会社員からフリーランスになったら、健康保険の切り替えが必要です。
会社員時代は給与から保険料が天引きされていましたが、フリーランスになってからは自分で納付する必要があります。
しかし、独立してから保険料がどのくらいかかるのか、会社員時代とどのように変わるのか、あまり理解していない方もいるのではないでしょうか?
そこで本記事では、フリーランスが加入する保険の種類や、保険料について解説します。会社員との違いについても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- 収入が400万円前後のフリーランスの場合、健康保険料は年間で約16万円になるよ!
- だけど、収入が上がれば上がるほど保険料も高くなるし、年収500万円前後さと年間35万円前後の保険料がかかるから、注意してね。
- 保険料を安く抑えたいなら、組合の加入がおすすめだよ!
目次
フリーランスの保険とは?
前提として、日本は「国民皆保険制度」を導入しているため、国民全員が保険に加入する必要があります。
会社から独立してフリーランスになった場合にも、新しく保険に加入しなくてはなりません。
ここからは、フリーランスが加入する保険の種類・保険料や、会社員との違いについて解説します。
フリーランスと会社員の保険の違い
前述の通り、日本国民は全員保険に加入しなくてはなりませんが、加入する保険にはいくつかの種類があります。
以下で、フリーランスと会社員の保険の違いを解説しますので、フリーランスの方や、これから独立しようと考えている方は参考にしてください。
フリーランスが加入するのは「国民健康保険」
フリーランス・個人事業主が加入するのは、「国民健康保険」という保険です。
国民健康保険は市区町村が運営している健康保険で、主にフリーランスが加入しています。
ほかの保険に加入していない方を対象としていて、国民皆保険制度を実現するための健康保険制度と言えるでしょう。
会社員や公務員のように、後述する「被用者保険」に加入している場合は、国民健康保険の対象となりません。
保険料は、収入や世帯人数、年齢などによって異なります。
この後の項目で、国民健康保険の保険料について詳しく解説しますので、併せてご覧ください。
会社員が加入するのは「一般被用者保険」
会社員の場合、加入する保険は「一般被用者保険(健康保険)」です。
被用者保険は、主に会社員や公務員など組織に雇用される形で働く方が加入する保険となっています。
国民健康保険との主な違いは、扶養の有無や出産手当金・傷病手当金の有無、保険料の計算方法などです。
被用者保険は扶養の扱いがあり、出産手当金や傷病手当金などもあるので、国民健康保険よりも手厚い保険と言えるでしょう。
さらに、被用者保険の場合は、会社と保険料を折半するため、本人負担は半額です。
そのため、安く手厚い保険を受けられるというのが、被用者保険の魅力と言えます。
フリーランスが会社員よりも保険料が高い理由は、会社員の保険料は会社と折半なのに対して、フリーランスは全額自己負担であるためです。
フリーランスが保険に入らないとどうなる?
日本は国民皆保険制度を導入しているため、保険に入らなかった場合、遡って保険料を納付する必要が発生します。
国民健康保険の場合は、最大2年間まで遡って保険料を請求されますので、注意しましょう。
また、昨今はこうした未納料金について、一括で請求されるケースも少なくありません。
そのため、開業や再就職までに期間が空く場合であっても、退職後14日以内に必ず手続きを行いましょう。
フリーランスの健康保険料は「約16万円」
フリーランスが加入する「国民健康保険」の保険料は、収入によって異なりますが、平均的には「約16万円」となっています。
ただし、これはあくまで平均であり、年収300万円を超える方はさらに多くの保険料がかかりますので、注意しましょう。
以下で、国民健康保険の保険料と、なぜフリーランスは会社員よりも保険料が高いのかについて、解説します。
国民健康保険の保険料は、収入によって異なる
国民健康保険料は、収入や住んでいる地域によって異なります。
以下には、中央区における収入ごとのおおまかな保険料を記載しますので、参考にしてください。
年収 | 保険料(年間) |
200万円 | 139,200円 |
300万円 | 205,300円 |
400万円 | 275,200円 |
500万円 | 350,700円 |
【参考:税金・社会保障教育「国民健康保険料シミュレーション」】
上記のように、フリーランスは年収によって13〜35万円前後の保険料がかかります。
フリーランス協会が作成した『フリーランス白書2022』によると、フリーランスの年収は0〜400万円未満の層が最も多く、特に200〜400万円未満が多いことが分かります。
この数値から、フリーランスの平均的な健康保険料は「約16万円/年」、12か月ごとの月払いであれば月額で約13,500円程度であると言えるでしょう。
このようにするとあまり高くないように感じますが、年収が500万円であれば年間約35万円、800万円であれば年間約59万円もの保険料がかかります。
年収によって保険料が大きく異なるため、独立前にはしっかりと保険料をシミュレーションしてください。
なお、自治体によってはシミュレーション用のエクセルファイルを提供していますので、ぜひ活用しましょう。
LINE登録で3つをGET!
- 今ならLINE登録で36Pの税金・節税丸わかり資料GET!
- 税金・節税・助成金・法律など、逃しがちな情報を週2でGET!
- お金や法律の悩みをLINEで解決→事業成長をGET!
\登録者1万人超、5秒でLINE登録!/
LINE登録で3つをGET!
- 36Pの税金/節税対策資料GET!
- 税金/節税/助成金/法律… 逃しがちな情報を週2でGET!
- →事業成長をGET!
\登録者1万人超、5秒でLINE登録!/
フリーランスになったら、保険を切り替えよう!
フリーランスになったら、「被用者保険」から「国民健康保険」への切り替え手続きが必要です。
以下では、退職する際にどのような手続きをすべきかについて、解説します。
これから会社を退職してフリーランスになる方は、以下の内容をご活用ください。
退職前に、国民健康保険料を計算しておく
まずは、退職前に国民健康保険料がいくらになるのか、計算しておきましょう。
注意点は、前年の所得をもとに計算するという点です。
フリーランスになって収入が大幅に減ったとしても、会社員時代の収入を基に保険料が決定されるため、退職後に大幅な収入減が見込まれる場合は、特に注意が必要です。
任意継続をしない場合は、切り替え手続きをする
現在の保険を任意継続しない場合は、保険の切り替え手続きを行います。任意継続する場合は、あらかじめ会社側に伝えておくようにしましょう。詳細は後述します。
なお、解約する際は、会社で加入している保険に関しては、会社側が解約手続きをしてくれますので、ご自身が保険窓口へ行って行う手続きなどはありません。
以下で、国民健康保険の加入(切り替え)手続き方法について解説しますので、参考にしてください。
切り替え手続きの流れ
被用者保険から国民健康保険へ切り替える際の主な流れは、以下の通りです。
- 会社側が保険の解約手続きを行う
- 市区町村の役所で切り替え手続きを行う
- 保険料金の通知書が到着後、支払いを開始
以下の項目で、切り替え手続きの流れについて解説します。
これから会社を退職してフリーランスになる方は、以下の内容を参考にしてください。
①退職前の解約手続き
まずは、会社で加入している保険を解約する必要があります。
この解約手続きは、会社側が行いますので、ご自身で手続きする必要はありません。
ただし、任意継続したい場合は、前述のように、この解約手続きがされる前に会社側に申請しなくてはなりません。
任意継続の意思があるのであれば、出来る限り余裕をもって会社側に伝えましょう。
②切り替え手続き
国民健康保険の加入(切り替え)手続きは、原則として退職日翌日から14日以内に行わなくてはなりません。
住んでいる市区町村の役所にある保険窓口で手続きが行えますので、できる限り早急に手続きを行いましょう。
切り替え手続きに必要な持ち物は、以下の通りです。
- 会社員時代の保険資格を喪失したことが証明できる書類(離職票、退職証明書など)
- マイナンバーが確認できる書類(マイナンバーカード、個人番号通知書など)
- 身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
- 印鑑
なお、身分証明書に保険証を使っていた方は、既に保険を喪失しているため使用できません。
パスポートや免許証など、保険証以外の身分証明書を持って行くようにしましょう。
③手続き後の流れ
市区町村の役所で手続きが完了したら、郵送で保険料の通知書が送られてきます。
退職日によって保険料の支払い開始月は異なりますので、通知書をご確認のうえ、遅れることなく納付するようにしましょう。
健康保険の任意継続って?
会社員として働いていたフリーランスは、現在、会社で入っている保険を任意継続することもできます。国民健康保険の保険料は非常に高く、現在の保険を任意継続したほうが保険料が安く済む場合もあります。
ただし、退職後は会社と保険料を折半しなくなるため、会社員時代の保険料の倍額を支払わなくてはなりません。
そのため、切り替えや組合加入などを総合的に判断したうえで、任意継続すべきか判断しましょう。
フリーランスが健康保険料を安く抑え、節税するための方法2選!
フリーランスは、保険料が全額自己負担であるため、会社員時代よりも保険料が高くなりがちです。
そのため、「健康保険料を安くする方法はないか」と考えるフリーランスは少なくありません。
そんな保険料の高さが気になっているフリーランスに向けて、おすすめの対策を2つご紹介します。
フリーランス向けの組合・協会に加入する
まずおすすめしたいのは、フリーランス向けの組合や協会に加入することです。
国民健康保険は収入によって保険料が変動するため、収入が多いと保険料が非常に高くなってしまいます。
しかし、健康保険組合に加入すると、ほとんど一定の保険料で済むため、国民健康保険よりも保険料を安く抑えられる可能性があるのです。
フリーランスが加入できる組合・協会は数多くありますが、業種などによって加入すべきものは異なります。
「文芸美術国民健康保険組合」や「日本ネットクリエイター協会」、「東京芸能人国民健康保険組合」などさまざまなものがあるので、ご自身の職業に合わせて検討しましょう。
収入が少ない場合は、家族の扶養に入る
もし、退職後の収入がほとんどない場合には、家族の扶養(配偶者控除)に入るのも良いでしょう。
ただし、家族の扶養に入れるかどうかは、収入や確定申告の有無によって異なります。
以下すべてを満たしている場合は、家族の扶養に入ることが可能です。
- 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
- 納税者と生計を一にしていること。
- 年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
- 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。
【引用:国税庁HP「No.1191 配偶者控除」】
まず、①と②については、一般的な家族関係(夫婦)であれば基本的に問題なくクリアできるでしょう。
④は、扶養に入れてもらう家族が、青色確定申告や白色確定申告をしていなければ問題ありません。
そして③ですが、これは確定申告をしているかどうかで、金額が異なります。
まず、確定申告をしていない場合は、記載のとおり年間の合計所得金額が48万円以下である必要があります。
そして、青色確定申告をしていた場合は65万円の控除を受けられるため、103万円までであれば扶養に入ることができます。
以上のことをまとめると、以下のようになります。
- 一般的な夫婦関係であり、扶養に入れてもらう家族が確定申告をしていない
- 扶養に入る人が確定申告をしていない場合は、年間所得の合計が48万円以下
- 扶養に入る人が青色確定申告をしている場合は、年間所得の合計が103万円以下
これらの条件をすべて満たしている場合、家族の扶養に入ることができます。
LINE限定の最新お役立ち情報配信中!
【実際のLINEトーク画面】
\例:個人でも利用できる補助金の情報/ \例:期日系のリマインドも!/
LINE登録1万超!3秒で登録はこちら↓↓
LINE限定情報配信中!
【実際のLINEトーク画面】
\例:個人でも利用できる補助金の情報/
LINE登録1万超!3秒で登録はこちら↓↓
国民健康保険以外に、加入したほうがいい保険はある?
フリーランスは、国民健康保険以外に加入が義務づけられている保険はありません。
しかし、将来的なリスクや老後に備えて、加入を検討したほうが良い保険もあります。
特に、フリーランスが加入する国民健康保険には傷病手当金がないため、リスクに備えた対策が重要です。
以下の内容を参考にしながら、ご自身の収入や健康状態などに合わせて、ほかに加入すべき保険がないか検討してください。
フリーランス向けの賠償責任保険
まずご紹介するのは、フリーランス向けの賠償責任保険(損害賠償保険)です。
賠償責任保険とは、事業をしていく中で受けた損害や賠償責任に対して、補償してくれる保険を指します。
会社員であれば、何かトラブルがあっても会社側が対応できますが、フリーランスは全て自分で対応しなくてはなりません。
顧客情報の流出や、納品トラブル、権利関係などで何らかの損害・賠償責任が発生した場合、故意でなかったとしても、数千万円を請求されてしまうケースもあります。
こうした重大なトラブルに適切に対応し、破産を防ぐために、賠償責任保険はおすすめです。
所得補償保険や就業不能保険
病気やケガなどで働けなくなった際に、所得を補償してくれる保険が、所得補償保険や就業不能保険です。
会社員のように有休制度がなく、傷病手当もないフリーランスは、仕事ができなくなると収入が完全にゼロになってしまいます。
しかし、こうした所得補償保険や就業不能保険に入っておくことで、万が一の場合でも収入が完全に無くなるのを防げるのです。
年齢に関わらず、病気やケガなどで働けなくなる可能性はありますので、こうした保険に加入するのも良いでしょう。
個人年金保険や確定拠出年金
最後にご紹介するのは、老後に向けた保険制度です。
フリーランスは、国民年金に加入しますが、この国民年金で支給される年金額は会社員よりもかなり少なく、これだけでは生活が困難になります。
そのため、より安定した老後生活を実現するためには、個人年金保険や確定拠出年金などで、老後資金を作っておく必要があるのです。
個人年金保険や確定拠出年金のほかにも、iDeCoや付加年金など、老後資産形成の方法にはさまざまなものがあります。
ご自身の状況に合わせて最適なものを活用して、老後の備えをしっかりと蓄えておきましょう。
フリーランスの健康保険に関する、よくある質問
フリーランスは会社員と異なる保険制度に加入します。そのため、会社員時代とは保険料や保険の内容が異なり、戸惑うことも多いでしょう。
以下では、フリーランスが健康保険に関して疑問に感じるポイントを2つご紹介します。
今フリーランスとして働いている方はもちろん、これからフリーランスになる方もぜひご覧ください。
フリーランスは健康保険料を経費にできる?
フリーランスが支払う健康保険料は、残念ながら経費にすることができません。
これは、保険料は事業を運営するうえで直接関係があるものとは考えられないためです。
交通費や消耗品費、接待交際費などの事業運営に直接関係があるもの以外は、経費として認められないため、健康保険料も経費として計上できません。
フリーランスの扶養になることは可能?
「収入が少ない場合は、家族の扶養に入る」の項目で解説した通り、フリーランスでも家族の扶養に入ることは可能です。
しかし、フリーランスの家族の方が、フリーランスの方が加入している国民健康保険の扶養になることはできません。
これは、国民健康保険に扶養の扱いがないためです。
もし、家族の方が扶養に入りたいのであれば、フリーランスが法人成りをして、法人向けの健康保険に切り替える必要があります。
また、組合に加入すれば、家族分の保険料を安く抑えられるでしょう。
まとめ
フリーランスは保険料を全額自分で負担しなくてはならないため、会社員よりも負担額が大きくなりがちです。
特に年収が500万円を超える場合は、保険料負担がかなり大きくなるため、組合加入を検討したほうが良い場合もあるでしょう。
また、健康保険料を安く抑えるとともに、万が一のトラブルや老後にそなえるための保険についても、検討する必要があります。
会社からのバックアップがないからこそ、いかに自分で自分の健康や収入を守るかが、非常に大切です。
収入が400万円前後のフリーランスの場合、健康保険料は年間で約16万円になるよ!
だけど、収入が上がれば上がるほど保険料も高くなるし、年収500万円前後さと年間35万円前後の保険料がかかるから、注意してね。
保険料を安く抑えたいなら、組合の加入がおすすめだよ!
LINE限定の最新お役立ち情報配信中!
【実際のLINEトーク画面】
\例:個人でも利用できる補助金の情報/ \例:期日系のリマインドも!/
LINE登録1万超!3秒で登録はこちら↓↓