昨今、税負担の少ないシンガポールへの移住や移転を検討する人が増えています。所得税・法人税ともに日本より安く、相続税がない点などが支持されているようです。
本記事では、シンガポールの税金事情を詳しく解説します。個人事業主・法人経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
※本記事の内容は、2024年12月時点での情報です。シンガポールの税制は毎年変化しており、過去・未来の賦課年度は税率や控除制度等が異なる場合が多くありますので、ご注意ください。
- シンガポールは、治安がよく教育水準が高いから、移住を考えている人が多いみたい!
- 法人税・所得税の税率が低いほか、免税・優遇措置が多いのも特徴だよ
- ただし、居住者(居住法人)かどうかで税負担が大きく変わるから注意しよう!
目次
シンガポールの基礎情報
シンガポール共和国は、マレーシアの南に位置する独立国家です。本島であるシンガポール島と、サザンアイランズと呼ばれる約50の島々で形成されています。面積は約720万平方キロメートルで、東京23区より少し大きい程度の、小さな都市国家です。
人口の3/4を中華系が占めており、その他をマレー系・アジア系・ヨーロッパ系・インド系などが占めています。多民族国家であるため、多様な言語・文化的背景・宗教観を持つ人々が共存しているのが特徴です。
インフラが整っており、教育水準が高く、治安も比較的良いため、アジアのなかでも住みやすいとされる国のひとつです。日本食材の調達もしやすく、日本語対応の施設もあるため、日本からの移住も少なくありません。
シンガポールの税金事情
シンガポールは、税制優遇制度が多く、個人所得税率も世界的に低いなど、税負担が少ない国として知られています。
主な税金の種類
シンガポールには、以下のような税金があります。
シンガポールの主な税金(日本との比較)
シンガポール | 日本 | |
法人税 | 17% | 15〜23.2% |
個人所得税 | 0〜24% | 5〜45% |
財・サービス税*1 | 9% | 8〜10% |
印紙税*2 | 0〜65% | 200円〜 |
不動産税*3 | 0〜20% | 3〜4% |
源泉税 | 10〜22% | 原則10.21% |
*1:財・サービス税は日本の消費税に相当するため、日本側の税率には消費税率を記載しています。
*2:印紙税は文書の内容によって税率・税額が異なります。詳しくは後述します。
*3:シンガポールの不動産税は、居住者所有かどうかで異なります。また、日本側には不動産取得税を記載しています。詳しくは後述します。
表を見ると、特に所得税や法人税が日本よりも安いことが分かるでしょう。ほかの税金も、優遇措置によって日本より安く済むケースがあります。
税金が安い理由
シンガポールの税金が安い理由として、以下のものがあげられます。
- 富裕層・法人誘致による税収改善計画
- 控除制度が手厚い
- 非居住者は税率が低い
- 住民税や相続税などがない
- 物価が高い
「税負担がないならシンガポールへ行こう!」と考える人も多くいます。しかし、税金が安い理由を知ると、シンガポール移住にはメリットだけではないと分かるでしょう。
それでは、シンガポールの税金が安い理由を4つのポイントで解説します。
恒常的な財政赤字
そもそも「シンガポールは税金が安くても財政黒字」ということはありません。これだけ税負担が少ないので、歳入もそのぶん少なく、恒常的な財政赤字となっています。
財政赤字を改善するため、2022年以降は歳入を増やそうと、印紙税・たばこ税・GST(日本の消費税に相当)などが増税となっています。
2024年からは財政黒字になることが見込まれているものの、今後も増税される可能性は十分あるでしょう。移住・移転を検討している方は、今後の経済政策に十分注意してください。
参考:J-STAGE『2023年のシンガポール 着実に進行する「第4世代」政権への継承準備』
富裕層・法人誘致による税収改善計画
シンガポールでは、各種優遇制度を設けて富裕層・法人の移住・移転を促進し、トータルの歳入を増やそうという狙いがあると考えられます。実際、国内外問わずシンガポールへの移住・移転を計画しているケースは少なくありません。
国外富裕層・法人向けの施策が功を奏し、2024年は7年ぶりの財政黒字を見込めるほどの歳入となりました。
参考:NNA ASIS『財政収支が7年ぶり黒字へ』
控除制度が手厚い
シンガポールの主な税金(日本との比較)の表を見ると、日本と同等の税率となっている税金も多いと感じたかもしれません。しかし、シンガポールは控除・優遇制度が充実しています。
- 勤労所得控除(個人所得税)
- 183日ルール(個人所得税)
- 配偶者控除(個人所得税)
- Pioneer Certificate Incentive(法人税)
- Development & Expansion Incentive(法人税)
- エンタープライズ・イノベーション・スキーム(法人税)
- キャピタルゲイン非課税
各税金においてさまざまな控除や軽減税率が適用されるため、実際の納税額は安く済むのです。
非居住者は税率が低い
非居住者は税金が安くなる、通称「183日ルール」があります。年183日以内しか滞在していない、国外企業や居住者から給与が支払われているなど、条件を満たせば免税になる制度です。
出張や短期滞在で訪れる人にとっては、特に税負担が少ない国といえるでしょう。
住民税や相続税などがない
シンガポールには、日本の住民税や相続税・贈与税に相当する税金がありません。以前は遺産税がありましたが、2008年2月15日に廃止されています。
日本では、住民税10%+4,000円、相続税は最高55%課税されます。消費税や所得税といった各種税金とあわせると、かなりの税負担になるでしょう。
物価が高い
税金が安い代わりに、物価が高いという側面もあります。インフレに加え、円安・シンガポールドル高が進んでいるのも一因です。
- ビッグマック(マクドナルド)
- 日本:約480円
- シンガポール:約750円
- スターバックスラテ トール(スターバックス)
- 日本:約495円
- シンガポール:約830円
- コーラ(コカ・コーラ)
- 日本:約220円
- シンガポール:約350円
※価格は参考価格です。購入店舗や為替レート等により変動します。
シンガポールはインフレ率(CPI)が2022年に6.1%、2023年4.8%となっており、アメリカを凌ぐ勢いで物価高が進んでいます。そのため、税負担は少ないものの、支出が多く結果的に日本と生活水準がさほど変わらない、といったケースも考えられるでしょう。
2025年導入「グローバルミニマム課税」
国外移住による課税回避を防ぐため、2025年から「グローバルミニマム課税(Global Anti-Base Erosion、以下:GAE)」がスタートします。主に法人の拠点をシンガポールに移転しようと考えている場合に影響がある制度です。
一定以上の収入がある法人に対して、全所得の法人税率が15%となるように、追加で課税する制度です。シンガポールの各種優遇制度を使って15%未満の法人税率となった場合でも、日本には15%相当となるよう追加で納税する必要があります。
GAEのスタートによって、今後はいままでのような納税回避策は有効でなくなる可能性があるでしょう。
参考:国税庁『グローバル・ミニマム課税への対応に関する改正のあらまし』
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シンガポールの個人所得税(Personal Income Tax)
シンガポールの個人所得税は、国内源泉所得にのみ課税されます。例えば、日本国内で生じた所得については非課税です。また、非居住者の場合は免税となるケースがあります。
- 外国籍で滞在60日以下の個人
- 183日ルール適用者
- 滞在日数:年間183日以内
- 報酬がシンガポール居住者、または居住者の代理者から支払われていない
- 報酬がシンガポール国内に保有する恒久的施設に負担されていない
それでは、シンガポールの個人所得税について、税率や控除制度などを見ていきましょう。
税率
シンガポールの個人所得税は、日本と同様に、所得額に応じて税負担が変動する「累進課税制度」を導入しています。個人所得税率は、以下のとおりです。
所得額 | 累進課税 |
初めの 20,000 Sドル | 0% |
20,001~ 30,000 Sドル | 2.0% |
30,001~40,000 Sドル | 3.5% |
40,001~80,000 Sドル | 7.0% |
80,001~120,000 Sドル | 11.5% |
120,001~160,000 Sドル | 15% |
160,001~200,000 Sドル | 18% |
200,001~240,000 Sドル | 19% |
240,001~280,000 Sドル | 19.5% |
280,001~320,000 Sドル | 20% |
320,001~500,000 Sドル | 22% |
500,001~1,000,000 Sドル | 23% |
1,000,001 Sドル~ | 24% |
※Sドル:シンガポールドル
※上記は2024賦課年度以降の税率です。
引用:日本貿易振興機構『シンガポールにおける個人所得税の申告について』
なお、182日ルール適用者の給与所得については、一律15%、もしくは居住者の税率で計算した金額のうち大きいほうが納税額となります。
税務申告
シンガポールには源泉徴収制度がありません。そのため、自分自身で確定申告をして、送付されてきた賦課通知の内容に従い、納税をします。
申告方法は電子と紙がありますが、原則電子申告となっています。電子申告は、内国歳入庁(Inland Revenue Authority of Singapore、以下:IRAS)のサイトから行います。紙の場合は、IRASに申告書の作成を依頼してください。
なお、給与所得の場合は、以下2パターンの申告となります。
- 所得証明書(FORM IR8A)を従業員に配布、従業員は証明書をもとに各自で確定申告
- 雇用主が各従業員の所得をIRASサイトにて直接報告
申告期限は、毎年4月18日、紙申告の場合は4月15日となっています。
税制優遇・控除制度
シンガポールの個人所得税の税制優遇・控除制度には、以下のものがあります。
- 勤労所得控除
- 配偶者控除
- 子ども扶養控除
- 両親扶養控除
- 生命保険料控除
- NORスキーム
それでは、各制度について解説します。
勤労所得控除
勤労所得がある居住者が受けられる所得控除です。
- 55歳未満:1,000Sドル
- 55〜60歳未満:6,000Sドル
- 60歳以上:8,000Sドル
なお、障がい者の場合は控除額が増額となります。
配偶者控除
2,000Sドルの所得控除が受けられる制度です。配偶者の年間所得が4,000Sドル以下の場合に利用できます。
子ども扶養控除
16歳以下の子ども、またはフルタイム学生がいる場合で、年間所得4,000Sドル以下の場合に利用できる控除です。4,000Sドルの所得控除が受けられます。
生命保険料控除
生命保険控除は、以下の条件をすべて満たす場合に利用できます。
- 従業員負担のCPF掛金(CPF:シンガポール年金制度)が5,000Sドル未満
- 従業員や本人、または配偶者のための生命保険についてその保険料を支払っている
- 保険料支払いをしている生命保険会社がシンガポールに事務所、または支店を持っている
対象者は、以下のうち低い金額を所得控除にできます。
- 5,000Sドル – 従業員掛金額
- 保険補助額 × 7%と、実際に支払われた年間保険料額のいずれか低いほう
両親扶養控除
55歳以上の年収4,000Sドル以下の両親と同居している場合に、9,000Sドルの控除を受けられる制度です。非同居の場合でも、5,500Sドルの控除を受けられます(金額は親1人あたり)。
両親に月額2,000Sドル以上の補助(扶養)をしていることが条件となっています。
NORスキーム
NOR(Not Ordinary resident)スキームは、いわゆる駐在員向けの優遇制度です。
- 最初に認定を受ける直前3年間、シンガポールの税務上の居住者でない
- シンガポール国籍、永住権を保有していない
- 所得16万Sドル以上
- ビジネス目的でシンガポールに年間90日以上滞在する
条件を満たし認定を受けると、勤務日数による所得の配分計算が可能となります。また、シンガポール国外の年金制度における会社負担分も免税となるお得な制度です。
ただし、課税所得が全給与所得の10%以下だった場合、10%が所得税額となります。
シンガポールの法人税(Income Tax)
シンガポールの法人税は、現地法人や支店に対して課税されます。賦課年度は、会計年度が終了する年の翌年の西暦となるため、注意が必要です。
- 2022年3月31日に会計年度が終了:2023賦課年度(YA2023)
- 2024年12月31日に会計年度が終了:2025賦課年度(YA2025)
それでは、シンガポールの法人税率、控除制度などを見ていきましょう。
税率
シンガポールの法人税は17%です。
税率は年々下がってきていて、2001賦課年度の25.5%から、24.5%、22%、20%、18%と段階的に引き下げられてきました。17%になったのは、2010賦課年度からです。
税務申告
税務申告として、IRASへ確定申告書を提出します。申告書は企業規模によって異なるため注意しましょう。
- 通常:Form C(監査済財務諸表、税額計算書、その他根拠資料を添付)
- 年間売上500万Sドル以下など条件を満たす中小企業:Form C-S
- 売上高20万Sドル以下の小規模企業:Form C-S Lite
申告は、全会社に電子申告を義務化しています。法人税申告の期限は、翌年11月です。
見込申告
確定申告とは別で「見込申告」も必要です。各事業年度終了から3か月以内に、見込所得額を申告しましょう。なお、年間売上高500万Sドル未満で、課税所得がない場合は申告不要です。
税制優遇・控除制度
シンガポールの法人税の税制優遇・控除制度には、以下のものがあります。
- 優遇措置
- エンタープライズ・イノベーション・スキーム
- 二国間租税条約
- グローバル・トレーダー・プログラム
- パイオニア・インセンティブ
- 開発・拡張インセンティブ
- 認定ファイナンス&トレジャリーセンターに対する税制優遇制度
- 軽減税率制度
- 部分的免除制度
- 新スタートアップ税額免除制度
なお、海外本社が管理するシンガポール支店は「非居住法人」という扱いになり、居住法人向け制度は利用できませんので、ご注意ください。
エンタープライズ・イノベーション・スキーム
エンタープライズ・イノベーション・スキーム(Enterprise Innovation Scheme、EIS)は、研究開発や技術革新などを促進するための制度です。以下5カテゴリーの適格活動について、税負担の軽減制度を設けています。
- 研究開発
- 知的財産登録
- 知的財産権の取得・ライセンシング
- 研修
- 特定パートナー機関と共同実施される適格イノベーションプロジェクト(
上記カテゴリーの活動については、以下の所得控除・減価償却費拡張、もしくは現金支給オプションを選択できます。
- 所得控除・減価償却
- 賦課年度あたり40万Sドル(カテゴリー5は5万Sドル)が支出上限
- 所得控除・減価償却費における控除率が最大400%にアップ
- 基礎控除・償却に上乗せで利用
- 現金支給オプション
- 適格活動の支出合計のうち20%の換金率で現金を支給(上限10万Sドル)
参考:日本貿易振興機構『シンガポールにおける企業技術革新スキーム(Enterprise Innovation Scheme)の概要』
二国間租税条約
租税条約を結ぶ93か国・地域からのロイヤルティーや利子にかかる源泉税について、軽減税率や免税などがあります。利用できるのは、税制上居住者とされるシンガポール法人です。
グローバル・トレーダー・プログラム
シンガポールをオフショア貿易の拠点とする国際貿易関連の法人が申請でき、認定を受けると5%もしくは10%の軽減税率が適用される制度です。
- 石油製品
- 石油化学製品
- 農産物
- 金属
- 電子部品
- 建築資材
- 消費財
- 適格デリバティブ など
オフショア貿易とは、シンガポールなら、貨物はシンガポールを経由せず、書類や決済のみをシンガポールで行う貿易取引のことです。本制度の適用期間は2026年12月31日まで延長となっています。
パイオニア・インセンティブ
パイオニア・インセンティブ(Pioneer Certificate Incentive)は、法人税が免税となる認定制度です。シンガポールの経済発展計画に適合する、特定製品やサービスに関わる企業が対象となっています。
明確な認定基準はなく、政府の裁量によって認定されるかが決まります。主に、内容や投資規模、技術レベルなどが審査対象となっているようです。適用期間は2028年12月31日まで延長となりました。
開発・拡張インセンティブ
開発・拡張インセンティブ(Development & Expansion Incentive)は、適格活動に対して5%または10%の軽減税率が適用となる制度です。過去にパイオニア・ステータス認定を受けていた企業や、認定されなかった企業が対象です。
認定を受けるためには、規定プロジェクトの実施、もしくは国内事業の拡張や増強が必要となります。主な審査基準は、事業支出総額、技術レベル、事業内容、固定資産投資額などです。適用期間は、2028年12月31日までとなっています。
認定ファイナンス&トレジャリーセンターに対する税制優遇制度
適格所得増分に対して軽減税率が適用され、さらに特定の銀行借入の利息や、非居住グループ法人からの預入利息の源泉税が免除となります。対象となるのは、シンガポールに拠点を持ち、域内関連会社の財務・資金調達サービスを提供する会社です。
適用期間は2026年12月31日までとなっています。
部分的免除制度
法人課税所得のうち、初めの20万Sドルに対して適用される免税制度。初めの1万Sドルの75%、次の19万Sドルの50%が免税となる。
新スタートアップ税額免除制度
新スタートアップ税額免除制度(Tax Exemption Scheme for New Start-UpCompanies)は、設立から3年までの企業が利用できる免税制度です。課税所得のうち、初めの10万Sドルの75%、次の10万Sドルの50%が免税となります。なお、株主数など一定の条件を満たすスタートアップのみ対象です。
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シンガポールの印紙税(Stamp Duty)
印紙税とは、不動産売買や株式の担保設定など、一部の文書にかかる税金です。税率が決まっている場合と、固定額を納める場合があります。
- 不動産関係
- 売却者印紙税
- 購入者印紙税
- 加算印紙税
- 住宅ローン印紙税
- 不動産賃貸印紙税
- 株式投資関係
- 株式取得印紙税
- 株式担保ローン関係
それでは、各印紙税の税率・額を見ていきましょう
不動産関係
不動産では、売却・購入や住宅ローンなどに関する文書について、それぞれ以下の印紙税が課税されます。
売却者印紙税
住宅・土地の売却者にかかる税金です。
■住宅用不動産
保有期間 | 税率(住宅用) | 税率(事業用) |
1年以内 | 12% | 15% |
1〜2年以内 | 8% | 10% |
2〜3年以内 | 4% | 5% |
3年超 | 非課税 | 非課税 |
購入者印紙税
不動産の購入者に対してかかる税金です。
購入価額 | 税率(住居用) | 税率(住居用以外) |
初めの18万Sドル | 1% | 1% |
次の18万Sドル | 2% | 2% |
次の64万ドル | 3% | 3% |
残りの金額 | 4% | 3% |
加算印紙税
住宅用不動産取得者に対して、従来の購入者印紙税に加算するかたちでかかる税金です。
購入者 | 税率 |
シンガポール国民 | 1戸目:非課税2戸目:20%3戸以上:30% |
永住権者 | 1戸目:5%2戸目以上:30% |
外国人 | 60% |
個人以外の事業体など | 65% |
住宅ローン印紙税
不動産を担保としたローンの文書にかかる税金です。上限500Sドルとして、0.2〜0.4%が課税されます。
不動産賃貸印紙税
賃貸契約をする際にかかる印紙税です。賃料総額、もしくは平均年間賃料(Average annual rent、以下:AAR)をもとに算出します。
AAR | 税率 |
〜1,000Sドル | 非課税 |
1,001Sドル(リース期間4年以下) | 賃料総額×0.4% |
1,001Sドル(リース期間4年超) | AAR×4×0.4% |
株式投資関係
株式投資に関する文書では、以下2つの印紙税がかかります。
株式取得印紙税
株式取得印紙税は、購入価額もしくは株式価格のうち、金額が高いほうに対して、0.2%の印紙税がかかります。
株式担保ローン印紙税
株式を担保とするローンの文書について、500Sドルを上限として、0.2〜0.4%の印紙税がかかります。
シンガポールの不動産税(Propert Tax)
不動産取得税は、年間評価額に応じて適用されます。
- 土地:土地評価額の5%
- 建物(一部除く)は年間賃料相当の10%
税率は以下のとおりです。
税率 | |
居住者自身が居住 | 0〜32% |
居住者自身は非居住 | 12〜36% |
まとめ
シンガポールは税率が低く、優遇措置・免税制度も豊富な国です。治安がよく教育水準も高いので、生活水準を維持しつつ税負担を軽減したい人にはぴったりの移住先のひとつでしょう。
一方で、昨今は増税となっている税金も多くあります。財政改善のため、今後も増税や、優遇措置・免税制度の改正があるかもしれません。
移住を検討している方は、今後の政治動向をしっかりと注視していきましょう。
- シンガポールは、治安がよく教育水準が高いから、移住を考えている人が多いみたい!
- 法人税・所得税の税率が低いほか、免税・優遇措置が多いのも特徴だよ
- ただし、居住者(居住法人)かどうかで税負担が大きく変わるから注意しよう!
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