確定申告は、2024年の2月16日から始まります。フリーランスは、自ら所得金額や収める税金額を計算し、確定申告しなくてはなりません。フリーランス1年目の方からベテランの方まで「確定申告のやり方、本当に合っているのかな?」と不安に感じることがあるでしょう。
本記事では、はじめて確定申告をする方に向けて、確定申告のやり方を詳しく解説します。フリーランス1年目の方はもちろん、経験はあっても自分のやり方に不安がある方も、ぜひ最後までご覧ください。
- 確定申告とは、所得金額や所得税額を計算して、税務署に申告すること!
- おすすめは「青色申告65万円控除」だけど、青色申告を利用するためには事前申請が必要だよ。
- 確定申告の期間は、例年2月16日〜3月15日で、この期間を過ぎるとペナルティが科せられるから、必ず期限内に申告をするようにしてね!
確定申告の期間は、2024年2月16日〜3月15日!
そもそも確定申告とは?種類や期間などを解説
確定申告とは、税務署に対して「私は1年間このくらいの所得が発生したので、このくらい所得税を収めます」と申告することです。1年間の所得を計算し、また事業運営にかかった経費や各種控除などを差し引いたうえで、所得税額を算出します。
種類:白色・青色・青色65万控除の3種類
確定申告には、以下の3種類があります。
- 白色確定申告
- 青色確定申告10万円控除
- 青色確定申告65万円控除
まず「白色」と「青色」の2種類の確定申告があり、青色にも「10万円控除」と「65万円控除」という控除額が異なる2種類があります。白色と青色の違いは、『青色申告承認申請書』を提出しているかどうかです。そして、青色確定申告の控除額は、どのような申請方法を選択するかで変わります。
時期・期間:2月16日から同年3月15日まで
確定申告の時期・期間は、例年2月16日から同年の3月15日までに設定されています。この期間までに、前年の1月1日〜12月31日までの所得額や所得税額などを計算し、税務署に確定申告してください。この期間を過ぎてしまうと、期限後申告という扱いになり、無申告加算税や延滞税といったペナルティが科されますので、注意しましょう。
確定申告と年末調整の違いは、個人か会社か
確定申告と年末調整の違いは、行うのが個人か会社かという点です。
まず、一般的に言う確定申告とは、株式売買や不動産投資などを含む個人事業によって、所得が発生した場合に行うものです。自分自身で所得額や所得税額を計算し、国に申告します。
一方、年末調整は主に会社員として給与所得を得ている人が行うもので、所得税の過不足がないかを精算するために行います。
実際は会社員も確定申告をする必要がありますが、会社側が年末調整を通して過不足を計算したうえで、社員分をまとめて申告してくれているのです。また、会社員でも給与所得2,000万円を超える場合や、2ヶ所以上から給与をもらっている場合、副業収入が20万円を超える場合などは、自ら確定申告をしなくてはなりません。
このように、社会人であれば基本的に行わなくてはならないのが「確定申告」、会社が代わりに確定申告をするために、事前精算をすることを「年末調整」といいます。
確定申告が不要な人
以下のような人は、確定申告が不要です。
- 事業が赤字だった人
- 所得が48万円以下だった人
確定申告は「今年は〇円の所得があったので、〇円の所得税を納めます」と申告するものです。事業が赤字だったり、所得が48万円以下だったりする場合、課税所得が0円となるため、結果として確定申告も不要となります。
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確定申告を行う前に必要な準備とは?
初めて確定申告を行う場合、事前に準備しておくものが複数あります。申告に関する準備ができていないと、控除額が減ってしまったり、確定申告の締め切り直前で慌てることになるかもしれませんので、注意しましょう。
- 『青色申告承認申請書』の提出
- 請求書の管理
- 経費に関連する書類の管理
- 健康保険料や年金保険料などの支払い証明書類の管理
- 確定申告ソフトの導入
それでは、上記5つの準備物に関して、以下で解説します。
『青色申告承認申請書』の提出
まず、青色申告特別控除65万円を利用するためには、『青色申告承認申請書』の提出が必要です。この申請書は、特別控除を利用する年の3月15日(土日祝日の場合は週明けまで)までに提出しましょう。
なお、3月15日以降に事業をスタートする場合は、開業日に開業書とともに提出してください。この青色申告承認申請書は、記入を間違えると65万円の控除を利用できなくなってしまいますので、以下の点に注意してください。
- 簿記方式は【複式簿記】を選択
- 備付帳簿名は【現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・預金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳】を選択
上記の点以外は、説明通りに記入しておけば問題ありません。なお、開業届を出していないと申請書は提出できないので、注意しましょう。
請求書の管理
請求書は、確定申告において所得額を計算するのに必要です。請求書がないと、「誰からいくら支払ってもらったか」が分からず、所得額の計算ができなくなってしまいます。そのため、月ごとや取引先ごとなどで請求書をまとめ、計算・確認しやすくしておく必要があります。
また、税務調査が入った際に、申告した所得額が正しいかの証明も難しくなるでしょう。請求書は「5年間」保管しておくことが定められていますので、1年ごとにまとめて保管・管理しておくのがおすすめです。
経費に関連する書類の管理
事業に必要なものを購入したら、領収書やレシートなど、「何にいくら使ったか」が分かる書類を必ず保管してください。これも、確定申告で経費金額を計算するために必須です。税務調査時に経費に関する書類がないと、経費申請していたものが認められなくなり、追加で税金を納めなくてはならなくなりますので、注意してください。
経費に関する書類は「7年間」保管しておく必要がありますので、こちらも1年ごとにまとめて保管しておきましょう。
健康保険料や年金保険料などの支払い証明書類の管理
健康保険や年金の保険料を支払っている場合は、支払い証明書も保管しておきましょう。こうした社会保険料は、社会保険料控除の対象になります。国民年金と国民健康保険料のみでも、40万円前後の控除になりますので、必ず利用するようにしてください。
控除に関する書類
ふるさと納税の控除や住宅ローン控除などを利用する場合は、それらに関する書類も準備しましょう。確定申告で利用できる控除には、以下のようなものがあります。
雑損控除 / 医療費控除 / 社会保険料控除 / 小規模企業共済等掛金控除 / 生命保険料控除 / 地震保険料控除 / 寄付金控除 / 寡婦・寡夫控除 / 勤労学生控除(学生のみ) / 障害者控除 / 配偶者控除 / 配偶者特別控除 / 扶養控除 / 基礎控除
引用:国税庁「所得から差し引かれる金額(所得控除)」
上記のような控除を利用する場合には、それらの料金を支払った証明書をご準備ください。
確定申告ソフトの導入
確定申告関連の書類は、専用のソフトで作成するのがおすすめです。エクセルなどで作成するのも無理ではありませんが、よほど専門知識と時間がない限り難しいでしょう。
また、計算を間違えて納税額を間違えれば、ペナルティが発生する可能性もあります。そうしたトラブルを抑え、効率よく確定申告を行うために、確定申告ソフトを導入するのがおすすめです。
代表的な確定申告ソフトには、以下のようなものがあります。
- Money Forward クラウド
- 弥生の白色申告・青色申告
- freee会計
上記3つのソフトは、ユーザーも多いため、操作に困ってもネットで情報を得やすいのがメリットです。初めての確定申告で不安がある方であれば、上記のような有名ソフトを利用すると良いでしょう。
その他、確定申告に必要なもの
上記以外では、口座情報が分かるものも必要です。これは、税を納めすぎていた場合に発生する「還付金」を受け取るために必要なもので、設定した口座に還付金が振り込まれます。
なお、令和3年4月1日以降から『税務関係書類における押印義務の廃止』が適用されたことにより、印鑑は必要なくなりました。
確定申告のやり方
前述したものが揃ったら、確定申告を行いましょう。具体的には、以下の流れで申告書の作成を進めます。
- 事業で発生した売上の入力
- 事業に関連する経費の入力
- その他、必要事項の入力
- 税務署に確定申告書を提出
日々行っておいたほうが良い作業から、確定申告書作成時に行う作業などさまざまですので、フリーランスとして事業をスタートした方は、以下で詳しい流れをご確認ください。
①事業で発生した売上の入力
まずは、事業で得た売上を入力しましょう。入力する際は「どこから」「何に関して」「いくらの売上を得たか」が分かる書類を準備してください。確定申告書の作成自体は、期限内に行いますが、売上入力などは日々こまめに行っておくのがおすすめです。期限直前にまとめて入力しようとすると、かなりの時間が必要となるだけでなく、入力ミスの原因にもなります。
そのため、月末や毎月15日・月末など、こまめに売上を入力しておくと、余裕を持って申告書を作成できます。なお、月末締め・翌月末払いのように、売上が発生した日と実際に入金される日が異なる場合、売上が発生した日を基準に入力してください。
②事業に関連する経費の入力
事務用品や交通費など、事業に必要な出費があれば、経費として入力しましょう。事業の状況に応じてさまざまなものが経費にできますが、何でもかんでも経費にしてしまうと、後に経費が認められない可能性もありますので、注意が必要です。
また、年末付近に購入・利用したものに関しては、何年の経費にするかに注意しましょう。
例えば、2022年12月31日に購入したノートパソコンが2023年1月1日に届いた場合、2022年の経費扱いにはなりません。このように、経費に関しては種類や時期などに細かな決まりがありますので、不安な方は以下のページも確認しておくと良いでしょう。
参考:国税庁「No.2210 やさしい必要経費の知識」
③その他、必要事項の入力
売上と経費のほかに、各種控除を利用する場合は、そちらも入力しましょう。前述した社会保険料のほか、医療費やふるさと納税で収めた金額などに関しても、控除として利用可能です。こうした控除を活用すれば、所得税額を抑えられますので、積極的に活用していきましょう。
なお控除の入力は、日々の取引を入力する画面でなく、確定申告書を作成する手順の中で入力するケースが多いため、通常の操作画面には出てこない場合もあります。
④税務署に確定申告書を提出
必要事項をすべて記入し、確定申告書が作成できたら、税務署に確定申告書を提出します。確定申告書の提出方法は、以下から選択可能です。
- e-Taxで提出
- 郵便又は信書便で、所轄の税務署に提出
- 所轄の税務署へ行き、直接提出
【参考:国税庁「申告書の提出方法」】
おすすめはe-Taxでの提出で、自宅から簡単に確定申告書を提出できます。ただし、e-Taxは事前登録が必要で、マイナンバーカードをお持ちで無い場合は、税務署へ行って登録手続きをする必要があります。
また、マイナンバーカードを使って利用手続きをする場合は、カードリーダーやマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンが必要ですので、ご注意ください。
確定申告後の流れ
確定申告が終わったあとは、必要に応じて以下の手続きが必要です。
- 必要があれば、所得税を納付する
- 還付金があれば、1〜2か月後に受け取る
- 間違いがあれば「修正申告」を行う
上記3つの手続きについて、以下で解説しますので、まだ確定申告をしたことが無い方もぜひ参考にしてください。
①必要があれば、所得税を納付する
確定申告をしたうえで、所得税を納付する必要があれば、以下の方法で納税しましょう。
- 口座振替
- e-Tax
- クレジットカード
- コンビニ
- 窓口支払い
なお、例年所得税の納税は3月15日までで、例えば令和4年の確定申告分であれば、令和5年3月15日までに納税する必要があります。また、消費税や地方消費税は3月31日、贈与税は3月15日と設定されていますので、忘れずに納付しましょう。
なお、支払いが困難な場合は、税務署で手続きをすれば支払期限が延長される場合もありますので、必要な方は国税庁HPをご確認ください。
参考:国税庁「新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ」
②還付金があれば、1〜2か月後に受け取る
還付金とは、源泉徴収や予定納税で所得税を払いすぎていた場合に受け取れるものです。もし還付金があれば、還付金があった年の翌年1月1日から5年間まで手続きができます。
なお、確定申告をすればこの還付申告も同時にされますので、特別な手続きは必要ありません。確定申告をしたうえで、還付金があった場合は、申告後1か月前後で所定の口座に還付金が振り込まれます。
③間違いがあれば「修正申告」を行う
もし、確定申告後に間違いが発覚したら、すぐに修正申告を行いましょう。期間内であれば、改めて確定申告書を作り直し、提出してください。期限が過ぎてしまった場合は、申告した税額と正しい税額の差によって対応が異なります。税額が多すぎた場合は「更正の請求書」、少なすぎた場合は「申告書B第一表」と「第五表(修正申告書・別表)」を所轄の税務署に提出しましょう。
なお、申請・納税した税金が少なすぎた場合は、過少申告加算税が課される場合もあります。確定申告を行う際には、ペナルティを科されないよう、複数回チェックをしてから申告してください。
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まとめ
初めて確定申告を行う際は、本当にこれで合っているのかと不安になる場面が多いでしょう。確定申告ソフトを使ったとしても、見慣れない用語と戦いながらの作業になるため、提出後も不安に感じる方は少なくありません。
しかし、そもそも確定申告は「所得金額」「経費・控除」「所得税額」がしっかりと計算できていれば問題ありません。また、そのための各種書類を保管しておけば、計算を大幅に間違えることもほとんどないでしょう。
そのため、初めての確定申告を行う際は、書類保管やソフトの導入といった準備をしっかりと行い、また修正ができる程度の余裕を持って作業するのが大切です。
- 確定申告とは、所得金額や所得税額を計算して、税務署に申告すること!
- おすすめは「青色申告65万円控除」だけど、青色申告を利用するためには事前申請が必要だよ。
- 確定申告の期間は、例年2月16日〜3月15日で、この期間を過ぎるとペナルティが科せられるから、必ず期限内に申告をするようにしてね!
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