フリーランスとして働きながら、保育園に子どもを預けたいと考える方はいらっしゃいませんか？柔軟な働き方ができるフリーランスは、その特性上、保育園は利用しにくいとされています。この記事をご覧の方でも「フリーランスじゃ保育園を利用できないのでは」と不安を感じている方がいらっしゃるかもしれません。本記事では、フリーランスが保育園に入るためのポイントを解説します。必要書類や、申し込みの流れなども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- フリーランスが保育園を利用する場合は「就労証明書」が必要だよ！
- 申し込み準備をする時は、まず自分がどんなスケジュールで仕事をしているか明確にするのが大切！
- 自治体によって手続きの流れは異なるので、最寄りの保育課で相談しよう
目次
フリーランスは保育園に入れない？
昨今では、フリーランスとして働く方が増えています。時間に融通が利くので子育てがしやすいと考えて、フリーランスになる方もいるようです。しかし、フリーランスとして働いている場合、保育園が利用しにくくなるとされています。会社員と同じ、もしくはそれ以上に忙しいフリーランスでも、場合によっては審査が通らない可能性があります。フリーランスは保育園を利用できるのか、また利用しにくいのはなぜなのかを、以下で解説します。
フリーランスでも子どもを保育園に預けるのは可能
フリーランスでも、子どもを保育園に預けることは可能です。実際、フリーランスで保育園を利用している方はいます。ただし、フリーランスは会社員やバイト・パートと比べると、保育園を利用しにくいとされています。では、なぜフリーランスだと子どもを保育園に入れにくいのでしょうか？以下では、フリーランスが保育園を利用しにくい理由を解説します。
フリーランスが保育園を利用しにくい理由
フリーランスが保育園を利用しにくいのは、勤務時間が明確でないからです。会社員やバイト・パートの場合、何時から何時まで勤務しているかが明確に分かります。しかし、フリーランスの場合は基本的にシフトや出勤時間がないので、勤務時間が分かりません。1日何時間働いているのか、また何時から何時まで働いているのかが分からないので「自分で子どもを見られるのではないか」と思われてしまいます。自由な働き方だからこそ、時間に融通が利くと思われて、保育園を利用しにくくなっているのです。
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フリーランスが保育園を利用するために必要な書類
フリーランスが保育園を利用するためには、手続きに必要な書類のほかに、勤務実態を示す書類も必要です。具体的には、以下のような書類が必要になります。
- 就労証明書
- 開業届
- 業務に関する契約書
- 確定申告と所得税納税に関する書類
- 事業の実態が把握できる書類
上記のように、事業の実態を証明できる書類があると、保育園を利用できます。保育園を利用するために必要な書類について、以下でそれぞれ解説します。
就労証明書
就労証明書とは、就労の状況を証明するための書類です。一般的には「誰が・どんな法人に・どのような契約で雇われているのか」といった内容を記載します。ただし、フリーランスの場合は雇用契約を結んでいないので、自分で作成します。自分自身の勤務実態を精査したうえで、どこでどんな事業を営んでいるかを記載しましょう。
開業届
開業届は、個人事業をスタートしたら1か月以内に提出する書類です。保育園を利用する際は、まず事業を行っていることを示す必要があるので、開業届を提出します。開業届には「誰が・どこで・どんな事業を開始するのか」といった内容を記載するのが一般的です。もし、保育園の利用を検討されている方で、開業届を提出していない場合は、早めに提出しておきましょう。
業務に関する契約書
業務に関する契約書があると、事業の実態を証明しやすくなります。業務委託契約の契約書などがあれば、それを提出するとよいでしょう。ただし、業務委託契約を結んでおらず、契約書がない場合もあるかと思います。契約書が特にない場合は、別の書類を用意して、事業の実態を示しやすくしましょう。
確定申告と所得税納税に関する書類
確定申告書があれば、事前に用意しておきましょう。収入の状況が分かるものがあると、審査がしやすくなるためです。また、所得税納税に関する書類もあれば、そちらも用意してください。所得税の納税額が分かると、おおよその所得が把握できるため、審査するうえでの判断材料になります。
事業の実態が把握できる書類
そのほかにも、事業の実態が証明できる書類があれば、そちらも用意しておきましょう。フリーランスが保育園を利用する場合、必要となる書類は自治体によって異なります。担当者との話し合いで、提出する書類を決める場合もあるでしょう。「保育園を利用しなくてはならない状況である」と伝えるためには、事業の実態を詳細に伝える必要があります。担当者に保育園利用の必要性がしっかりと伝わるように、できる限り多くの書類を用意しておくのがおすすめです。
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就労証明書を作成する際のポイント
フリーランスが保育園を利用する場合、基本的には就労証明書を用意します。就労証明書は、事業の実態を証明するために重要で、審査の合否に大きく影響する書類です。作成にあたっては、以下の内容を参考にしながら、慎重に作業を進めましょう。
作成は自分で行ってOK！
フリーランスの場合、就労証明書は自分で作成します。就労証明書は、会社の労務や人事に作成を依頼するのが一般的です。しかし、フリーランスは会社に属している訳ではないので、自分で作成するしかありません。自分で作成する場合、第三者が作成した場合と比べて客観性がない書類になりがちなので、注意しましょう。
普段の勤務時間を正確に管理しておく
就労証明書の作成にあたっては、まず普段の勤務時間を正確に管理する必要があります。勤務時間が分からないと、本当に子どもを見る時間がないのか判断できないためです。毎日バラバラの時間で仕事をしている方でも、毎日どのくらい仕事をしているかは把握しましょう。また、勤務時間の記入をしやすいように、ルーティーンを作っていくのもおすすめです。会社員のように、曜日ごとで仕事をしている時間が明記できるとよいでしょう。
勤務時間がバラバラな場合は？
勤務時間がバラバラな場合は、まず就労証明書に「変則就労」といった欄がないかを確認しましょう。就労証明書のフォーマットによっては、変則的な働き方をしている人のために、別途欄を設けている場合があります。もし、変則就労のような欄がなければ、曜日ごとの就労時間を記載してください。就労時間に関しては、自治体が保育時間の認定を出すのに使用します。あまりに短く出すと「短時間認定」が出るので、確実にお迎えに行ける形で記入するのがよいでしょう。「短時間認定」や「標準時間認定」については、後半の項目で解説します。
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保育園に申し込む際の流れ
フリーランスが保育園に申し込む際には、以下のような流れで手続きを進めます。
- 保育園の見学をする
- 自治体の保育課に相談する
- 提出書類を準備する
- 申し込み書類を提出する
- 入園可否が郵送される
上記のように、保育園を利用する際には、事前の見学や相談が必要です。事前準備も含めると、おおよそ半年から1年程度はかかると考えておくとよいでしょう。保育園に申し込む際の流れについて、以下で詳しく解説します。
保育園の見学をする
まずは、通える範囲にある保育園を検索していきます。第一希望の保育園に通えるかは分からないので、できる限りたくさんの保育園へ見学へ行き、候補を増やしておきましょう。一般的に、保育園の見学は3件前後はしておくべきとされています。しかし、フリーランスの場合は審査が厳しいことも考慮し、5件前後は見学するのがベストです。保育園の見学をする際は、以下のようなポイントに注意してください。
- 必ず子どもと一緒に行く
- 服装はスーツでなくてよいが、カジュアルすぎるものは避ける
- スリッパ・メモ帳・筆記用具は忘れずに持参する
また、以下のような点を質問しておくのがおすすめです。
- 預かり時間や、延長保育の料金について確認する
- お昼寝時の呼吸確認や、セキュリティ対策、お散歩の内容についても確認する
- 子どもにアレルギーがあれば、対応しているか質問する
- 保育士の人手不足感がないか見る
（例：1〜2歳児は子ども概ね6人につき保育士1人以が必要） - 立地条件を確認し、毎日通うのに問題がないか考える
- 周辺の道路や駐車場の状況などを確認しておく
- 先生の雰囲気や、衛生状況、教室の広さなどを確認する
- フリーランスでも大丈夫か聞いておく
上記のように、見学をする際はさまざまなチェックポイントがあります。特に、お昼寝時の呼吸確認やセキュリティ対策、アレルギー対応などは大切なポイントです。また、昨今では保育士の人手不足が深刻化しており、最低限の人数でシフトを組んでいる保育園も珍しくありません。人手不足感の強い保育園は、事故も起きやすいので、避けたほうがよいでしょう。
自治体の保育課に相談する
保育園の見学と同時並行で、自治体の保育課へ相談に行きましょう。フリーランスでも保育園を利用できるか、利用できるとしたらどんな書類が必要かなど、事前に質問してください。
フリーランスの受付状況については、自治体によって異なります。手続き方法や必要書類に関しても、自治体によって異なるので、早めの相談が大切です。
提出書類を準備する
自治体の募集要項が発表されたら、指定された提出書類を準備しましょう。フリーランスの場合は、別途書類が必要になる可能性もあるので、保育課からの指示も聞いておくようにしてください。提出書類には、勤務時間や事業の実態について詳しく記載する必要があります。状況が把握できておらず、記入に時間を要する場合もあると思うので、早めに準備しておくのがおすすめです。
なお、書類提出はおおよそ10〜11月頃となっています。特に就労証明書の作成準備をする際は、8月頃から準備を進めておくとよいでしょう。
申し込み書類を提出する
申し込み時期がきたら、準備した書類を提出します。提出時期は自治体によって異なりますが、利用したい年の前年10〜11月頃が目安です。
認可保育園の場合は、自治体の保育課へ提出、もしくは郵送します。不備が見つかっても再提出できるように、余裕をもって提出するようにしましょう。
入園可否が郵送される
書類を提出してしばらくすると、入園可否が郵送されます。入園可否が郵送されるのは、おおよそ1〜2月頃です。保育園の内定が出た場合には、早急に入園準備を進めましょう。もし保不承諾通知が送られてきてしまった場合には、後述する形で対応を進めてください。
保育園に入れた場合は？
保育園に入れた場合は、入園準備を進めましょう。まず、内定した保育園へ連絡して、入園のための手続きについて確認してください。入園するにあたっては、書類提出はもちろん、事前面談や健康診断などさまざまな準備が必要になります。
準備が滞りなく進むように、内定が出たら早めに連絡しましょう。また、必要があれば取引先への連絡も行います。特に、企業常駐で働いている方であれば、勤務時間の調整が必要になる場合もあるので、早急に連絡してください。
保育園に入れなかった場合は？
保育園に入れなかった場合は、以下のような対応を行います。
- 二次募集に応募する
- 無認可保育園で入れる場所がないか検討する
- ベビーシッターや保育所を活用する
- 仕事を調整する
上記のように、認可外の保育園を検討したり、仕事自体を調整したりする必要があるでしょう。必ず保育サービスが利用できるとは限らないので、仕事の調整もできるように準備しておくと、余裕を持って対応できます。
フリーランスが保育園を利用するための対策ポイント
前述の通り、フリーランスは保育園を利用しにくいのが現状です。保育園利用にあたっては、バイトやパートの方以上にさまざまな対策が必要になります。以下の項目では、フリーランスが保育園を利用するための対策ポイントを5つご紹介するので、参考にしてください。
就労の実態を明確にしておく
保育園審査に通るためには、就労の実態を詳しく伝える必要があります。就労証明書に事業の状況を細かく記載するために、就労の実態を明確に記録しておきましょう。具体的には、以下のような対策を行うのがおすすめです。
- 1日のスケジュールをカレンダーアプリに登録する
- 曜日ごとのスケジュールを作成する
- 日々のタスクに、それぞれどのくらい時間をかけているか把握する
- 現在の取引先状況や、事業内容などを洗い出しておく
上記のような対策をしておくと、就労証明書をスムーズに作成できます。忙しいフリーランスほど、タスク管理を感覚的に行ってしまいがちです。まずは日々の就労状況を見える化して、自分がどのような形で事業を進めているのか把握しましょう。
0歳児から預ける
保育園の倍率が高い地域であれば、0歳児から預けるのもおすすめです。保育園は、親の育休が終わる1歳頃〜2歳頃の倍率がとても高くなります。0歳児の場合は、1〜2歳児よりは倍率が低く、入園しやすいのです。もし継続して保育園を利用したいのであれば、0歳児からの利用を検討するのもよいでしょう。
ただし、0歳児の場合は免疫力が低く、病気にかかりやすいリスクがあります。集団生活をさせれば、その分リスクは高まり、急な体調不良が増えるかもしれません。子どもが熱を出して、急遽お迎えに行かなければならないケースも少なくないので、仕事には余裕を持たせておく必要があります。入園のしやすさや、病気感染のリスクなどを総合的に考えたうえで、利用を検討しましょう。
企業常駐の案件を受ける
企業常駐の案件を受けると、就労証明書を作成しやすくなります。「企業常駐」とは、名称の通り企業に出社して勤務する形態の契約です。請負契約や準委任契約といった形で、取引先に常駐して働きます。企業常駐で働くケースが多いのは、エンジニアでしょう。
また、ライターやデザイナーも常駐型で働くケースが少なくありません。出退勤の移動時間が発生する点や、時間の融通が利かなくなるといったデメリットはあります。しかし、通常のフリーランスに比べれば事業の実態を明確にしやすく、審査も有利に進めやすいでしょう。
保育課の担当者と複数回相談しておく
保育課の担当者としっかり相談を重ねるのも、フリーランスが保育園を利用するためには大切です。自治体によっては、フリーランスの保育園利用に関して、あまり理解が進んでいないケースもあります。
場合によっては、対応方法があまり定まっていないこともあるでしょう。そのため、フリーランスとして保育園利用をしたい旨を伝え、どのように手続きを進めるべきか相談を重ねてください。何回も相談したからと言って、審査で優遇される訳ではありません。しかし、より良い状態で審査を受けるために、保育課の担当者と面談しておくのは非常に大切なのです。
利用する保育園の種類を確認する
保育園には、さまざまな種類があります。保育園の種類によって、保育の内容や利用のしやすさが異なるので、事前にチェックしておきましょう。
- 認可保育園：国が定めた基準を満たして、都道府県から認可を受けている
- 認可外保育園：認可よりも基準が緩やか。保育料は認可よりも高いケースが多い
認可保育園は、国の基準を満たしているため安心して預けられるのが特徴です。保育料も認可外より安いケースが多く、利用しやすいでしょう。ただし、認可保育園は人気が高く、入れないケースが多くあります。認可外保育園は、基準が緩やかなため、園ごとにさまざまなサービスを行っています。夜遅くまでの預かりや、一時預かりなどに対応しているケースも多いので、忙しい方にはぴったりです。
ただし、認可外の場合は保育料が高いケースが多くあります。基準が緩やかな分、当たり外れが大きい場合もあるため、利用に際しては事前の見学が必須です。昨今では、東京都独自の基準で作られた「認証保育園」のように、都道府県独自の基準で作られた保育園も増えています。さまざまな選択肢があるので、ご自身の状況に合わせて最適な園を探してみましょう。
フリーランスが保育園を利用する際によくある疑問
保育園審査の「点数」って何？
保育園審査における「点数」とは、家庭の就労状況や収入などを数値化したものです。正式には「指数」と呼ばれ、認可保育園の入園可否を判断するために使用されます。
点数の算出方法は自治体によって異なるので、注意が必要です。加点になる条件も異なるので、まずは自治体のホームページで基準を確認しましょう。「地名 + 保育園 + 指数」や「地名 + 保育園 + 調整基準」などと検索をすると、自治体ごとの点数基準を確認できます。
保育料は経費として計上できる？
保育園を利用するための「保育料」は、経費として計上できません。経費とは、事業に関する支出を指すものです。保育料の支払いは、事業と直接的には関係しないので、経費として計上することはできないとされています。ただし、節税対策をしっかりと行うことで、保育料を抑えることはできます。
保育料は「区市町村民税の所得割（住民税）」から算出されます。節税対策をして住民税額を抑えれば、保育料も低くなるのです。もし保育料を安くしたいと考えている場合は、節税対策をしっかりと行うようにしましょう。
フリーランスとして独立しても保育園は継続利用できる？
会社員の方がフリーランスとして独立した場合でも、保育園は継続利用できます。ただし、場合によっては利用条件から外れる可能性があるので、注意が必要です。保育園の多くは、「親の就労時間の長さ」を利用基準としています。
フリーランスとして独立して、就労時間が極端に短くなってしまう場合、継続利用ができなくなるかもしれません。園や自治体によって基準は異なるので、独立前に相談しておくのがおすすめです。
「標準時間認定」や「短時間認定」とは？
保育園の承諾には「標準時間認定」と「短時間認定」の2種類があります。それぞれ預かり時間が異なり、1日の預かり時間が最大11時間の場合は「標準時間認定」、8時間の場合は「短時間認定」です。
認定は親の就労時間によって異なり、月120時間前後以上の場合は「標準時間認定」、120時間未満の場合は「短時間認定」となります。利用できる時間帯（9：00〜17：00など）は自治体によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
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まとめ
フリーランスは就労状況を証明するのが難しく、保育園を利用しにくいとされています。しかし、自分で就労状況を細かく把握して、就労証明書や所得の証明書を用意できれば、保育園に入れる可能性は十分にあります。
保育園の入園審査を有利に進めるためには、事業の実態を細かく把握しておくのが大切です。また、認可外保育園の利用も含めて柔軟に検討していくのもよいでしょう。親子ともに快適な生活を送れるように、本記事を参考にしながら、準備を進めてください。
- フリーランスが保育園を利用する場合は「就労証明書」が必要だよ！
- 申し込み準備をする時は、まず自分がどんなスケジュールで仕事をしているか明確にするのが大切！
- 自治体によって手続きの流れは異なるので、最寄りの保育課で相談しよう
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