個人事業主がアルバイトをしたら年末調整が必要?書き方や注意点、必要な対応方法を解説

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個人事業主として開業をしても、事業が軌道に乗るまでアルバイトで生計を立てる人も多いです。個人事業主でありながらアルバイトもする場合、年末調整や確定申告書の詳細について調べておく必要があります。

本記事では個人事業主がアルバイトをする場合の年末調整の詳細や、確定申告の必要性・書き方などを解説します。

やっぷん
  • 個人事業主がアルバイトをする際には、年末調整や確定申告について、理解しておく必要があるよ!
  • 自分が確定申告、年末調整が必要なのかと、そのやり方について確認してみることが大事だよ!

年末調整の概要

個人事業主がアルバイトをする際には、年末調整についての把握がポイントです。以下では、年末調整の基本を解説します。

年末調整とは「所得税を精算する手続き」のこと

年末調整とは、年間に支払った所得税を精算し、過不足金額を確定させる手続きのことを指します。給与所得を得ている場合、毎月の給与から所得税が「源泉徴収」として徴収されています。しかし、この金額はあくまで概算になるため、給与の金額や家族構成の変更などによって実際の支払額は変動します。

そのため年末調整を実施し、具体的な所得税の金額を確定させる必要があります。以下の記事では、アルバイトをしていない個人事業主でも年末調整が必要かについて解説しています。ぜひご覧ください。

本業ではないアルバイト先では年末調整が受けられない可能性がある

個人事業が本業で、アルバイト先が副業(本業でない)場合には、年間の所得税を計算する「扶養控除申告書」の提出ができません。その場合、給与所得における所得税額が「乙欄」に分類されて計算されます。

乙欄に分類された場合には年末調整を受けられないため、個人事業主は確定申告で所得税を計算・納付する必要があります。自分の本業が個人事業なのかアルバイトなのかを収入の多さなどから確認し、事前に備えるのがポイントです。

個人事業主の定義

そもそも「個人事業主」とは、どのように定義すべきなのでしょうか。これから個人事業主を目指す人や個人事業を始めたばかりの人は、その定義についても合わせて確認がおすすめです。

個人事業主とは開業届を出して個人で事業を営んでいる人

個人事業主とは、会社を設立せずに税務上の区分として「個人で事業を営んでいる人」を指す言葉です。基本的に事業を始めて1か月以内に税務署に開業届を提出し、個人事業主として仕事をします。

一方で、特定の企業と雇用関係を持たずに独立して働くスタイルは、「フリーランス」と呼称します。個人事業主とフリーランスの違いを確認し、今後の働き方を考えていくのも重要です。

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個人事業主がアルバイトをしている場合に必要な対応

個人事業主がアルバイトをしている場合、いくつかの対応が必要になります。以下では、アルバイトをしている個人事業主に求められる対応について解説します。

年末調整が受けられるか確認する

個人事業主がアルバイトをしている場合、まず職場で年末調整を受けられるか確認します。アルバイトが本業となっている場合には、年末調整で所得税の精算が可能です。年末調整を受けられない場合には、先にも解説したように自分自身で確定申告をして所得税を納めます。

アルバイトの所得の種類を確認する

年末調整を受けられず確定申告をする場合、アルバイトの所得における種類の確認が必要です。例えばアパート経営などの収入は不動産所得、商品の販売やサービスの提供で得た収入は事業所得に分類されます。事業内容を元に所得の種類を確認し、分類を行います。分類方法が分からない場合には、税務署などで確認することも検討されます。

個人事業とアルバイト所得の合計を計算する

個人事業の収入と、アルバイトの給与収入をそれぞれ計算します。事業所得は、「収入 ー 経費 ー 控除」の計算式で求められます。該当する経費や控除の種類・金額は、個人事業主ごとに変わります。

給与所得は「給与収入-給与所得控除額」で計算し、年間の収入に応じて概算額で給与所得控除額を確認する給与所得ごとの給与所得控除額は、以下の数値になっています。

給与所得ごとの給与所得控除額
給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額
給与所得控除額
1,625,000円まで550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)

引用元:国税.給与所得控除

個人事業主がアルバイトをしている際に確定申告が必要なケース

個人事業主がアルバイトをしている際には、確定申告が必要になるケースもあります。以下では、確定申告する条件について解説します。

個人事業で一定以上の収入がある場合には確定申告が必要

個人事業主として年間の所得が48万円以上ある場合には、確定申告が必要です。一方で、基礎控除(48万円)に加えて医療費控除や社会保険料控除によって所得が0以下になるケースに関しては、確定申告は不要となります。

また、副業で個人事業をしている場合、20万円以下であれば確定申告は原則不要です。

アルバイト先で年末調整がされていない場合も確定申告をする

個人事業が48万円以下、もしくは副業で20万円以下の場合でも、アルバイト先で年末調整が実施されないのなら、確定申告をすると良いでしょう。自分で所得を計算し確定申告をすることで、多く納めた所得税の還付を受けられる可能性があります。

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アルバイトをしている個人事業主が確定申告をするメリットは?

アルバイトをしている個人事業主が確定申告をすることには、いくつかのメリットがあります。以下では、確定申告によって得られるメリットを解説します。

払いすぎた所得税の還付を受けられる

先に解説した通り、確定申告によってアルバイト先の源泉徴収で払いすぎた所得税の還付を受けられます。還付金も大切なお金になるため、ぜひ確定申告をしておきましょう。個人事業主は将来的に確定申告をすることになる可能性が高いため、早めに手順に慣れておくのも重要です。

個人事業のマイナス分を相殺できる

個人で行っている事業所得がマイナスになった場合も、確定申告がおすすめです。確定申告をすることで事業所得のマイナスと給与所得から発生する所得税を相殺し、最終的な所得の金額を減額できます。

結果的に所得税の節税になるため、事業所得がマイナスのときには確定申告で負担軽減につなげるのがポイントです。

アルバイトをしている個人事業主が確定申告をする手順

アルバイトをしている個人事業主が確定申告をする場合、基本となる手順の理解が必要です。以下の内容を参考に、確定申告の流れを確認してみてください。

確定申告の手順①源泉徴収票を確保する

アルバイトをしている個人事業主は、まずアルバイト先から源泉徴収票をもらいます。2019年以降、確定申告で源泉徴収票の提出は必要なくなりましたが、正確な給与所得の数値を把握するのに役立ちます。

確定申告の手順②収入金額や控除額を記載する

確定申告書に、収入金額や控除額などを記載します。白色申告の場合には収支内訳書に、青色申告の場合には青色申告決済書を使って確定申告を行います。青色申告をする場合、事前に税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

確定申告の手順③納める所得税を計算して納税する

事業所得と給与所得の合計を計算し、所得金額の合計から課税所得を割り出します。課税所得は収入が多くなるほど税率が高くなるため、詳細を確認しておく必要があります。

所得税の税率は、以下の数値になっています。

所得税の税率
課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

引用元:国税庁.所得税の税率

個人事業主がアルバイトをする際の注意点

個人事業主がアルバイトをする際には、いくつかの注意点があります。以下を参考に、アルバイト時に注意すべきポイントを把握しておきましょう。

複数のアルバイトをしている場合は1つの企業で年末調整をする

個人事業主として働きつつ複数のアルバイトをしている場合、年末調整は主な収入源となっている1つの企業で実施します。基本的に最も多く収入を得ているアルバイト先に、年末調整をしてもらいます。全てのアルバイト先で年末調整をする必要はないため、1つに絞り込むことが重要です。

控除の詳細を確認しておく

個人事業主が確定申告をする場合、さまざまな控除によって所得税を節税できます。しかし、控除の内容は変更になるケースもあるため、毎年詳細を確認するのがポイントです。

例えば2020年には、青色申告特別控除額が65万円から55万円に下げられました。電子申告か電子帳簿保存をすることで、従来通り65万円の控除が受けられますが、このように制度が変わるケースもあるため確定申告の際には最新情報をチェックしておきましょう。

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まとめ

個人事業主がアルバイトをして生計を立てる際には、年末調整や確定申告についての理解が必要です。必要な対応方法を確認し、申告漏れなどの問題が起きないように備えましょう。まずは年末調整と確定申告の基本と、どのようなケースで各申告が必要になるのか確認してみてください。

やっぷん
  • 個人事業主がアルバイトをする際には、年末調整や確定申告について、理解しておく必要があるよ!
  • 自分が確定申告、年末調整が必要なのかと、そのやり方について確認してみることが大事だよ!
監修者プロフィール

ペイトナー執行役員 邨山毅

立教大学経済学部卒。投資会社にて内部統制・米国新興事業の国内展開に従事。その後VOD運営会社にて経営戦略・機械学習・調達戦略領域の経験を経て、ペイトナー株式会社に入社。執行役員ファクタリング事業本部長として、ファイナンスサービスの運営及びフリーランスの与信構築全般を所掌している。

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