個人事業主として活動する際には、「消費税の中間申告・中間納付」の知識も必要になります。消費税の中間申告・中間納付についての基本を把握し、納付に備えることも重要な作業の一環です。本記事では、消費税の中間申告・中間納付の基本と、計算方法や納税方法を解説します。個人事業主として活動する際には、事前に消費税の中間申告・中間納付についての理解を深めておきましょう。
- 個人事業主は、条件に当てはまった場合は、消費税の中間申告と中間納付をやらなきゃいけないよ！
- 前の年の消費税の納付額が48万円を超えたら、条件に当てはまって、何回かに分けて消費税を払う制度だよ！
- 分割で払うことで、個人事業主にもメリットがあるし、払い忘れるとペナルティもあるからしっかり納付するようにしようね！
目次
消費税の中間申告・中間納付とはどんな制度？
消費税の中間申告・中間納付とはどんな制度なのか、正確に把握できていない人も多いです。以下では、消費税の中間申告・中間納付の基本について解説します。
税金を複数回にわたって前払いする制度
消費税の中間申告・中間納付とは、税金を分割＆前払いする制度のことを指します。通常は1年に1回納付する消費税が、条件を満たすことで複数回にわたって納税する形に変わります。消費税の中間申告・中間納付はすべての人が対象になるわけではなく、特定の条件を満たした人のみが対応すべき制度です。
個人事業主として働いている際に、消費税の中間申告・中間納付の対象になった場合、複数回の支払い計画を立てる必要があります。
消費税の中間申告・中間納付の対象となる人
消費税の中間申告・中間納付は、以下の条件を満たした人が対象となります。以下では、制度の対象になる条件について解説します。
前年の消費税の納付額が48万円を超えた個人事業主
個人事業主の場合、前年の消費税の納付額が48万円を超えた場合に、消費税の中間申告・中間納付の対象となります。消費税の納付額が48万円以上だった人は、翌年の中間申告・中間納付に備える必要があります。通常、個人事業主の消費税の申告・納付期限は、毎年3月末です。しかし、消費税の中間申告・中間納付の対象となった場合、納付タイミングが変わるため注意が必要です。
消費税の中間申告・中間納付の目的とは？
そもそも、消費税の中間申告・中間納付とは、どのような目的で実施されているのでしょうか。以下では、消費税の中間申告・中間納付の目的について解説します。
消費税の納税にかかる負担軽減
消費税の納税にかかる負担軽減が、中間申告・中間納付を実施する目的の1つです。1度に納税する形だと、納税額が多い場合に対応しきれない可能性が懸念されます。特に、個人事業主は資金繰りが難しくなるケースも想定されるため、納税額が多いと想定される人は、事前に消費税の中間申告・中間納付の対象となります。分納によって1度の納税額が少なくなるため、経済的な負担が軽減されます。
確実な税収の確保のため
消費税の中間申告・中間納付によって、納税タイミングを複数回に分けることで、確実な税収の確保も目的としています。納税にかかる負担を分割し、納税できない事業者を減らすことも制度の役割です。事業の状況によって収入が増減しやすい個人事業主にとっても、納税のタイミングが複数回にわたる消費税の中間申告・中間納付は、メリットが多いでしょう。
消費税の中間申告の回数について
消費税の中間申告は、事前に回数が定められています。以下では、消費税の中間申告の回数について解説します。
前年の消費税の納税額によって回数は変わる
消費税の中間申告の回数は、前年の消費税の納税額によって変わります。48万円以下〜4,800万円超までの納税回数は、以下のようになります。
| 直前の課税期間の確定消費税額 | 48万円以下 | 48万円超から 400万円以下 | 400万円超から 4,800万円以下 | 4,800万円超 |
| 中間申告の回数 | 原則、中間申告不要 ただし、任意の中間申告制度あり | 年1回 | 年3回 | 年11回 |
| 中間申告提出・納付期限 | 各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2か月以内 | （以下の図で解説） | ||
| 1年の合計申告回数 | 確定申告1回 | 確定申告1回 中間申告1回 | 確定申告1回 中間申告3回 | 確定申告1回 中間申告11回 |
年11回の中間申告の申告・納付期限に関しては、以下の内容になります。
| 個人事業者 | 法人 |
| 1月から3月分 → 5月末日 | その課税期間開始後の1か月分 → その課税期間開始日から2か月を経過した日から2か月以内 |
| 4月から11月分 → 中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内 | 上記1か月分以後の10か月分 → 中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内 |
中間納付税額の目安
中間納付税額も、前年の消費税の納税額によって変わります。48万円以下〜4,800万円超でそれぞれ計算方法が異なり、以下の形で納付税額を求めます。
| 直前の課税期間の確定消費税額 | 48万円以下 | 48万円超から400万円以下 | 400万円超から4,800万円以下 | 4,800万円超 |
| 中間納付税額 | 原則、中間申告不要 ただし、任意の中間申告制度あり | 直前の課税期間の確定消費税額の6/12 | 直前の課税期間の確定消費税額の3/12 | 直前の課税期間の確定消費税額の1/12 |
「直前の課税期間の確定消費税額」とは、昨年度の納付額のことを指します。昨年に納付した税額を参考に、それぞれ「6/12」「3/12」「1/12」で計算します。
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消費税の中間納付額を計算する方法
消費税の中間納付額を計算する方法には、2つのパターンがあります。以下では、「予定申告方式」と「仮決算方式」の計算方法を解説します。
「予定申告方式」による計算方法
「予定申告方式」とは、前年の納付額を参考に、月割で計算する方法です。納税の回数に応じて、1回の納税額が変わる点が特徴です。予定申告方式であれば、自分で納税額を計算する必要はありません。送付されてくる納付書を確認することで、簡単に納税すべき金額が分かります。また、納付の事実が中間申告とみなされるため、申告の手間も省ける点がメリットです。
「仮決算方式」による計算方法
「仮決算方式」とは、中間納付ごとに決算処理をする計算方法です。確定申告と同じ形で、納付期限に合わせて複数回の納税額を算出した上で納税をします。仮決算を実施した上で、申告書を作成・提出する必要があるため、予定申告方式と比較して手間がかかります。
一方で、今期の数値をもとに納税ができるため、収入が大きく減少している場合などに、納付する税額を抑えられるメリットがあります。
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消費税の中間申告・中間納付における注意点
消費税の中間申告・中間納付を実施する際には、注意すべきポイントがあります。以下では、消費税の中間申告・中間納付における注意点を解説します。
中間納付に遅れると延滞税がかかる
中間納付の期限内に納税ができないと、遅れた分だけ延滞税がかかります。負担が重くなるため、納付のタイミングは正確に把握し、延滞税による損失を防ぐように意識する必要があります。万が一、期限が過ぎていることに気づいたら、速やかに納税を済ませましょう。納税するまで時間がかかると、それだけ延滞税による負担が大きくなります。
仮決算方式をする場合には「消費税及び地方諸費税の確定申告書」の提出を忘れない
仮決算方式をする場合、「消費税及び地方諸費税の確定申告書」の提出が必要です。この書類を提出しなかった場合、予定申告方式における基準で消費税額が決まってしまいます。今期の収入をもとに納税できる、仮決算方式のメリットを活用できなくなります。仮決算方式を予定しているのなら、消費税及び地方諸費税の確定申告書の準備は、早めに済ませておくと良いでしょう。
消費税の中間納付における納税方法
消費税の中間納付をする場合、複数の納税方法から自由に選択できます。以下では、消費税の中間納付に利用できる納税方法をいくつか紹介します。
金融機関や税務署の窓口での納付
消費税の中間納付は、金融機関や税務署の窓口で直接納付することが可能です。現金での納付になるため、事前に計算した金額を用意する必要があります。金融機関や税務署に行く予定がある場合には、中間納付も同時に行う方法も検討されます。
口座振替による納付
消費税の中間納付は、口座振替による振込納付も可能です。事前に口座を登録することで、納付の手間をなくせる点がメリットです。自動で引き落としされるため、納付忘れによる延滞税の発生を未然に防げます。
インターネットを通じた納付
e-Taxなど、インターネットを経由した方法でも納付できます。確定申告でe-Taxを利用している場合、その環境をそのまま消費税の中間納付にも応用可能です。e-Taxのほか、インターネットバンキングを使っての納付もできます。インターネットバンキングに対応している金融機関を使っている場合には、選択肢の1つになります。
クレジットカードによる納付
消費税の中間納付をする場合、クレジットカードによる納付もおすすめです。クレジットカードならいつでも納付が可能な上、後から分割やリボへの移行も可能です。納税の負担を軽減しやすいことから、個人事業主にとってメリットが大きいです。金融機関や税務署に行く暇がなく、ネットを利用した納付環境がない場合には、クレジットカードを使った納付を検討してみてください。
消費税の中間納付に備えて「ペイトナーカード」の申込がおすすめ！
消費税の中間納付を控えているのなら、「ペイトナーカード」の利用がおすすめです。
「ペイトナーカード」で税金の納付をまとめることも可能！
「ペイトナーカード」とは、手数料無料で簡単に発行できるクレジットカードです。Webからの簡単申し込みが可能で、最短4営業日でカードが手元に届きます。引き落としに使う口座振替用紙の提出は、カードの発行後でも間に合うため、すぐにクレジットカードを使いたいときに役立ちます。発行に必要な書類は、本人確認書類のみです。
決算書などは必要ないため、個人事業主として活動を始めたばかりの人でも、簡単に発行が可能です。分割払いやリボ払いにも対応しているため、中間納付の金額が負担となる場合でも安心です。
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まとめ
消費税の中間申告・中間納付について、詳しく知らない人は珍しくありません。特に個人事業主として仕事を始めたばかりの人は、突然複数回にわたって納付することになると、混乱して納付タイミングを間違えるなどのミスをしてしまうこともあるでしょう。この機会に消費税の中間申告・中間納付の基本を把握し、自分が対象となったときに、スムーズに対応できるように備えることがおすすめです。
- 個人事業主は、条件に当てはまった場合は、消費税の中間申告と中間納付をやらなきゃいけないよ！
- 前の年の消費税の納付額が48万円を超えたら、条件に当てはまって、何回かに分けて消費税を払う制度だよ！
- 分割で払うことで、個人事業主にもメリットがあるし、払い忘れるとペナルティもあるからしっかり納付するようにしようね！
消費税の中間申告・中間納付など、お金や税金に関する知識は、個人事業主の活動に大きな影響を与えます。「ペイッター」は公式LINEを通して、個人事業主に役立つお金の情報を提供しています。LINE登録をすることで、お金に関する情報を簡単に入手できるため、継続的なメリットにつながります。この機会に公式LINEを登録して、個人事業主として働く際に必要なお金の知識を学んでみてはいかがでしょうか。
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