個人事業主の売上が100万円だった場合の税金はいくら?税金の種類や計算方法を解説

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個人事業主の売上が100万円だった場合、税金はどれくらい納税する必要があるのでしょうか。納税すべき税金の種類や計算方法を確認して、事前に詳細の確認がおすすめです。

本記事では、個人事業主の売上が100万円のときの税金の納税額の目安と、税金の種類や計算方法について解説します。

やっぷん
  • 個人事業主で売り上げが100万円の場合、平均納税額は約8000円だよ!
  • 納税額は自分で計算して事前に見積もりを立てることもできるよ。
  • 納税額自体がそこまで多くはないとはいえ、使える節税方法はあるから、確認して、使えるものはどんどん使って手取りを多くしよう!

個人事業主が納めるべき税金の種類とは

個人事業主が収めるべき税金には、いくつかの種類があります。まずは個人事業主の事業に関係する税金の種類について解説します。

①所得税

所得税とは、1年間の所得に対してかけられる税金です。国に収める国税に分離され、確定申告で計算・納税します。先にも紹介した通り、所得税は所得が増えるほど税率が高くなる「累進課税」の制度を採用しています。税率は5〜45%となり、売上100万円の個人事業主は5%の税率で計算します。

②住民税

住民税とは、「道府県民税」と「市町村民税」の2つを合わせた税金です。東京都に限って、「都民税」と「特別区民税」と呼びます。その年の1月1日の時点で住民票のある区市町村に対して収める地方税に分類されます。前年の所得によって納税額が決められ、毎年詳細の金額が通知された上で納税をします。

③消費税

消費税は、商品の購入時やサービスの利用時に発生する税金です。国税と地方税の2種類があり、市町村に収める消費税は地方消費税と呼びます。消費税は商品やサービスを利用する消費者が支払いますが、納税は受け取った事業者が行う必要があります。個人事業主の場合、年間の売上が1,000万円以上だと「課税事業者」となり、消費税の納税義務が発生します。

年間売上が1,000万円以下であれば、消費税を収める必要がない「免税業者」になります。

④個人事業税

個人事業税とは、特定の事業で生計を立てている個人事業主に課せられる税金です。地方税法などで定められた70種類の業種に該当する場合、個人事業税の納税が必要です。

対象となる業種は「第1種事業」「第2種事業」「第3種事業」に分類され、それぞれ税率が3〜5%となっています。東京都主税局のホームページなどで、個人事業税の納税対象となる業種を確認できます。

税金対策アイキャッチ

個人が納めるべき税金の計算方法について

先ほど紹介した4つの税金について、計算方法をそれぞれ詳しく説明します。

所得税の計算方法について

所得税は、年間の所得を確認して、そこから経費や各種控除を差し引いた「課税所得額」を明確にした上で計算します。具体的な計算式は以下のとおりです。

所得税の計算方法

「年間所得 ー 経費 ー 控除額」

経費は事業に関係する出費のみを算出し、プライベートで使ったものは計上しません。控除には複数の種類があり、基礎控除、青色申告特別控除、医療費控除、社会保険料控除などがあります。計上できる控除はすべて確認し、所得税を節税できるように備えましょう。

住民税の計算方法について

住民税は自治体が計算した上で通知してくれるため、自分で計算して納税する必要はありませんので、ここで簡単に説明します。

住民税は、所得に対して課税する「所得割」と、所得に関わらず課税される「均等割」の2種類があります。所得割は一律10%となり、道府県民税4%と市町村民税6%を合わせた税率で計算されます。住民税の計算式は、単純に「課税所得 ÷ 10」となります。均等割は、自治体によって金額が異なります。

消費税の計算方法について

消費税の計算方法は、標準税率と軽減税率の2種類で計算します。具体的には、以下の表の通りです。

標準税率10%
(消費税率:7.8%
地方消費税率:2.2%)
軽減税率8%
(消費税率:6.24%
地方消費税率:1.76%)

これらの数値を使用して、「一般課税」もしくは「簡易課税制度」による計算方法で算出します。

一般課税課税期間中の課税売上げに係る消費税額 - 課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額
簡易課税課税期間中の課税売上げに係る消費税額 - (課税期間中の課税売上げに係る
消費税額 × みなし仕入率(事業区分によって40〜90%が適用される)

上記のような計算方法となっています。

個人事業税の計算方法について

個人事業税は、収入から経費と「事業主控除(年290万円)」を差し引いた金額を、「課税標準」として計算の基準とします。具体的な計算式は以下の通りです。

個人事業税の計算方法

課税標準(収入 - 経費 - 事業主控除)× 税率

税率は区分ごとに、3〜5%で計算します。

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個人事業主の売上が100万円のときの税金はいくら?

個人事業主の年間の売上が100万円だと判明している場合、事前に収める税金を計算可能です。以下では、個人事業主の売上が100万円の場合における、税金の納税額について解説します。

100万円以下の平均税額は約8,000円

「平成30年分申告所得税標本調査結果」を参考にすると、個人事業主の売上が100万円の場合、平均納税額は約8,000円です。

仮に基礎控除のみで計算した場合、「100万 ー 48万(基礎控除) = 52万円」となります。よって計算式は「52万円 × 5% = 2万6千円」となり、こちらの金額が納めるべき所得税として把握できます。計算した結果は目安に過ぎませんが、1つの参考として納税に備えられます。

個人事業主は稼ぐほど税金の負担も大きくなる

基本的に個人事業主は稼ぐ金額が増えると、税金の負担も大きくなります。例えば所得税は累進課税となっているため、所得金額が増えるほど税率が高くなる仕組みになっています。

よって個人事業主としての仕事が上手くいっているときほど、納税に備えて貯金などをしておく必要があるでしょう。収入が増えたからと散財せずに、税金に備えて事前に納税分を確保することがポイントです。

売上・収入・所得の違いについて

個人事業主として税金を計算する際には、「売上」「収入」「所得」といった言葉の違いを、正確に把握しておくのが重要です。以下では、3つそれぞれの意味について解説します。

個人事業主における売上とは

個人事業主にとっての「売上」とは、事業で受け取った報酬のことを指します。事前に契約で取り決めた金額を、実際に確保できた場合に「売上」として計上できます。

個人事業主における収入とは

収入における定義はいくつかありますが、個人事業主においては「1年間で得たお金の総額」のことを指すケースが多いです。そのほか、労働の対価として特定の期間に得た金額を意味することもあります。

個人事業主における所得とは

所得とは、「事業の収入から必要経費などを差し引いて残った金額」のことを意味します。個人事業主は仕事をするにあたって、さまざまな経費がかかります。経費を差し引いた金額が、いわゆる手取りとなります。所得は「年間収入 ー 必要経費」で簡単に計算可能です。

個人事業主ができる節税方法とは

個人事業主が納税すべき税金の種類は多いため、節税することが重要です。以下では、個人事業主ができる主な節税方法を解説します。

経費を正確に計上する

経費を正確に計上することは、節税の基本対策です。節税に使える経費があるのに、計上することを忘れると、それだけ納税時に損をしてしまいます

経費は毎月きちんとまとめて、節税に活かせるように備えましょう。一方で、事業に関係のない支払いまで経費にすると、税務調査によって問題を指摘される可能性があるため、注意が必要です。

控除できる内容を確認しておく

社会保険料の支払いや生命保険の掛け金などは、控除として申請できます。控除に活用することで、課税所得を抑えられるため節税につながります

特に社会保険控除は、控除額が大きくなるケースが多いため、きちんと計上することが重要です。家族の分の社会保険も支払っている場合、その全額も社会保険料控除として計上可能です。

青色申告に切り替える

個人事業主として安定してきたら、青色申告に切り替えるのも節税の1つです。最高65万円が控除できる上、赤字を最長3年間繰り越すことも可能になります。青色申告をする場合、複式帳簿などによる記録を行う必要がありますが、専門のソフトを活用することでスムーズに対応可能です。

この機会に税金の計算方法を確認し、正確な金額を把握できるように備えましょう。「ペイッター」では、個人事業主に役立つお金の知識を多数発信しています。公式LINEからスムーズに情報を取得できるので、この機会にぜひLINEの友達登録をしてみてください。公式LINEから友達登録をどうぞ!

まとめ

個人事業主としての売上が100万円の場合、収める税金はそれほど多くありません。所得税の税率も最低ラインである5%になるため、負担はそれほど大きくならないでしょう。また、130万円以下であれば、社会保険などの扶養に入ることも可能です。配偶者がいる場合には、扶養に入って社会保険料を節約することも検討されます。

いずれにしても、個人事業主は所得に応じた納税が必要となります。

やっぷん
  • 個人事業主で売り上げが100万円の場合、平均納税額は約8000円だよ!
  • 納税額は自分で計算して事前に見積もりを立てることもできるよ。
  • 納税額自体がそこまで多くはないとはいえ、使える節税方法はあるから、確認して、使えるものはどんどん使って手取りを多くしようね!
監修者プロフィール

ペイトナー執行役員 邨山毅

立教大学経済学部卒。投資会社にて内部統制・米国新興事業の国内展開に従事。その後VOD運営会社にて経営戦略・機械学習・調達戦略領域の経験を経て、ペイトナー株式会社に入社。執行役員ファクタリング事業本部長として、ファイナンスサービスの運営及びフリーランスの与信構築全般を所掌している。

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