税務調査の対象になりやすいとされています。申告箇所が多いということは、申告漏れや脱税の可能性が高く、調査に入る必要性が高まるためです。
数が限られている税務調査では、申告漏れや脱税を効率よく見つけていく必要があります。そのため、売上が急激に増えており、申告漏れが発生している可能性が高い場合は税務調査に入られやすいのです。
②開業から3年が経過している
開業から3年が経過している場合は、売上が増えて申告漏れも発生しやすくなるため、税務調査に入られやすいとされています。また、消費税の免税事業者から外れるケースが増えるのも、調査に入られやすい要因のひとつです。個人事業主になってから3年ほど経つと、確定申告にも段々と慣れてきて、申告ミスや過小申告などが増えやすいというのも、調査に入られる要因と考えられます。
③確定申告をせずに事業を行っている
確定申告をせずに事業を行っている場合は、税務署に対して自分の所得や納税額を申告していないことになりますので、税務調査の対象になります。確定申告をしなければ税金を支払う必要もなくなると考える人もいますが、税務署は無申告事業者の調査を行っていますので、いつかは無申告であることがバレてしまいます。また、自分だけが申告をしていなくても、取引先が税務申告をしていれば無申告事業者の存在が明らかになってしまうでしょう。申告せず脱税状態で事業をするのではなく、必ず確定申告を行いましょう。
④売上に不審な数字が多い
明らかに売上の数字がおかしい場合も、税務調査の対象になりやすいでしょう。売上の金額に関しては、取引先の「支払調書」と照らし合わせれば、数字が正しいかはすぐに分かります。支払調書とは、個人事業主の取引先が、一年間の取引額合計を税務署に申請するものです。売上を少なく申告したとしても、税務署はすぐに分かります。
⑤不審な経費計上が目立つ
経費計上があまりにも多かったり、高額な経費が多い場合は、課税所得を必要以上に少なく申告している可能性があるため、税務調査の対象になります。そもそも所得税は、売上から控除や経費などを差し引いて算出した「課税所得」に、所得税率をかけて計算します。つまり、経費が多いほど課税所得は減り、納めるべき所得税も少なくなるのです。正しい金額よりも所得税を少なくするために、無理に経費を計上している可能性がある場合は、税務調査の対象になります。
⑥医療控除が大きいのに売上が高額
医療控除が大きいのに高額な売上がある場合も税務調査の対象になります。医療控除が大きい場合は、事業者がケガや病気をしているということです。つまり事業ができない状態である可能性が高いのにも関わらず、売上が高額な場合、何らかの虚偽申告が疑われます。医療控除を本当の数字よりも増やし、課税所得額を減らしてる可能性があるのです。もちろん病院内で仕事をしていたり、通院しながらなんとか仕事をしている可能性もあるので、100%虚偽であるとは限りません。しかし、虚偽の申告である可能性も考えられるため、税務調査を実施する場合があります。
⑦海外投資に関する売上が大きい
海外投資を行っている場合は申告漏れが発生しやすいため、税務調査の対象になりやすくなっています。国税庁の『令和3事務年度 所得税及び消費税調査等の状況』においても、海外資産を保有していたり海外投資を行っている個人に大して積極的に調査を行っていると明記されています。また、1件あたりの申告漏れ所得金額は3,690 万円、追徴課税額は1,119 万円でどちらも過去最高となっているようです。調査した約2万4千件のうち約2万1件で申告漏れがあったことから、今後も海外投資を行っている個人事業主に対する税務調査は増加する可能性があります。
また法人に関しても、海外取引が多い場合は、本来であれば課税対象にも関わらず、免税事業として申告しているケースがあるため、税務調査の対象になりやすいとされています。
⑧シェアリングエコノミー関連の売上がある
シェアリングエコノミーとは、一般消費者がスキルや場所などを提供するスタイルの業務携帯です。代表例としては、フードデリバリーの請負や民泊などがあげられます。こうしたシェアリングエコノミーは近年売上を伸ばしている業態であり、急激な売上の増加に伴う申告漏れも発生しやすいために、税務調査の対象になりやすいとされています。
個人事業主ができる5つの税務調査対策
個人事業主が税務調査に入られる場合は、さまざまな対策をしておく必要があります。特に経費関連の書類をまとめておいたり、自分で対応しきれない部分を税理士にお願いしたりといった対策は有効です。以下では、個人事業主ができる5つの税務調査対策を詳しく解説します。
①領収書やレシートを整理しておく
税務調査では、経費を正しく計上しているかも大切なチェックポイントになります。領収書やレシートは年月ごとに分けて保管し、見返しやすい状態にしておきましょう。なお、領収書やレシートは以下の期間まで保管しておく必要があります。
- 白色確定申告:原則5年
- 青色確定申告:原則7年
ただし、青色確定申告でも申告の前々年の所得が300万円以下であれば、保存期間は5年となります。また、白色確定申告でも帳簿は7年保管する必要があるので、基本的には7年間保管しておくのが安全でしょう。
②税理士に相談しておく
税務調査における対応は、専門家でないと難しい場面もあります。税務調査を行うと電話があったら、税理士に相談するのも選択肢のひとつです。どのように準備すべきか、これまでの申告で指摘されそうな部分はないかなど、対応方法について詳しく説明してもらえます。税務調査に立ち会ってもらえると、適切な対応ができるでしょう。
③とにかく誠実に対応する
税務調査においてやってはいけないのが「虚偽」や「回答拒否」です。どれだけごまかしたとしても、税務署はさまざまな情報をもとにあなたの事業状況を把握しようとします。前述したように取引先のデータなども隅々まで調べたうえで税務調査を行っているので、抵抗しても印象が悪くなるだけです。とにかく真摯に対応して、申告に問題があればすぐに修正し、追徴課税を支払いましょう。
④必要書類はすべて提出できるよう準備する
税務調査では、過去の確定申告書や領収書などさまざまな書類が必要になります。必要書類はすべて提出できるように、準備を進めておきましょう。具体的には、以下のような書類が必要になります。
- 確定申告書
- 請求書
- 納品書
- 領収書やレシート
- 帳簿
- 契約書
上記のほかにも、事業に関わる書類はひととおり揃えておきましょう。
⑤必要な書類はコピーしておく
税務調査の状況によっては、書類を回収されてしまうケースもあります。必要な書類は回収されても問題ないように、あらかじめコピーをとっておきましょう。スキャナーがない方でも、タブレットのスキャンアプリでPDF化したり、コンビニでコピーをとる方法もあります。
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税務調査の具体的な流れ
税務調査に入られる場合は、まず税務署から連絡があります。税務署の指示に従って必要書類を準備し、調査をしてもらったあと、1ヶ月程度で調査結果が出るのが一般的な流れです。税務調査の流れをまとめると以下のようになります。
- 税務署から連絡(電話、郵送)
- 必要書類を準備
- 税務調査実施(1〜2日程度)
- 調査結果の通知(調査から1ヶ月程度)
税務調査といっても、急に自宅に押しかけてくる訳ではありません。事前に連絡があり、書類を準備する時間もありますので、慌てずに対応しましょう。
もし調査結果に異議があれば「更正の請求」を行えます。更正の請求とは、調査のやり直しを求めるものです。経費関連や申告内容に関して、どうしても納得できない部分があれば更正の請求をしてください。
まとめ
税務調査は、個人事業主であれば誰でも入る可能性があります。もし税務調査をすると連絡があったら、早急に必要書類を準備したうえで、誠実に対応しましょう。特に問題がなければ、ペナルティを課されることもなく終了します。
万が一、申告漏れがあった場合はすぐに修正をして、追徴課税を支払いましょう。ただし、調査結果に納得がいかないのであれば、更正の請求をしてください。自分で不服申し立てをするのが難しければ、税理士に対応してもらうなどして、しっかりと再調査してもらいましょう。
- 税務調査とは所得の申告漏れや脱税がないかを調べるものだよ!
- 個人事業主の2%ほどは調査されるので、書類の管理は徹底しておこう。
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