日本政策金融公庫の国民生活事業では、フリーランスを含む個人事業主も事業資金の融資を申し込めます。
創業前や開業後の個人事業主が、設備資金や運転資金を長期で借りたい場合に検討できる政策金融機関です。
ただし、申込には確定申告書や企業概要書などが必要で、融資が決まるまでの平均所要日数は2〜3週間です。
融資制度、金利、必要書類、審査で確認される内容、メリット・デメリットを順に紹介します。

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日本政策金融公庫とは?個人事業主も融資を受けられる
日本政策金融公庫には複数の事業があり、個人事業主や小規模事業者への事業資金融資は国民生活事業が担当しています。
日本政策金融公庫は国が全株式を持つ政策金融機関
日本政策金融公庫は、民間金融機関の金融を補い、個人事業主や中小企業などの資金調達を支援する政策金融機関です。
国が株式の100%を持ち続けることが法律で定められた株式会社であり、一般の民間会社とは位置づけが異なります。
フリーランスを含む個人事業主は国民生活事業へ申し込む
国民生活事業は小規模事業者への小口融資を中心に扱っており、1先あたりの平均融資残高は約800万円です。
法人化していないフリーランスでも、事業のために使う資金であれば申込対象になり得ます。
生活費や個人的な買い物ではなく、仕入代金、外注費、広告費、店舗や機器の購入費など、事業に必要な資金であることが前提です。
融資の基本から確認したい人は、下記の記事も参考になります。
個人事業主が利用できる日本政策金融公庫の主な融資制度
個人事業主が検討しやすい制度には、一般貸付、新規開業・スタートアップ支援資金、マル経融資があります。
対象者と資金の使いみちが異なるため、金利だけでなく利用条件も確認しましょう。
| 融資制度 | 主な対象 | 融資限度額 | 主な返済期間 | 金利・担保等 |
|---|---|---|---|---|
| 一般貸付 | 事業を営むほとんどの業種 | 運転資金・設備資金4,800万円、特定設備資金7,200万円 | 運転資金5年以内、設備資金10年以内 | 基準利率、担保・保証人は相談 |
| 新規開業・スタートアップ支援資金 | 新たに事業を始める方、事業開始後おおむね7年以内の方 | 7,200万円 | 運転資金10年以内、設備資金20年以内 | 基準利率または要件に応じた特別利率 |
| マル経融資 | 商工会議所等の経営指導を受け、推薦を受けた小規模事業者 | 2,000万円 | 10年以内 | 特別利率F、無担保・無保証人 |
上表の限度額まで必ず借りられるわけではなく、審査によって融資額が決まります。
一般貸付
一般貸付は、事業を営むほとんどの業種が対象となる融資制度です。
運転資金と設備資金の融資限度額はそれぞれ4,800万円で、特定設備資金は7,200万円までです。
運転資金の返済期間は5年以内で、特に必要な場合は7年以内、設備資金は10年以内に設定されています。
新規開業・スタートアップ支援資金
新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方と、事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。
創業前でも申し込めるため、開業後の実績がない個人事業主も検討できます。
融資限度額は7,200万円で、返済期間は運転資金が10年以内、設備資金が20年以内です。
事業計画を作り、計画を実行できると判断されることが条件となります。
マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
マル経融資は、商工会議所や商工会などの経営指導を受け、推薦を受けた小規模事業者が使える制度です。
融資限度額は2,000万円、返済期間は10年以内で、無担保・無保証人で申し込めます。
経営指導や推薦が必要なため、申込前に地域の商工会議所や商工会へ相談しましょう。
ほかの資金調達方法も並べて検討したい人は、下記の記事も参考になります。
日本政策金融公庫の融資を個人事業主が利用するメリット4つ
日本政策金融公庫のメリットは、金利の選択肢、無担保・無保証人の制度、長い返済期間、創業支援の4つです。
特別利率の対象なら金利負担を軽くできる
日本政策金融公庫には基準利率のほか、条件を満たす場合に適用される特別利率があります。
2026年7月1日時点では、無担保で税務申告を2期終えている場合の基準利率は年3.50〜5.20%で、特別利率は適用区分によって年2.10〜4.80%などです。
税務申告を2期終えていない場合の無担保融資は、基準利率が年3.45〜5.15%で、特別利率は年2.05〜4.75%などとなっています。
金利は金融情勢や融資制度、返済期間、担保の有無によって変わるため、申込時に最新情報を確認してください。
無担保・無保証人で申し込める制度がある
マル経融資など、担保も保証人も不要な制度があります。
一方で、一般貸付の担保と保証人は申込者の希望を聞いたうえで相談して決まるため、すべての融資が無担保・無保証人とは限りません。
利用条件を満たす制度を選び、担保と保証人の扱いを相談時に確認しましょう。
返済期間を長く設定できる
新規開業・スタートアップ支援資金では、運転資金を10年以内、設備資金を20年以内で返済できます。
返済期間を長くすると毎月の返済額を小さくできる一方、返済期間全体の利息は増える場合があります。
売上が少ない月も返済を続けられる金額か、返済シミュレーションで確認することが大切です。
創業前や事業実績が浅い段階でも相談できる
新規開業・スタートアップ支援資金は、開業前と事業開始後おおむね7年以内の方を対象としています。
決算や確定申告がまだない場合は、創業計画書に資金調達方法、収支見込み、取引先、取引条件などを記入して申し込みます。
オンラインや支店窓口で事前相談もできるため、必要書類や使える制度がわからない場合は申込前に相談できます。

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日本政策金融公庫の融資を個人事業主が利用するデメリット4つ
日本政策金融公庫のデメリットは、審査、所要日数、書類準備、融資額が希望どおりにならない可能性です。
審査では事業計画や返済能力を確認される
日本政策金融公庫の融資は、申し込めば必ず受けられるものではありません。
面談では資金の使いみちや事業計画を聞かれ、事業計画に関連する資料や資産・負債がわかる書類の提出を求められます。
売上見込みや返済計画の根拠を説明できない場合は、融資を受けられない可能性があります。
申込から融資決定まで平均2〜3週間かかる
日本政策金融公庫の公式FAQでは、申込から融資が決まるまでの平均所要日数は土日祝日を含めて2〜3週間程度です。
融資条件や支店の混雑状況によっては、さらに日数がかかる場合もあります。
契約手続きと口座への送金にも時間が必要なため、支払期日から逆算して早めに相談しましょう。
出典:日本政策金融公庫|個人・小規模企業の方のよくあるご質問
必要書類が多く準備に時間がかかる
初めて申し込む個人事業主は、確定申告書2期分、企業概要書または創業計画書、本人確認書類などを準備します。
設備資金では見積書、許可が必要な業種では許認可証も必要です。
書類に不足があると確認に時間がかかるため、申込前に公式ページの必要書類を確認してください。
希望額どおりに借りられるとは限らない
融資制度ごとに限度額はありますが、審査では事業規模、資金の使いみち、返済できる金額などが確認されます。
希望額より融資額が少なくなる場合や、融資を受けられない場合もあります。
借入希望額だけを決めるのではなく、必要な支出を見積もり、自己資金と借入金をどう配分するか決めておきましょう。
資金繰りを見直す方法も確認したい人は、下記の記事も参考になります。
日本政策金融公庫の融資に必要な書類
必要書類は、開業前か開業後か、初回申込か、設備資金を含むかによって異なります。
2026年7月時点の公式案内をもとに、個人事業主の主な必要書類を確認します。
開業済みの個人事業主が初回申込で用意する書類
開業後の個人事業主が国民生活事業を初めて使う場合、主に次の書類を用意します。
| 書類 | 準備するときの注意 |
|---|---|
| 企業概要書 | 事業を開始して間もない場合を除き、初回申込で用意 |
| 確定申告書2期分 | 青色申告決算書または収支内訳書を含む一式 |
| 本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカード表面、パスポートのいずれか |
| 送金先口座がわかる書類 | 預金通帳の表紙と見開き1ページ目など |
税務申告を1期だけ終えている場合は1期分を用意し、まだ税務申告を終えていない場合は確定申告書を提出する必要はありません。
これから創業する個人事業主が用意する書類
これから事業を始める場合や事業開始から間もない場合は、企業概要書ではなく創業計画書を用意します。
創業計画書には、創業の動機、経営者の経歴、商品やサービス、取引先、必要な資金と調達方法、事業の見通しなどを記入します。
収支見込みは希望だけで書かず、単価、販売件数、原価、固定費などの根拠を説明できるようにしましょう。
申込内容によって追加で必要になる書類
設備資金を申し込む場合は、購入する機器や工事などの見積書を用意します。
飲食店など許可や届出が必要な事業では、取得済みの許認可証も必要です。
面談時には、資産・負債がわかる書類、通帳、契約書、受注書など、事業計画の根拠になる追加資料を求められる場合があります。
必要書類は融資制度や申込内容によって変わるため、最新の一覧を公式ページで確認してください。
運転資金の融資を詳しく比較したい人は、下記の記事も参考になります。
日本政策金融公庫の融資審査で確認されるポイント
日本政策金融公庫は審査基準の点数や合否の境目を公開していません。
公式の手続き案内と創業計画書の項目から、面談までに説明を準備したい内容を確認します。
資金の使いみちと必要額が明確か
融資を申し込む際は、何にいくら使うのかを具体的に示します。
たとえば、仕入れ100万円、外注費50万円、広告費30万円など、支出ごとに金額を分けると必要額を説明しやすくなります。
設備資金は見積書と金額を合わせ、運転資金は何カ月分が必要かを計算しましょう。
売上や経費の根拠を説明できるか
売上見込みは、商品単価、販売数、契約済みの案件、過去の実績などに分けて説明します。
開業済みであれば、確定申告書、試算表、通帳の入出金、請求書などと計画の数字を合わせることが重要です。
経費も家賃、外注費、通信費などに分け、毎月いくら必要か計算してください。
既存借入を含めた返済計画に無理がないか
面談では資産と負債がわかる資料を用意するため、既存借入の残高や毎月の返済額も正確に伝えます。
新たな融資の返済額を加えても、毎月の売上から無理なく返済できるかを計算しましょう。
申告内容と通帳、借入状況の説明に食い違いが出ないよう、提出前に数字を確認してください。
返済後も事業を続けられる計画か
借入後は元金と利息の返済が始まるため、返済額を差し引いても事業を続けられる計画が必要です。
売上が計画を下回った場合や、入金が遅れた場合も返済できるかを試算しましょう。
借りられる上限ではなく、毎月返せる金額から借入額を決めることが重要です。
日本政策金融公庫へ申し込んでから入金されるまでの流れ
日本政策金融公庫への申込は、相談、書類準備、申込、面談と審査、契約、入金の順に進みます。
相談して融資制度を選ぶ
最初に、資金の使いみち、必要額、希望する入金時期をまとめます。
制度を選べない場合は、事業資金相談ダイヤル、支店窓口、オンライン相談を使えます。
創業前と開業後では使える制度や必要書類が異なるため、現在の事業状況を伝えましょう。
必要書類を準備して申し込む
国民生活事業のインターネット申込は24時間365日受け付けています。
確定申告書、企業概要書または創業計画書、本人確認書類などを電子データで用意して申し込みます。
入力内容と添付書類に違いがないか、送信前に確認してください。
面談と審査を受ける
申込後の面談では、資金の使いみちや事業計画について説明します。
事業計画の根拠になる資料と、資産・負債がわかる書類を求められることがあります。
面談はオンラインにも対応していますが、店舗や事業所の予定地を確認される場合もあります。
契約手続き後に指定口座へ入金される
融資が決まると、契約に必要な手続きが案内されます。
契約手続きの完了後、融資金が指定した金融機関の口座へ送金されます。
融資決定までの平均所要日数に加えて契約の時間も必要なため、支払期日が近い場合は別のつなぎ資金も準備しましょう。

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売掛金の入金と支払いのずれを確認したい人は、下記の記事も参考になります。
公庫の融資を待つ間のつなぎ資金にはファクタリング
日本政策金融公庫の融資は、中長期の設備資金や運転資金を確保したい場合に向いています。
一方、すでに請求書を発行していて入金待ちの場合は、ファクタリングで支払期日までの資金を補えることがあります。
融資とファクタリングの違い
融資は金融機関からお金を借りるため、返済と利息の支払いが必要です。
ファクタリングは、仕事を終えて発行した請求書を業者に売却し、取引先からの入金日より前に現金を受け取る方法です。
| 資金調達方法 | 取引の内容 | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 日本政策金融公庫の融資 | 事業資金を借りて返済する | 金利 | 設備資金や長期の運転資金 |
| ファクタリング | 入金前の請求書を売却する | 手数料 | 確定した請求書の入金待ち |
融資とファクタリングは費用の計算方法と使える場面が違うため、必要な期間に合わせて選びます。
金利と手数料の違いを詳しく確認したい人は、下記の記事も参考になります。
ファクタリングがつなぎ資金に向いている場面
ファクタリングは、公庫の融資を申し込んでいる間に外注費や仕入代金の支払期日が来る場合に検討できます。
借入ではないため、融資の代わりに長期間使い続けるより、確定した請求書の入金待ちを補う短期間の使い方に向いています。
請求書の金額から手数料が引かれるので、受取額を計算し、必要な支払いをまかなえるか確認しましょう。
ペイトナーなら最短10分で審査が完了する
ペイトナーのファクタリングは、最短10分で審査が完了し、請求書の入金日より前に資金を受け取れます。
手数料は一律10%で、利用可能額は1万円から、初回は50万円までです。
土日祝日にも対応し、初回は本人確認書類、請求書、入出金明細の3点で申し込めます。
公庫の融資で中長期の資金を準備しながら、目の前の入金待ちだけをファクタリングで補う使い分けができます。
売掛金を早く現金にする方法を比較したい人は、下記の記事も参考になります。
まとめ
日本政策金融公庫は、個人事業主が創業資金、設備資金、運転資金を長期で借りたい場合に検討できる政策金融機関です。
制度ごとに対象者、金利、返済期間、担保と保証人の扱いが異なるため、自分の事業状況に合う制度を選びましょう。
申込から融資決定まで平均2〜3週間かかり、契約後に入金されるため、確定申告書や事業計画などを早めに準備することが重要です。
融資の入金前に支払期日が来る場合は、入金待ちの請求書だけをファクタリングで現金にする方法も検討できます。

- 個人事業主も日本政策金融公庫の国民生活事業へ融資を申し込めるよ
- 必要書類と2〜3週間の所要日数を見込んで早めに準備しよう
- 入金待ちの請求書があるなら、ペイトナーのファクタリングで短期間だけ補えるよ
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