インボイス制度によって、フリーランスエンジニアもさまざまな影響を受けると予想されます。制度の内容と考えられる影響をきちんと理解し、備えを進めておく必要があります。本記事では、インボイス制度によってフリーランスエンジニアが受ける影響と、具体的な対策について解説します。
- フリーランスエンジニアにとっても、インボイス制度はとても大きなことだよ。
- 仕事を得るためにも、フリーランスとして活動を続けるためにも理解をしておかないといけないよ!
- その理解を踏まえて、直接的に制度に関わること以外も準備を進めておこうね!
目次
インボイス制度への理解が重要
インボイス制度は、一見複雑にみえる制度であるため、つい後回しにしてしまいがちです。しかし、きちんと詳細を確認すれば、フリーランスとして把握しておくべきことを簡単に抑えることができます。以下では、インボイス制度の基本的な概要について分かりやすく解説します。
インボイス制度とはどんな制度か
インボイス制度とは、「適格請求書等保存方式」と呼ばれる、税制上の新しいルールです。企業は、他企業やフリーランスとの契約時に、仕入税額控除をするために帳簿の記録と請求書の保存を実施していました。しかし、インボイス制度が始まると、仕入税額控除のために、「適格請求書(インボイス)」の発行を受ける必要があります。従来の方法では仕入税額控除ができなくなる点が、インボイス制度における大きな変更点です。
フリーランスエンジニアにも影響がおよぶ
インボイス制度は、フリーランスエンジニアにも影響がおよぶと考えられています。インボイス制度の開始後は、働き方、契約内容、仕事の探し方などが変わる可能性があります。
インボイス制度に合わせて、基本的な仕事スタイルを見直す必要に迫られるケースも考慮されます。
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フリーランスエンジニアの特徴について
インボイス制度による影響を把握するには、フリーランスエンジニアの特徴をあらためて確認することも重要です。以下では、フリーランスエンジニアの特徴について解説します。
フリーランスエンジニアは需要の高い職業
フリーランスエンジニアは、幅広い業界で高い需要を誇る職業です。IT分野はもちろん、近年は多くの業界がIT技術を取り入れて、業務改善やDXによる発展を進めています。フリーランスエンジニアは各業界で専門スキルを活用し、企業や個人のニーズに応えられています。今後もフリーランスエンジニアは、さまざまな業務に携われると考えられるでしょう。
フリーランスエンジニアがインボイス制度によって受ける影響とは?
高い需要のあるフリーランスエンジニアですが、インボイス制度によって仕事に大きな影響を受けることが懸念されています。以下では、フリーランスエンジニアが、インボイス制度によって受ける影響について解説します。
適格請求書発行事業者になるか判断が迫られる
インボイス制度の開始後は、適格請求書発行事業者でなければ、仕入税額控除に必要な適格請求書を発行できません。適格請求書発行事業者は、消費税を納税している「課税事業者」として働いている人しかなることができない点がポイントです。消費税の納税を免除されている免税事業者は、インボイス制度に合わせて課税事業者になり、適格請求書発行事業者に登録するか判断する必要があります。
フリーランスエンジニアとしての報酬が減る可能性がある
インボイス制度を理由に、フリーランスエンジニアの報酬が減る可能性も懸念されています。適格請求書を発行できない場合、企業は消費税を控除できずに納税する必要が出てしまいます。その分の負担を、フリーランスエンジニアへの報酬を減らすことで、カバーする企業が出る可能性も想定されます。取引先次第では、契約の打ち切りを打診させるケースも考えられます。
適格請求書発行事業者になると業務負担が増える
適格請求書発行事業者になると、適格請求書を発行できるようになりますが、新たな業務負担が増える点がネックです。適格請求書の発行業務、消費税の納税業務など、従来は必要なかった作業がプラスされることは、フリーランスエンジニアにとってデメリットになるでしょう。
インボイス制度にはフリーランスエンジニアにとってのメリットもある?
インボイス制度はデメリットばかりの制度にみえますが、捉え方次第ではメリットもあります。以下では、インボイス制度が、フリーランスエンジニアに与えるメリットについて解説します。
インボイス制度をきっかけに契約内容を見直せる
インボイス制度は、現在の契約内容を見直すきっかけになる可能性があります。現在の契約内容に不満や問題がある場合には、インボイス制度を理由に変更を持ちかけてみることも考えられます。普段はなかなかできない交渉を持ちかけるチャンスになるため、インボイス制度を有効活用して契約を見直すことも1つの方法です。
フリーランスエンジニアはインボイス制度によって仕事がなくなる?
フリーランスエンジニアも、インボイス制度によって仕事がなくなると不安視されている職業の1つです。しかし、現時点の需要や評価を考慮すると、簡単に仕事がなくなることは考えづらいでしょう。以下では、フリーランスエンジニアの仕事が、今後もなくなりづらいと考えられる理由を紹介します。
エンジニア不足は深刻化している
エンジニア不足は多くの企業にとっての課題であるため、今後もフリーランスエンジニアは必要とされると想定されます。「IT 人材需給に関する調査」によると、2030年には最大で79万人ものエンジニアが不足すると試算されているため、今後も需要の高さが継続すると考えられます。
実績のあるフリーランスエンジニアは多くの企業で活躍できる
インボイス制度によって、エンジニア自身の価値は落ちません。そのため実績やスキルのあるエンジニアは、今後も問題なく仕事を請け負える可能性が高いです。
フリーランスとして働き始めたばかりのエンジニアも、積極的にスキルを身に付けてコツコツと実績を重ねることで、安定した収入につなげられる可能性はあります。
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インボイス制度に向けて準備すべきこと
フリーランスエンジニアは、インボイス制度に向けて準備すべきことがいくつかあります。以下を参考に、フリーランスエンジニアとして準備すべきポイントを確認してみてください。
免税事業者の場合、適格請求書発行事業者への登録を検討する
免税事業者のフリーランスエンジニアは、適格請求書発行事業者への登録を検討することが準備の一環になります。適格請求書を発行できれば、これまで通りの契約を続けられる可能性は高いです。しかし、先に解説した通り作業量が増える点は、事前に理解しておく必要があります。
取引先とインボイス制度に関する話し合いの時間をつくる
現在の取引先と、インボイス制度に関する話し合いの時間をつくることも重要です。取引先の対応方法を考慮して、適格請求書発行事業者になるか判断するのも1つの方法になります。
取引先もインボイス制度にどう対応すべきか思案している可能性もあるため、お互いに意見を出し合って最適な契約内容を構築し直すことも考えられます。
ほかのフリーランスエンジニアの動向をチェックする
ほかのフリーランスエンジニアの動向をチェックし、対応方法の参考にすることもポイントです。多くのフリーランスがインボイス制度への対応に悩んでいるため、相談し合える人をみつけるのも準備になり得ます。
インボイス制度後も安定してフリーランスエンジニアの仕事を獲得する方法
インボイス制度の開始後も安定して仕事を得るには、具体的な方法を考えておくことが重要です。以下では、フリーランスエンジニアがインボイス制度の開始後に、仕事を安定して獲得する方法を解説します。
フリーランスエンジニアとしてのスキルを高める
フリーランスエンジニアとしてのスキルが高く、ほかの人には任せられない業務を担当できれば、仕事が獲得しやすくなります。インボイス制度後も案件の獲得がスムーズにできるように、今からスキルアップに励むことが1つの方法です。
適格請求書の発行準備を進める
適格請求書発行事業者になるのなら、適格請求書の発行準備を進めておく必要があります。適格請求書を発行できることをアピールし、新規案件の獲得に活かすのもポイントです。
消費税を差し引いた報酬での契約も検討する
免税事業者のまま働く場合、消費税を差し引いた報酬での契約も検討することが考えられます。取引先と契約について相談し、ある程度譲歩することも、仕事を確保する1つの手法です。
まとめ
フリーランスエンジニアも、インボイス制度によって大きな影響を受ける職業の1つです。従来通りの働き方や契約方法では、仕事がスムーズに獲得できなくなる可能性も懸念されるでしょう。まずはインボイス制度の基本を確認し、その上でフリーランスエンジニアとしてできること、すべきことを考えてみると良いでしょう。
- フリーランスエンジニアにとっても、インボイス制度はとても大きなことだよ。
- 仕事を得るためにも、フリーランスとして活動を続けるためにも理解をしておかないといけないよ!
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