工事代金の支払期日は建設業法で定められており、一定の下請契約では、支払いが遅れた期間について遅延利息を請求できます。
入金がないときは、契約書と請求書を確認し、連絡内容を記録したうえで、建設業法の支払期日、回収手続、相談先の順に確認しましょう。
支払期日前の請求書を現金化する方法も紹介しますが、すでに期日を過ぎた未払いの請求書には使えません。

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工事代金が支払われないときにまず確認すること
相手へ工事代金の支払いを求める前に、自分が送った書類や連絡に不備がないかを確かめます。
契約書や注文書で支払期日を確認する
契約書、注文書、注文請書を見て、支払期日、締め日、検収の条件を確認しましょう。
契約書を作っていない場合でも、見積書、請求書、メールやチャットのやり取り、工事写真などが契約内容を示す根拠になる場合があります。
請求書の金額や宛先に間違いがないか確認する
請求書の宛名、工事名、請求金額、振込先、支払期日を注文書や見積書と照らし合わせます。
締め日の認識違いや請求書の送付先違いにより、元請け側の経理処理が止まっていることもあります。
相手への連絡は日付と内容を記録に残す
電話をした日時、担当者名、相手の返答、支払予定日を記録し、メールやチャットでも確認内容を送ります。
後から内容証明郵便、支払督促、訴訟へ進む場合に、いつ何を請求し、相手がどう答えたかを示す資料になります。
売掛金回収の一般的な手順も確認したい人は、下記の記事も参考になります。
工事代金の支払期日は建設業法で決まっている
建設業法には、元請負人が注文者から支払いを受けた場合の期限と、特定建設業者に適用される期限があります。
元請けは注文者から入金を受けた日から1月以内に下請代金を支払う
建設業法第24条の3第1項では、元請負人が注文者から出来高払いや工事完成後の支払いを受けたとき、その支払いの対象となる工事を行った下請負人へ、受領日から1か月以内、かつ、できる限り短い期間内に下請代金を支払うよう定めています。
起算点は工事の完成日や請求書の発行日ではなく、元請負人が注文者から支払いを受けた日です。
元請けが注文者からまだ支払いを受けていない段階では、この1か月の期間は始まりません。
特定建設業者は引渡しの申出から50日以内に支払う
建設業法第24条の6第1項では、特定建設業者が注文者となる一定の下請契約について、原則として、下請負人が工事目的物の引渡しを申し出た日から50日以内に支払期日を定めるよう求めています。
この期限は、特定建設業者が発注者から工事代金を受け取っていない場合でも適用されます。
ただし、下請負人が特定建設業者である場合や、資本金4,000万円以上の法人である場合は、この特則の対象外です。
特定建設業者は、発注者から直接請け負った工事で一定額以上の下請契約を結ぶため、特定建設業の許可を受けた業者を指します。
1か月以内と50日以内の両方が適用される場合は、早い方の期日までに支払う必要があります。
建設工事の下請けには下請法ではなく建設業法が適用される
旧下請法は2026年1月から中小受託取引適正化法、通称「取適法」に改められました。
建設工事の再委託は取適法の対象外で、主に建設業法の規定に従います。
ただし、建設資材の製造、設計図面の作成、運送など、建設工事の再委託ではない取引は取適法の対象になる場合があります。
出典:公正取引委員会「2026年1月施行!下請法は取適法へ」
支払期日の違いは、次の2点で確認できます。
- 元請負人が注文者から支払いを受けた場合:受領日から1か月以内、かつ、できる限り短い期間内
- 特定建設業者が一定の下請負人へ発注した場合:引渡しの申出日から50日以内、かつ、できる限り短い期間内
支払いが遅れた分は年14.6%の遅延利息を請求できる
年14.6%の遅延利息は、すべての工事代金の未払いに適用されるわけではありません。
対象は特定建設業者が注文者になった下請契約
建設業法第24条の6の対象となる下請契約で、特定建設業者が定められた期日までに下請代金を支払わなかった場合に、建設業法上の遅延利息が発生します。
下請負人が特定建設業者または資本金4,000万円以上の法人である場合は対象外です。
対象外の契約では、契約書にある遅延損害金の定めや民法の法定利率によって扱いが変わるため、専門家に相談しましょう。
計算は引渡しの申出から50日を過ぎた日から始まる
建設業法第24条の6第4項は、引渡しの申出日から起算して50日を経過した日から、実際に下請代金を支払う日までの期間を遅延利息の対象としています。
契約書に書かれた支払期日の翌日から一律に計算するものではありません。
未払いの金額に年14.6%をかけて日数分を計算する
建設業法施行規則第14条では、遅延利息の率を年14.6%と定めています。
計算式と、未払金額100万円が30日間遅れた場合の例は次のとおりです。
計算式:未払金額 × 14.6% × 遅れた日数 ÷ 365
計算例:1,000,000円 × 0.146 × 30日 ÷ 365日 = 12,000円
計算例では1万2,000円ですが、実際の起算日や対象となる契約の判断は個別事情で変わるため、請求前に弁護士などへ確認しましょう。
出典:e-Gov法令検索「建設業法」、e-Gov法令検索「建設業法施行規則」
工事代金の未払いを回収する手順
工事代金を回収するときは、連絡、書面での請求、裁判所の手続という順で進めます。
STEP1 電話やメールで支払いを催促する
最初に元請けの担当者と経理担当へ連絡し、請求書が届いているか、処理が止まっていないか、いつ支払う予定かを確認します。
電話だけで終わらせず、確認した内容をメールやチャットで送り、相手の返答とともに保存しましょう。
約束した期日までに入金がなければ、次の書面請求へ進みます。
STEP2 内容証明郵便で支払いを請求する
内容証明郵便を使い、契約内容、未払金額、支払期限、振込先を記載して請求します。
内容証明郵便そのものに、相手へ支払いを強制する力はありません。
いつ、どのような内容の文書を送ったかを記録でき、民法上の催告として時効の完成猶予につながる点に意味があります。
STEP3 支払督促を申し立てる
支払督促は、原則として相手の住所地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官へ申し立てる、書類審査中心の手続です。
相手が督促異議を申し立てると、請求額に応じて簡易裁判所または地方裁判所の通常訴訟へ移ります。
申立手数料は請求額と申立方法で異なり、訴訟へ移った場合は訴え提起手数料との差額を追加で納めます。
STEP4 少額訴訟や通常の訴訟を検討する
少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に、原則1回の審理で解決を目指す簡易裁判所の手続です。
相手の申立てや裁判所の判断により、通常訴訟へ移る場合があります。
請求額が60万円を超える場合や、契約内容や工事の完成状況に争いがある場合は、通常訴訟も検討します。
判決を得ても相手に支払える財産がなければ全額を回収できないことがあるため、費用と見込みを弁護士へ相談しましょう。

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自分で解決できないときの相談先
建設業法違反の疑い、契約内容の争い、裁判手続では相談先の役割が異なります。
建設業の許可を出している行政庁に相談する
相手が国土交通大臣許可の業者なら本店所在地を管轄する地方整備局等、都道府県知事許可の業者なら許可した都道府県の建設業担当部署が相談・通報先です。
相手の許可区分と許可番号は、契約書、建設業許可票、国土交通省の検索システムなどで確認できます。
建設工事の請負契約をめぐるトラブルは、国土交通省が設ける建設業取引適正化センターにも相談できます。
行政庁と同センターは個別の代金を強制回収する機関ではないため、必要に応じて弁護士にも相談しましょう。
建設業許可の区分や確認方法を知りたい人は、下記の記事も参考になります。
弁護士に相談する
未払金額が大きい、相手が契約内容を争っている、支払督促や訴訟を検討している場合は、建設工事の請負契約や債権回収を扱う弁護士へ相談します。
契約書、注文書、見積書、請求書、工事写真、日報、相手との連絡記録を時系列で用意すると、状況を伝えやすくなります。
費用が心配なときは法テラスを利用する
法テラスでは、相談先や法制度の案内を行っています。
一定の収入・資産基準を満たす個人は、民事法律扶助による無料法律相談や、弁護士・司法書士費用の立替制度を使える場合があります。
法人は民事法律扶助の対象外で、費用の立替えは原則として後から返済が必要です。
出典:国土交通省「建設業取引適正化センター」、法テラス「民事法律扶助業務」
工事代金を請求できる権利は5年で時効になる
工事代金の請求権には5年と10年の2つの時効期間があり、早く到来した方が問題になります。
請求できると知った時から5年で時効になる
民法第166条第1項では、債権者が権利を行使できることを知った時から5年間、または権利を行使できる時から10年間、行使しない場合に債権が時効で消滅すると定めています。
工事代金は通常、契約書や請求書で支払期日を把握しているため、5年の期間が先に来るケースが多いです。
起算点は契約内容や個別事情で変わり、2020年4月より前の契約では旧民法が適用される場合もあるため、期限が近いときは専門家へ確認しましょう。
催告をすると6か月間は時効が完成しない
民法第150条により、催告をした時から6か月を経過するまでは時効が完成しません。
ただし、催告は時効期間をゼロから進め直す手続ではなく、一時的に完成を止める手続です。
最初の催告による6か月の猶予中に再度催告しても、猶予期間はさらに延びません。
支払督促や訴訟をすると時効の完成が猶予される
民法第147条により、裁判上の請求や支払督促を行うと、原則として手続が終了するまで時効の完成が猶予されます。
確定判決などで権利が確定した場合は、手続終了時から時効が新たに進みます。
催告だけで6か月を過ぎないよう、支払督促や訴訟へ進む時期を弁護士へ相談しましょう。
工事代金の入金を待つ間の資金は請求書の現金化で用意できる
未払いを回収する手段ではありませんが、支払期日が来る前の請求書であれば、ファクタリング会社へ売って現金化できます。
支払期日前の請求書なら売って現金化できる
ファクタリングは借入ではなく請求書の売買で、審査では申込者自身よりも元請けの支払能力が重視されます。
すでに未払いになった請求書は現金化の対象にならない
ペイトナーのファクタリングでは、すでに支払期日を過ぎた請求書は現金化の対象になりません。
対象になるのは、取引先に送付済みで契約変更のおそれがなく、支払期日まで70日以内の請求書です。
期日を過ぎた工事代金は、催促、内容証明郵便、支払督促、訴訟などで回収を求めます。
入金までの期間が長い取引先の請求書は早めに現金化しておく
入金までの期間が長く、材料費や外注費の支払日が先に来る場合は、支払期日前に請求書を現金化する方法を検討できます。
ただし、ファクタリングを使っても工事代金の未払いが起きなくなるわけではありません。
ペイトナーのファクタリングでは、取引先から入金がない場合も申込者への請求はありませんが、取引先への回収業務は申込者が行う必要があります。
売掛金を現金化する方法の違いを知りたい人は、下記の記事も参考になります。

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工事代金の入金待ちにペイトナーのファクタリングが選ばれる理由
ペイトナーのファクタリングは、一人親方や個人事業主の建設業者向けのサービスです。
主な特徴を紹介します。
手数料一律10%で受取額を事前に計算できる
手数料は一律10%で固定され、審査後に変わりません。
元請けへ送った請求書が50万円なら、手数料5万円を差し引いた45万円が入金されるため、申込前に受取額を計算できます。
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審査と入金は最短10分で完了し、土日祝日も申し込めます。
申込から契約までオンラインで完結し、面談や来店は必要ありません。
1万円の少額から利用できる
1万円から申し込めるため、材料費や外注費の不足分だけを現金化できます。
初回の上限は50万円で、実績に応じて最大300万円まで増額されます。
初回は本人確認書類、請求書、口座の入出金明細の3点が必要で、2回目以降は請求書だけで申し込めます。
ペイトナーのファクタリング サービス概要
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| 審査 | AIと人の併用 |
| 申込方法 | 完全オンライン・面談不要 |
| 必要書類 | 初回3点、2回目以降は請求書のみ |
個人事業主がファクタリングを使う流れを知りたい人は、下記の記事も参考になります。
少額の請求書を現金化するときの注意点を確認したい人は、下記の記事も参考になります。
工事代金の未払いでよくある質問
契約書がない工事、追加工事、元請けの倒産について、一般的な対応を紹介します。
Q. 契約書を作っていない工事でも代金を請求できますか?
契約書がないことだけで、一律に請求できないとはいえません。
注文書、見積書、請求書、メールやチャット、工事写真、日報などが契約の成立や代金額を示す根拠になる場合があります。
資料の評価は個別事情で変わるため、専門家に相談しましょう。
Q. 追加で頼まれた工事の代金も請求できますか?
追加工事代金を請求できるかは、追加工事の指示、合意した金額、施工内容などによって異なります。
書面での合意がないと争いになりやすいため、追加見積書、メールやチャットの指示、工事写真、日報を用意し、専門家へ相談しましょう。
Q. 元請けが倒産した場合はどうなりますか?
倒産には破産や民事再生などがあり、必要な手続は元請けの状況によって変わります。
破産手続が始まった場合は、裁判所や破産管財人から届く通知に従い、請求書などを添えて期限内に破産債権を届け出るのが一般的です。
届出をしても全額を回収できるとは限らないため、通知が届かない場合や手続がわからない場合は、破産管財人、裁判所または弁護士へ確認しましょう。
まとめ
工事代金の未払いでは、契約書と請求書、連絡記録を確認し、建設業法の支払期日を確かめたうえで回収手続へ進みます。
一定の下請契約では年14.6%の遅延利息が発生しますが、すべての未払いに適用されるわけではありません。
時効には5年と10年の期間があり、催告だけでは6か月しか完成を止められないため、早めに行政庁、建設業取引適正化センター、弁護士へ相談しましょう。

- 契約書、請求書、連絡記録をそろえてから催促しよう
- 遅延利息と時効は、対象と起算日を間違えないようにしよう
- 支払期日前の請求書なら、ペイトナーのファクタリングで入金待ちの資金を用意できるよ
支払期日前の請求書で、入金待ちの資金を用意しませんか?
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