個人事業主として活動する際には、「開業届」の提出が必要になります。開業届の基本や提出方法を理解し、事前の準備がおすすめです。
本記事では個人事業主に必要な開業届の基本と、提出方法や注意点などを解説します。これから個人事業主として活動を始める人は、こちらで開業届の基本をチェックしてみてください。
- 個人事業主になる時は改行届を出す必要があるよ！
- 事業開始から1か月という期限に出せなくても大丈夫だけど、提出するメリットがあるよ！
- 提出する際にも注意点があって、特に失業保険が受けられるかわからなくなる点についてはしっかり確認しておこうね。
目次
個人事業主になる際には開業届を提出する
個人事業主になる際には、開業届を提出する必要があります。以下では、開業届の基本について解説します。
そもそも開業届とは
開業届とは、新たな事業を始めたことを税務署に報告するための書類です。開業届を提出することで、所得税を個人事業主として納税すると事前に告知できます。
開業届を受理した税務署は、その人が個人で事業をしている事実と、その事業内容を把握できます。税務署による特別な対応などはありませんが、開業届を提出したことで、個人事業主として働く下準備が整う形になります。
開業届の提出は必須？
個人事業主にとって、開業届の提出は必須になるのでしょうか。以下では、個人事業主における開業届の必要性を解説します。
開業届は個人事業を開始する際に提出が必要
開業届は個人事業を開始した際に、提出が必要な書類とされています。開業届を提出すると税務署で個人事業主として登録され、確定申告の時期に合わせて申告書類が郵送されます。
個人事業主だけでなく、フリーランスとして働いている人も、継続的な収入がある場合には開業届の提出が求められます。事前に開業届の記載項目を確認して、スムーズに提出できるように備えると良いでしょう。
開業届を出さなくても罰則はない
個人事業主になってから開業届を出さなくても、罰則などのリスクはありません。仮に開業届を出さないままでも、確定申告をきちんとして納税すれば、税務調査などが入るケースも少ないです。そのため個人事業主として仕事をしていながら、開業届を出さずにいる人もいます。
一方で、個人事業主として働く自覚を持つためにも、開業届を出すことは推奨されます。「開業届を提出する」という行為を通して、個人事業主になったタイミングを明確にすることで、経歴をアピールできるようにもなります。
開業届を出すタイミング
開業届を出すタイミングには、明確な時期が設定されています。以下では、開業届を出すタイミングについて解説します。
個人事業を始めてから1か月以内に提出する
開業届は、個人事業を始めてから1か月以内に提出する必要があります。実際に案件を請け負った日や、仕事の準備を終えて働ける体制が整った日などを、事業の開始日として設定することが考えられます。
実際には期日外に出しても問題ないため、1か月が過ぎてしまっても開業届は頃合いをみて提出すると良いでしょう。
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開業届を提出するメリットについて
開業届を出すことには、個人事業主にとって多くのメリットがあります。以下では、開業届を出す具体的なメリットを解説します。
1.青色申告が可能になる
開業届を出すと、確定申告の際に青色申告が可能になります。青色申告特別控除によって、最大65万円の控除が受けられたり、赤字を最大3年間繰越せたりと、個人事業主にとって多くのメリットがあります。特に青色申告特別控除によって節税につながる点は、開業届を出す理由になります。
2.屋号を使って銀行口座が開設できる
開業届の提出後は、屋号を使って銀行口座が開設できるため、プライベートと事業の支出を区分けしやすくなる点もメリットです。経費管理などがスムーズに行えるため、作業量の短縮やミスの削減などにつながり得ます。
そのほか、屋号の銀行口座を報酬の支払い先に指定することで、専業で事業を営んでいると取引先に伝えられるため、信頼を得やすくなるメリットもあります。
3.法人用のクレジットカードを作成できる
開業届を出すと、法人用のクレジットカードを作成できます。プライベートとの出費をより分けやすくなるため、開業届の提出と合わせて専用のクレジットカードを作るのもおすすめです。
ペイトナーでは、個人事業主向けのクレジットカードである「ペイトナーカード」を発行しています。Web上で手続きが完了し、必要書類も本人確認書類だけという簡易さが特徴です。年会費も無料となっているため、最初に作る事業用のクレジットカードとしておすすめです。
開業届を提出するデメリットとは
開業届を出すことには、メリットだけでなくデメリットもあります。以下では、開業届を出す場合に考えられるデメリットを解説します。
青色申告をする際に手間が増える
青色申告をする際に手間が増える点は、デメリットの1つに数えられます。先に解説したように複式帳簿による記帳が必要になるため、ある程度の専門知識が求められます。
複式帳簿に対応している専用の会計ソフトを使うなど、作業の効率化を図るのがポイントです。個人事業主になる際には、確定申告用のソフトを導入することも含めて、準備を進めると良いでしょう。
配偶者の扶養から外れるケースが想定される
開業届を出した場合、配偶者の扶養から外れる可能性が懸念されます。扶養の適用範囲は、健康保険によって変わります。そのため開業届を出したことが理由となって、扶養から外れてしまうケースもあります。
配偶者の扶養から外れると、国民年金保険料・国民健康保険料といった社会保険料を自分で支払う必要があります。
開業届を提出する方法
開業届を提出する際には、事前に提出方法を確認しておくことも重要です。以下では、開業届の提出方法を解説します。
届出書（個人事業の開業・廃業等届出書）を提出する
個人事業主として開業する際には、「届出書（個人事業の開業・廃業等届出書）」を提出します。事業を開始してから1か月以内に、こちらの書類の提出が必要です。記入する内容は以下のようになります。
- 職業欄：何の事業をやっているのか記入
- 開業日：いつから事業を開始したのかを記入
また、事業が「法定業種」に含まれる場合には、個人事業税がかかるため、各都道府県のホームページなどで該当する業種名を確認して記載します。
開業届の提出時に必要な書類をそろえる
開業届の提出時には、下記のいずれかの書類が必要です。
- マイナンバーカード（またはその写し）
- 免許証などの本人確認書類 + マイナンバーカードの写しなど
- マイナンバーの記載がある住民票の写し
- 住民票記載事項証明書
なお、令和3年以降は押印が不要になったため、印鑑は持参しなくても問題ありません。
開業届は複数の提出方法がある
開業届は以下のように複数の提出方法があります。
- 税務署の窓口へ持参する
- 郵送する
- e-Taxからオンライン提出する
自由に提出方法を選べるため、やりやすい形式で提出をしましょう。いずれの方法でも提出する書類の種類や、基本的な流れに変わりはありません。一方で、郵送の際には控えを受け取るために、返信用封筒の同封が必要です。
開業届の提出における注意点とは
開業届を提出する際には、注意点もいくつかあります。個人事業主として開業する際の注意点および、開業届の提出に関する注意点も確認しておきましょう、
開業届の控えをもらっておく
開業届の提出時は、控えをもらうことを忘れないようにしましょう。控えは個人事業主とした開業した証明書になるため、保存・管理しておく必要があります。例えば銀行から融資を受ける際や、ローンを組むときなどに、税務署の押印がある開業届の控えが求められるケースがあります。
失業保険を受けられない可能性がある
開業届を出していると、失業保険を受けられない可能性があります。開業届は再就職と同様の扱いになるため、失業保険の対象にならない点に注意が必要です。一方で、2022年7月1日に「事業開始等による受給期間の特例」が新設されたため、休廃業時に要件を満たせれば、就職活動の際に基本手当を受給できます。
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まとめ
個人事業主にとって、開業届は事業を始めたことを証明する重要な書類です。通常は事業を始めてから1か月以内の提出が必要になるため、早めに準備をしておくと良いでしょう。開業届は出さなくても罰則などはありませんが、提出によって多くのメリットを得られます。
法人向けのクレジットカードを作りたい場合や、青色申告特別控除を活用したい場合には、開業届の提出を行いましょう。個人事業主向けのクレジットカードを作成する際には、簡単に発行ができる「ペイトナーカード」がおすすめです。
- 個人事業主になる時は改行届を出す必要があるよ！
- 事業開始から1か月という期限に出せなくても大丈夫だけど、提出するメリットがあるよ！
- 提出する際にも注意点があって、特に失業保険が受けられるかわからなくなる点についてはしっかり確認しておこうね。
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