個人事業主の中には、資産形成のため株式投資を考える方も多いですよね。そこで気になるのが「税金はどうなるの?」「節税しながらできる投資はないの?」ということではないでしょうか?今回は、投資にかかる税金や節税できる投資などについて解説をします。
- 個人事業主だからこそ、節税と資産形成を兼ねて投資をするのがおすすめだよ!
- 確定申告は省略できることが多いけど、節税メリットを得るために確定申告をしたほうがいいよ!
- NISAやiDeCo、不動産投資など、節税メリットの高い投資の特徴を踏まえて自分に合った投資を選ぼうね!
目次
個人事業主が投資するメリット
個人事業主は会社員などに比べ、年金などの社会保障制度が少ないです。そのため、投資による資産形成の重要性は言うまでもありません。しかし、投資にはそれ以外にも個人事業主ならではのメリットがたくさんあることをご存じですか?
節税になる場合がある
投資は、資産を増やすだけでなく、節税と並行して行うことができます。例えば、投資によっては、かかる費用を経費として計上できることがあるのです。株式投資であれば金融機関への手数料などが、不動産投資であればローンの金利や保険料が経費になります。また、投資で損をした場合は「損益通算」といって他で獲得した利益と相殺できる制度があり、所得を圧縮できます。さらに、iDeCo(個人型確定拠出年金)では、掛金を全額所得控除できるなどの大きな節税メリットもあります。
このように、個人事業主の場合は、経費や控除額を増やすことが大きな節税に繋がります。資産を増やしつつ、節税効果も高い投資を選べば一石二鳥ですよね。以下の記事では、控除や節税方法の解説をしています。併せてご覧ください。
確定申告しやすい
確定申告のハードルが低いことも、個人事業主ならではのメリットです。投資で利益が出たときや、各種税金の優遇措置を受けるときは、基本的に確定申告が必要になります。しかし、会社員の場合は給与にかかる税金の管理は勤務先がしてくれるため、確定申告をする習慣がありません。
一方で個人事業主は、毎年確定申告をする習慣があるため、投資にかかる申告もスムーズにできます。そのため、確定申告をせず税金を納め忘れたり、確定申告が必要な投資を避けて選択肢を狭めることもありません。
株式投資にかかる税金
株式投資を始める前にまず知っておくべきことは、どのような税金がかかるか、ということです。利益を得た場合にかかる税金や課税方法などを把握しておきましょう。
譲渡益にかかる税金
株の売買における値上がり益を「譲渡益」と言います。この譲渡益は「株式の譲渡所得」にあたり、事業所得など他の所得とは分けて課税される「申告分離課税」になります。
さらに、株式の譲渡所得は「上場株式等にかかる譲渡所得等」と「一般株式等にかかる譲渡所得等」に区分して課税されます。いずれも、税額の算出方法や税率は同じで、以下のようになります。
- 譲渡益=譲渡価格ー必要経費(取得価格+委託手数料等)
- 譲渡所得=譲渡益×20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
配当金にかかる税金
株式投資の「配当金」とは、株式を保有する人に分配される利益のことです。ただし、株式を持っていれば必ず分配されるというわけではなく、発行元の企業の判断で支払われます。こちらの配当金は「配当所得」にあたり、税額は以下の計算式で算出します。
- 配当所得の金額=収入ー株式などを取得するための負債利子
- 配当所得の税額=配当所得の金額×20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
この配当金にかかる税金ですが、支払い時に源泉徴収されるため、申告は不要です。ただし、大口株主の場合は税率が20.42%と高くなり、申告も必要になります。大口株主とは、上場会社等の発行済株式等の3%以上を保有する株主のことです。もしも該当する場合は、注意しましょう。
株式投資の確定申告の注意点
株式投資とは切っても切れない作業が、確定申告です。ここからは、確定申告の必要性や、節税になる申告方法について説明します。
確定申告が不要な場合
まず、確定申告をしなくてもよい場合は以下の通りです。
- 特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合
- 株式投資で出た利益が配当金のみの場合
- NISA口座を利用している場合
それぞれについて説明します。
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特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合
株式投資で「源泉徴収あり」の特定口座を使用した場合は、確定申告が不要となります。特定口座とは、投資を始める際に証券会社で開設する口座の種類で、一般口座と区別されます。特定口座で管理する株式は、主に、上場株式や公社債などです。
特定口座は「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」を選択できます。「源泉徴収あり」を選べば、株式で得た譲渡益から税金が自動的に差し引かれ納税まで完了するので、個人で確定申告しなくてもよいのです。
株式投資で出た利益が配当金のみの場合
先ほども述べたとおり、利益が配当金のみの場合、支払時に20.315%を源泉徴収されます。そのため、株式投資で配当金のみを受け取った場合は、確定申告は不要です。ただし、配当控除を適用する場合は、総合課税として確定申告しなければならないので注意しましょう。
NISA口座を利用している場合
NISAとは、「少額投資非課税制度」の略で、投資初心者の資産形成を後押しするための税制優遇制度のことです。このNISA口座での取引する場合、一定の金額内であれば利益に対する課税がありません。そのため、一定の投資額の範囲内であれば、確定申告も不要です。
確定申告が必要な場合
確定申告が必要な場合は以下の通りです。
- 特定口座(源泉徴収なし)を選んだ場合
- 一般口座を選んだ場合
- 配当金の種類が「大口株主等の配当」と「非上場株式の配当」にあたる場合
それぞれについてみていきましょう。
特定口座(源泉徴収なし)を選んだとき
投資に使用する特定口座のうち「源泉徴収なし」を選択した場合には確定申告が必要です。ただし、その場合も、納税者自身が税額を計算する必要はありません。証券会社が発行する「特定口座年間取引報告書」に基づき申告するので、比較的楽に申告作業が済みます。そのため、源泉徴収なしの特定口座は「簡易申告口座」とも呼ばれます。
一般口座を選んだ場合
一般口座とは、特定口座では管理できない株式等を管理する口座です。例えば、非上場株式や先物取引などは、特定口座ではなく一般口座でしか管理ができません。こちらは、特定口座のように源泉徴収や年間取引報告書などの特典がないため、自身で計算・申告をする必要があります。
配当金の種類が「大口株主」と「非上場株式の配当」にあたる場合
株式の利益が配当金のみの場合は確定申告不要となりますが、例外もあります。それは、大口株主が配当を得る場合と非上場株式の配当を得る場合です。ただし、いずれも配当の金額が「少額配当」の範囲内のときは申告不要を選択できます。
少額配当とは1回に支払いを受ける金額が
10万円×(配当計算期間月数÷12ヶ月)以下
の配当のことです。
確定申告不要だが、申告するほうが節税になる場合
先述の通り、口座や収益の種類によっては確定申告は不要となります。もちろん申告の手間が省けるのは嬉しいことですが、一概にそうとも言えません。場合によっては、申告義務がなくとも確定申告したほうが節税になることがあるのです。
例えば、株式譲渡で損をして、譲渡益がマイナスになったときです。この際、税金も発生しないから申告もしなくてよいのだ、と動かないのはもったいないのです。なぜなら、上場株式等の譲渡で損した場合、その損失を他の所得と相殺できる「損益通算」という制度があるからです。
損益通算の制度は、申告分離課税を選択し、確定申告しなければ適用されません。また、配当控除を受ける場合も同様です。配当控除を受ける場合には、総合課税を選択し、確定申告をします。ただし、配当控除に関しては、他の所得の総額によっては源泉徴収のほうが税金が安くなる場合もあります。どちらが得になるか、税理士と相談しましょう。
節税しながら株式投資をするには?
ここまでで投資にかかる税金について触れましたが、せっかく投資をするなら税金は最小限に抑えたいですよね。そこでここからは、株式投資で節税し、利益を最大限、手元に残す方法をお伝えします。
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NISA口座で投資をする
まず、NISA口座で投資をする、という方法があります。NISA(少額投資非課税制度)は、一定の投資額までであれば、そこから得た利益に対する税金が非課税になる制度です。
現行のNISAには、以下の2種類あります。
- 一般NISA
- つみたてNISA
双方とも、非課税特典があるのは同じですが、非課税枠や投資期間などに違いがあります。
一般NISA | つみたてNISA | |
投資対象 | 株式(日本・外国) 投資信託 ETF等 | 国が指定した投資信託 |
非課税限度額(年間) | 年間120万円 | 年間40万円 |
非課税期間(投資開始から) | 5年間 | 20年間 |
非課税限度額(最大) | 600万円 | 800万円 |
一般NISA
一般NISAは、国内株式、外国株式、投資信託、ETFなど幅広い金融商品に投資ができます。非課税になる投資限度額は年間120万円、非課税期間は最大で5年間なので、600万円に対する利益までが非課税となります。そのため、一般NISAは、短期的に大きな金額で投資をしたい方におすすめです。ただし、一般NISAの投資可能期間は2023年までとなっており、それ以降は新制度のNISAに移行するので注意しましょう。
つみたてNISA
つみたてNISAは、国が指定した投資信託のみを扱っており、毎月少額ずつ長期的に投資していくのが特徴です。また、非課税になる投資限度額は年間40万円と少額で、期間は20年間と長く設定されています。そのため、まとまった原資がない方や、ゆっくり着実にお金を増やしたい方におすすめです。
新NISA
2024年より開始する新NISAの制度についても触れておきましょう。新NISAでは、一般NISAやつみたてNISAのように、非課税期間に制限がないのが特徴です。
さらに、非課税限度額が年間360万円、最大で1,800万円とかなり広がるので、よりお得に投資ができるようになります。また、新NISAと現行NISAの枠は別々にカウントされるため、2023年中に一般NISAやつみたてNISAを始めておけば、非課税投資枠がさらに広がります。
損益通算する
損益通算とは、株式投資で出た譲渡損失を、その年分の配当・利子所得と相殺し、税金を少なくする制度です。先ほど述べたとおり、投資で損失が出た場合は申告不要ですが、損益通算するには確定申告が必要です。例えば譲渡損失が100万円、配当金が20万円だとします。これを損益通算した場合、以下のような流れになります。
配当所得+20万円:46,300円源泉徴収
ここで確定申告をすると、
(譲渡損失ー100万円)+(配当所得20万円)=−80万円
つまり、利益がー80万円という形になるので、税額は0円となります。その結果、源泉徴収された46,300円が還付されます。ただし、損益通算にはいくつかの条件があります。まず、損益通算できる所得は、「上場株式等にかかる譲渡益」と「上場株式等にかかる利子所得・配当所得」に限定されるということです。そのため、株式投資で赤字が出ていても、他の事業所得や不動産所得の黒字と損益通算することはできません。
また、損益通算できる株式は上場株式グループ内の株同士のみと決まっています。株式には「上場株式グループ」と「非上場株式グループ」がありますが、上場株式等の損益と非上場株式等の損益を通算することはできません。
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繰り越し控除
先述の通り、上場株式の譲渡損失は損益通算ができますが、損失があまりに大きい場合、その年の利益から控除しきれずマイナスになるケースもあります。その場合は、控除しきれなかった損失金額を翌年3年間にわたり利益から控除することが可能です。これを「譲渡損失の繰り越し控除」といいます。ただし、繰り越し控除を受けたい年は、毎年確定申告しなければならないので、忘れないようにしましょう。
法人化する
法人化することにより、投資関連の費用で経費計上できるものが増えます。例えば、株式投資のためのセミナーやパソコン費用などは個人では認められることが難しいですが、法人の場合は認められることがあります。
また、損失の繰り越し可能期間についても、個人事業主より長くなります。法人化を検討している方は、投資の節税メリットもぜひ活用するとよいでしょう。以下の記事では、個人事業主が法人化するタイミングについて解説しています。今後、法人化を検討している方はぜひご覧ください。
その他節税メリットの大きい投資
ここからは、個人事業主に特におすすめの節税効果の高い投資をご紹介します。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoとは私的年金制度の1つで、加入対象者は20歳以上65歳未満の公的年金の被保険者が該当します。自分の判断で掛金を拠出・積立し、運用を行うのが特徴で、運用実績により将来の受取額が左右されます。運用商品は投資信託などの「価格変動型」と定期預金や保険などの「元本保障型」があり、各々で選択をします。
このiDeCoですが、大きく分けて3つの節税メリットがあります。
1つは、掛金が全額所得控除の対象になることです。その年に捻出した掛金が、所得から全額控除されるため、支払う税金が減ります。そのため、たくさん掛けておけば、それに比例して節税効果も高まるというわけです。
2つ目は、運用益が非課税になることです。通常は、投資の利益に対し20.315%の課税がありますが、iDeCoであれば非課税なので、せっかく出た利益が目減りせずに済みます。
3つ目は、60歳以降の受取時の税金が少なくて済むことです。受取時には、受取方法を一括受取と年金受取から選べます。iDeCoで受け取る場合、一括であれば退職所得控除が、年金であれば公的年金等控除が適用されるため、通常よりも税金の負担が軽くなります。
このように、老後の資産形成と節税を兼ねることができる、優秀な投資と言えるでしょう。
以下の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
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不動産投資
不動産投資は、個人事業主が節税メリットを得やすい投資です。まず1つ目の節税メリットは、経費にできる項目が多いことです。
例として、以下のようなものが経費になります。
- 不動産管理費
- 修繕費
- 管理会社への委託料
- ローンの利息(不動産をローン購入している場合)
- 固定資産税など
- 損害保険料
- 減価償却費
特に減価償却費は、建物の劣化等による価値の減少に応じて計上するもので、毎年安定して一定の経費を落とすことができます。
そして2つ目のメリットは、他の所得と損益通算ができることです。不動産所得で赤字が出た場合、本業の所得から差し引くことができるので、不動産投資で損失が出ても節税となります。このように、節税メリットが多い不動産投資ですが、建物の管理や修繕など、手間や時間を取られるのも事実です。
それぞれの業務に費やす時間などを加味して、できるかどうかよく考えてから始めると良いでしょう。フリーランスの方で、さらにお得な情報に興味がある方は、以下の記事で給付金について解説していますのでご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?個人事業主にとっては、将来への資産形成も節税も、大切ですよね。今回紹介した例を参考に、効率よく節税しながら投資をしてみてはいかがでしょうか。
- 個人事業主だからこそ、節税と資産形成を兼ねて投資をするのがおすすめだよ!
- 確定申告は省略できることが多いけど、節税メリットを得るために確定申告をしたほうがいいよ!
- NISAやiDeCo、不動産投資など、節税メリットの高い投資の特徴を踏まえて自分に合った投資を選ぼうね!
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