フリーランスとして活動していると、保険料の高さに悩まされることも多いです。会社員時代と比較して保険料の支払額が上がるケースが珍しくないため、生活の負担になることもあるでしょう。本記事ではフリーランスが加入できる保険の種類や、保険料を安くする方法などを解説します。
- フリーランスは会社員と違って、国民健康保険に加入するよ!
- ただし、会社員時代の保険は2年までの任意継続で、被用者保険には加入できないから注意!
- 社会保険料も控除の対象になるから、確定申告でしっかり対応しよう!
目次
フリーランスが加入する保険について
フリーランスになった場合、会社員時代とは異なる保険に加入することになります。保険料などが変わるため、事前に確認が必要です。以下では、フリーランスが加入する保険の詳細を解説します。
国民健康保険
国民健康保険とは、フリーランスや個人事業主が加入する健康保険です。病院などで支払う負担額が軽減されるなど、健康保険としての基本的なメリットがあります。個人で事業をしている人など会社員ではない人は、国民健康保険に加入する義務があります。
国民年金保険
国民年金保険も、年金を受給するためにフリーランスや個人事業主が加入する保険の1種です。会社員が加入する厚生年金と比較して、将来もらえる年金額が低くなりやすいのが特徴であり注意点です。そのためほかの保険と組み合わせて、将来もらえる年金額を増やす工夫をするフリーランスも多いです。
40歳以降は介護保険への加入も必要
介護保険は、40歳以上の国民に加入義務のある保険です。要介護者を支援する保険であり、自身に介護が必要になった場合の財源にもなるのが特徴です。介護保険料は国民健康保険と一緒に収めるため、40歳以上になった段階から支払いが開始されます。65歳以上の場合、受給している年金から介護保険料が引かれます。
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フリーランスが対象外となる保険一覧
フリーランスとして働く場合、加入が叶わない保険もいくつかあります。事前に加入できない保険の詳細を確認し、対応方法を検討する必要があるでしょう。以下を参考に、フリーランスが加入できない保険の種類も把握してみてください。
被用者保険
被用者保険は、法人、国、自治体などに雇用されている従業員やその扶養家族が加入できる健康保険です。組合管掌健康保険、全国健康保険協会などの種類があり、保険料は雇用側と折半して支払います。一方で、フリーランスの保険は原則として、全額が自己負担となります。そのため保険料の負担が大きくなりやすく、生活を圧迫する原因にもなり得ます。
国民健康保険の計算方法は?
国民健康保険の費目は居住している地域によって異なるため、各自治体のホームページなどで確認することが確実です。一般的には、医療分、後期高齢者支援金分、介護分の費用を合計した金額を支払います。所得割、均等割、平等割といった費目で計算され、基本的に所得が多くなるほど負担も増えます。ですが、自身で計算しなくとも国民健康保険の支払い通知書が届くため、いくら納付すべきかは簡単に分かります。
フリーランスが支払うべき国民年金の費用は?
国民年金の支払額は、収入等に左右されず一律で決まります。例えば令和4年は、月額16,590円で一律となっていました。2023年2月時点では、令和5年が月額16,520円、令和6年が月額16,980円まで決定しています。
国民年金は所得によって変動しない分、収入が少ない時期でも同じ負担がかかります。フリーランスは収入に大きな差が出ることもあるため、一律の保険料が負担になるケースもあります。
フリーランスが国民健康保険に加入しない代替策
フリーランスは、一時的に国民健康保険に加入しないで生活する方法もあります。国民健康保険の保険料が高い場合には、以下の方法を参考に対策してみてください。
会社員時代の保険を任意継続する
任意継続とは、会社員のときに加入していた健康保険に継続して加入できる制度です。そのまま各種保険を活用できるため、フリーランスになってからも変わらずに制度の恩恵を受けられます。しかし、任意継続の加入期間は退職してから2年間のみとなります。また、従来のように会社と折半して保険料を払えなくなるため、支払額がより高くなるケースもあります。事前に保険料を計算して、損をしないように備えるのがポイントです。
フリーランスの保険料を安く抑える方法
フリーランスが自身の保険料を安く抑えるには、いくつかの方法があります。具体的な方法について知ることで、保険料の節約につなげられます。
以下では、フリーランスが保険料を安くするための方法について解説します。
配偶者の扶養に入る
フリーランスは配偶者の被扶養者になることで、企業の保険に加入できます。保険料の支払いが必要なくなるため、個人の生活にかかる負担を大きく減らせる点がメリットです。
しかし、年間の収入が130万円以下などの条件があるほか、加入先の保険組合の判断次第では加入できない可能性もあります。配偶者が加入している保険組合に相談し、フリーランスが扶養に入れるか確認しておく必要があるでしょう。
国民健康保険組合に加入する
国民健康保険組合とは、特定の条件を満たす人だけが入れる保険制度です。芸術系の仕事や飲食業のフリーランスなどは、国民健康保険組合に加入できるケースが多いです。国民健康保険組合の保険料は一律となるため、収入が多いフリーランスほど保険料が安くなります。仕事が安定して収入が増えてきたら、加入を検討するのもおすすめです。
保険料の安い自治体で暮らす
保険料は、自治体によって大きな差があります。年間20万円ほどの差が出ることもあるため、保険料の安い自治体に引っ越すことも1つの対策になるでしょう。フリーランスの業務内容によっては、リモートワークなどで場所を選ばずに働けるため、住む場所を選びやすいです。保険料の安さを1つの目安にして、住む場所を決められるのはフリーランスの特権です。
フリーランスは民間の保険にも加入するべき?
フリーランスになる場合、民間の保険に加入することも検討されます。民間保険には、健康保険や年金保険ではカバーしきれない部分を補助する役割があるため、加入によって生活に安心感を得られます。以下では、民間保険の詳細について解説します。
フリーランスならではのリスクを補償してくれる保険がある
民間保険のなかには、フリーランス特有のリスクに対して補償してくれるものもあります。例えばフリーランスのミスによって企業に損害が生じ、賠償請求をされた場合に補償してくれる保険などが利用できます。万が一のことを考慮して、リスクをカバーできる保険に入ることは検討されるでしょう。
フリーランスが保険に加入する際の注意点
フリーランスが保険に加入する際には、注意すべき点がいくつかあります。後に損をしないように、保険に関する注意点をしっかりと把握しておいてください。
確定申告でしっかりと経費や控除を申請する
フリーランスの加入する保険は、収入によって金額が変わります。そのため確定申告で経費や控除を正しく申請して、所得を抑えることで保険料を安くできます。確定申告の際には申請漏れなどがないように、十分な注意が必要です。
社会保険料も控除対象になることを忘れない
フリーランスが支払った国民健康保険や国民年金保険は、社会保険料控除の対象になります。全額が控除対象になるため、申請することで所得を抑えられます。国民健康保険や国民年金保険に加入しているのなら、控除に活用すると良いでしょう。また、フリーランスが配偶者や子どもの社会保険料を支払っている場合、その全額も控除対象になります。
まとめ
フリーランスになる際には、加入する保険制度が大きく変わります。保険料が変動したり、手続きが必要になったりするため、事前に詳細を確認しておくと良いでしょう。同時に保険料を安く抑える方法を知ることが、今後の生活に大きな影響を与えます。フリーランスに対して保険料に関する特別な指導・アドバイスをしてくれるケースは少ないため、自分自身で保険料の支払いや節約をしなければなりません。この機会に保険料の基本を把握し、損をしないための方法を確認してみてください。
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