フリーランスで安定して仕事がもらえるようになると、年収600万円ほどになる方が多いでしょう。収入が増えたタイミングで感じるのが「手取りが増えにくい」ということです。
本記事では、年収600万円のフリーランスの手取りはいくらか、なぜ手取りが増えにくくなるのかを解説します。手取りを増やすための対策も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 年収600万円フリーランスの手取りは約400万円ほどだよ!
- ただし売上の40%を経費としたケースで、経費額によって手取り額は大きく変動するよ
- 手取り額が増えにくくなったら、所得控除や税額控除を増やせないか考えてみよう!
目次
フリーランスで年収600万円になった場合の手取りは?
フリーランスで年収600万円になった場合、手取り額はいくらなのでしょうか?
前提として、手取り金額は経費額によって大きく変わります。また、確定申告が白色なのか、青色かによっても大きく異なるでしょう。
諸条件の違いによって手取り額が変わることをふまえたうえで、以下の計算シミュレーションをご覧ください。
手取り計算の方法
フリーランスの手取り金額は、以下の方法で計算できます。
- 売上 – (経費・税金・社会保険料) = 手取り金額
そもそも「手取り金額」とは、実際に自分のもとに入ってくる金額のことです。会社員なら、額面給与から税金や社会保険料を差し引いた金額が手取りとなります。
フリーランスの場合は、売上から経費や税金、社会保険料など全てを差し引いた残りの金額が、手取りです。
ただし、フリーランスの場合は、経費・税金・社会保険料が人によって大きく異なります。そのため、売上が同じでも、手取り金額にかなり差がある点に注意が必要です。
年収600万円フリーランスの手取りは約400万円!
それでは、年収600万円のフリーランスの手取り金額を計算してみましょう。今回は、以下の条件で手取り金額を計算してみます。
- 20代のフリーランス
- 配偶者・扶養者なし
- 国民年金の支払いあり、金額は2024年分
- 国民健康保険料は新宿区の『概算早見表』より引用
- 経費は売上の40%
- インボイス未登録で消費税の納税はなし
- 社会保険料控除は概算で80万円
- 青色確定申告65万円控除を適用
- iDeCo等の控除は含めない
それでは、早速シミュレーション結果を見てみましょう。
- 経費等を差し引く
- 6,000,000円(売上) – 2,400,000円(経費) = 3,600,000円
- 3,600,000円 – 650,000円(青色申告特別控除) = 2,950,000円
- 2,950,000円 – 800,000円(社会保険料控除) = 2,150,000円(基礎控除差し引き前)
- 所得税の計算
- 2,150,000円 – 480,000円(基礎控除) = 1,670,000円
- 1,670,000円 × 5% = 83,500円(所得税額)
- 住民税の計算
- 2,150,000円 – 430,000円(基礎控除) = 1,720,000円
- 1,720,000円 × 10% = 172,000円(所得割金額)
- 172,000円 + 5,000円(均等割) = 177,000円(住民税額)
- 社会保険料の計算
- 16,980円 ×12か月 = 203,760円(年金保険料)
- 203,760円 + 360,893円(国民健康保険料) = 564,653円(社会保険料額)
- 手取り金額の計算
- 6,000,000円 – 83,500円 – 177,000円 – 564,653円 = 5,174,847円
- 5,188,847円 – 2,400,000円(経費) = 2,774,847円
上記のように、経費を含めなければ約500万円、売上の40%を経費として使用した場合は約300万円が手取り金額となることが分かりました。
税金はおおよそ25万円
年収600万円のフリーランスの納める税金は、おおよそ25万円です。ただし、この金額は青色申告特別控除や経費控除を差し引いての金額ですので、注意しましょう。
フリーランスが納める税金には何がある?
フリーランスが納める税金や保険料には、以下の種類があります。
- 所得税
- 住民税
- 消費税
- 個人事業税
- 社会保険料
それでは、それぞれどんな税金・保険料なのか、何%かかるのかを見ていきましょう。
所得税:所得に対して課税
所得税は、所得に対してかかる税金です。課税所得によって、税率や控除額が変わります。
年収600万円ほどのフリーランスの手取りが増えにくいと感じるのは、この所得税率が5%から10%、10%から20%へと変動していくタイミングだからです。
■平成27年分以降の所得税率
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
年収600万円フリーランスの場合、経費が売上の40%、青色確定申告特別控除ありであれば、税率5%、基礎控除なしとなります。
住民税:住んでいる地域に納税
住民税は、住んでいる地域に対して納める税金です。主に、福祉や治安維持、教育といった地域の行政サービスの運営に使われます。
- 所得割額:課税所得 × 10%(区市町村民税6%・道府県民税or都民税4%)
- 均等割額:5,000円(通常額4,000円 + 森林環境税1,000円)
住民税は、所得割額と均等割額の合計金額を納税します。
消費税:インボイス登録した場合は納税
消費税は、課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の場合は免税です。年収600万円を維持しているフリーランスは、原則免税となります。
しかし、インボイス登録事業者となった場合、課税売上高にかかわらず消費税の納税義務が生じるため、注意が必要です。インボイス登録が必要となった場合には、経過措置をうまく使って負担を軽減しながら、消費税納税を済ませましょう。
個人事業税:個人事業で利用する公共サービスの利用料
個人事業税は、個人事業を営むうえで公共サービスを利用するため、その利用料として納める税金です。以下の条件を満たす方は、免税となります。
- 事業所得290万円以下(12か月事業を営んだ場合)の事業者
- 過去3年間で赤字がある事業者
- 法定業種ではない事業者
- 災害等で免除の対象となる事業者
なお、法定業種とは以下の業種に該当するもののことです。
区分 | 税率 | 事業の種類 |
第1種事業(37業種) | 5% | 物販販売業、倉庫業、代理業、広告業、製造業、印刷業、出版業、写真業、電気通信事業、演劇興行業、旅館業、運送業など |
第2種事業(3業種) | 4% | 畜産業、水産業、薪炭製造業 |
第3種事業(30業種) | 3%もしくは5% | 【5%】医業、公証人業、司会業、薬剤師業、税理士業、弁理士業、理容業、社会保険労務士業、司法書士業、行政書士業、コンサルタント業、クリーニング業など【3%】あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業 |
例えば、画家・作曲家・農家・通訳・作家といった業種は、法定業種に含まれないので、個人事業税は非課税です。
ただし、作家の方が自費出版で書籍を出した場合は、出版業に該当してしまい法定業種扱いとなるため、注意しましょう。法定業種かどうか分からない場合は、お近くの税務署に問い合わせてください。
社会保険料:健康保険・年金
社会保険料とは、健康保険や年金の保険料のことです。フリーランスの場合は、国民健康保険および国民年金の保険料が該当します。
国民年金保険料は1年ごとに改定され、所得にかかわらず一定額を支払います。一方、国民健康保険料は所得金額(世帯収入)によって異なるので、注意しましょう。
フリーランスの税額・保険料計算の方法
フリーランスは自分自身で税金や保険料の計算をする必要があります。昨今は確定申告ソフトで自動計算ができますが、おおまかにでも計算方法を知っておくと、事前におおよその納付額が分かるので便利です。
以下では、税額や保険料の計算方法を解説しますので、参考にしてください。
まず課税所得と控除を計算!
税額計算をするために、まず「課税所得」の計算をしましょう。課税所得とは、売上から経費や所得控除を差し引いた金額です。
- 売上 – (経費 + 所得控除) = 課税所得
なお、所得控除には以下のものがあります。
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
引用:国税庁『No.1100 所得控除のあらまし』
また、上記とは別で「税額控除」もあります。課税所得を計算したタイミングで、税額控除についても確認しておきましょう。
- 配当控除
- 分配時調整外国税相当額控除
- 外国税額控除
- 政党等寄附金特別控除
- 認定NPO法人等寄附金特別控除
- 公益社団法人等寄附金特別控除
- (特定増改築等)住宅借入金特別控除
- 住宅耐震改修特別控除
- 住宅特定改修特別税額控除
- 認定住宅等新築等特別税額控除
- 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除
- 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除
- 中小事業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除
- 地域経済牽(けん)引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の所得税額の特別控除
- 地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の所得税額の特別控除
- 地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除
- 特定中小事業者が経営改善設備を取得した場合の所得税額の特別控除
- 特定中小事業者が特定経営力向上設備等を取得した場合の所得税額の特別控除
- 給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除
- 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の所得税額の特別控除
- 事業適応設備を取得した場合等の所得税額の特別控除
- 革新的情報産業活用設備を取得した場合の所得税額の特別控除
- 所得税額から控除される特別控除の特例
引用:国税庁『No.1200 税額控除』
「所得控除」と「税額控除」の混同に注意!
- 控除には、課税所得計算時に差し引く「所得控除」と、税率をかけた後の金額から差し引く「税額控除」があります。混同してしまうと、金額がまったく異なってしまうので、注意しましょう。
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税金①所得税
所得税は、以下の方法で計算します。
- (課税所得 – 基礎控除) × 所得税率 – 税額控除 = 所得税額
2024年現在、基礎控除は以下のようになっています。
■所得税の基礎控除
納税者本人の合計所得金額 | 控除額 |
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
税金②住民税
住民税は、以下の方法で計算します。
- (課税所得 – 基礎控除) × 住民税所得割税率 – 税額控除 = 所得割額
- 所得割額 + 均等割額(2024年5,000円) = 住民税額
なお、2024年現在の基礎控除は、以下のようになっています。
■住民税の基礎控除
納税者本人の合計所得金額 | 控除額 |
2,400万円以下 | 43万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 29万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 15万円 |
2,500万円超 | 0円 |
税金③消費税
消費税の計算方法には「積上げ計算」と「割戻し計算」があります。売上税額(売上に含まれる消費税の金額)は原則「割戻し計算」で、仕入税額(仕入にかかった税額)は原則「積上げ計算」で計算しますが、別の方法を採用するのも可能です。
ただし、売上税額を積上げ計算で出した場合、仕入税額も積上げ税額で計算しなければならない点に注意が必要です。
- 炯然税率対象の税込課税売上 × 100/108 = 軽減税率の対象となる課税標準額
- 軽減税率の対象となる課税標準額 × 6.24% = A
- 標準税率の対象となる税込課税売上 × 100/110 = 標準税率の対象となる課税標準額
- 標準税率の対象となる課税標準額 × 7.8% = B
- A + B = 売上税額の合計額
参考:国税庁『Ⅴ 適格請求書等保存方式の下での税額計算』
請求書等記載税額等のうち課税仕入れに係る部分の合計 × 78/100 = 仕入税額の合計額
参考:国税庁『Ⅴ 適格請求書等保存方式の下での税額計算』
なお、消費税計算については、そもそも消費税がどういったものか、税率はどうなっているかを詳しく知らないと難しい部分があります。
消費税計算について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
また、上記のような難しい計算方法(本則課税)とは別に、簡易課税という簡単な計算方法もあります。簡易課税の内容や、使用するうえでの条件は、以下の記事を参考にしてください。
税金④個人事業税
個人事業税は、以下の方法で計算します。
- (事業所得 – 控除290万円) × 法定業種ごとの税率 = 個人事業税額
前述したとおり、法定業種以外の業種であったり、事業所得が控除で相殺される場合などは、免税となります。
社会保険料
社会保険料は、国民健康保険料と国民年金保険料の2つがあります。まずは、国民健康保険料の計算方法を見てみましょう。
- 医療分(限度額65万円)
- 加入者全員の所得金額 × 9.40% + (51,600円 × 加入者人数) = 医療分
- 支援分(限度額24万円)
- 加入者全員の所得金額 × 3.15% + (17,400円 × 加入者人数) = 支援分
- 介護分(限度額17万円)
- 該当者全員の所得金額 × 2.63% + (18,000円 × 該当者人数) = 介護分
- 医療分 + 支援分 + 介護分 = 国民健康保険料
参考:新宿区『保険料の計算方法について』
また、国民年金保険料は毎年変更されます。2024年は、月額16,980円、年間で203,760円です。まとめ払いをすると、割引が適用されます。
フリーランスの確定申告の方法
フリーランスは、自分自身の所得金額や控除額などを精算したうえで、国に申告する「確定申告」を行わなければなりません。確定申告を行わないと、正しい所得金額や所得税額が分からず、脱税状態になってしまうので注意しましょう。
それでは、確定申告の方法を以下で解説します。
必要書類
確定申告をするためには、以下の書類が必要になります。
- 確定申告書類(確定申告書、帳簿など)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、個人番号通知書など)
- 控除関連の書類
- 銀行口座がわかるもの
- 経費関連の書類(レシート、領収書など)
- 請求書
なお、書類はそれぞれ以下の期間、保管しておく必要があります。
- 確定申告書の控え:7年
- 請求書:通常5年、消費税納税者は7年
- 領収書やレシート:青色確定申告は7年、白色は5年
確定申告の流れ
確定申告の流れは、以下のようになっています。
- レシートや請求書、控除関連書類などをまとめる
- 収支状況、経費の金額や使った日付、控除の状況、償却資産の状況などをまとめて、確定申告書を作成
- 確定申告書を提出
- 所得税を納税
確定申告をした時点で所得税額が分かるので、同じタイミングで所得税も納税します。なお、確定申告は以下の方法で提出できます。
- 所轄税務署の窓口に提出
- 所轄税務署の時間外収受箱に提出
- 所轄税務署または業務センターに郵送
- e-Taxで電子申請
e-Taxは税務署の時間外でも提出できて便利ですが、もし不明点があれば、税務署へ行って相談したうえで提出したほうが安心です。
申告期限
確定申告の期限は、所得があった翌年の2月16日〜3月15日までです。ただし、3月15日が土日祝日だった場合は、その翌日が申告期限になります。例えば、2024年3月15日は土曜日だったので、2024年の申告期限は3月17日月曜日となりました。
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年収600万円を達成したフリーランスが手取りを増やす方法
年収600万円を超えてくると、税金や社会保険料の負担が大きくなってくるでしょう。手取りが少ないと感じたら、以下のような対策が有効です。
- SNSを活用して信頼を得やすくする
- 本や講座でスキルを磨き単価を上げる
- 低単価の案件を受けずに済む状況を作る
- iDeCoを使って資産形成する
- つみたてNISAを活用する
- 青色確定申告をする
- 減価償却資産に関する正しい知識を身につける
それでは、それぞれの対策内容を詳しく解説します。
SNSを活用して信頼を得やすくする
フリーランスにとって、知名度は案件のもらいやすさに直結します。まったく無名の人よりも、実績や影響力が分かりやすく、安心して依頼できるからです。
知名度を高めるためには、SNS運用が効果的でしょう。ただし、昨今はSNSをフル活用しているフリーランスが非常に多いため、ただ日常を投稿しているだけでは効果が出ません。以下のような基礎的な運用テクニックを試しながら、自分に合った運用方法を模索してみましょう。
- フォローバックしてくれそうな、同じ業界の人をフォローする
- フォローバックしてもらった人のポストにリプライする
- トレンドに合わせた投稿をする
- 日々の仕事について、可能な範囲でポストする
- フォロワーや、初心者フリーランスが求めていそうな有益な情報を発信する
なお、投稿においては、炎上対策を徹底するのも重要です。軽はずみな発信で炎上を起こしてしまうと、そのイメージを払拭できず仕事を獲得するのが困難になる場合もあります。
過去の炎上事件を学んだり、取引先から仕事の公開可能な範囲について事前確認したりして、炎上事件を起こさないよう細心の注意を払いましょう。
本や講座でスキルを磨き単価を上げる
手取りの割合ではなく、売上を増やして、結果として手元に残る金額を増やすというアプローチもあります。具体的には、本や講座などでスキルを磨き、単価を上げる対策です。
フリーランスのなかには、会社員時代のスキルや、独学で身につけた知識で仕事をしている方が多くいます。しかし、時代の変化とともに必要とされる人材は変わります。そのため、本や講座を通じて、最新のプロから学ぶ機会が必要なのです。
ほかのフリーランスよりも高いスキルを身に付けられれば、それだけ単価も上げやすくなります。また、単価交渉をせずとも、高単価の案件に応募しやすくなるでしょう。
費用はかかりますが、長期的に見れば、安定して収入を増やすために非常におすすめできる方法です。
低単価の案件を受けずに済む状況を作る
高単価の案件でスケジュールを埋めて、低単価案件の入る隙がないように対策していくのも重要です。
低単価案件を受けないといけない状況としては、以下のようなケースが考えられるでしょう。
- そもそも仕事がほとんどない
- 借金や奨学金があり、支払いに苦戦している
- 浪費癖によって支出が収入を超える月が多い
- 知名度がなく高単価案件に応募できない、依頼をもらえない
- スキルがなく、高単価案件に採用されない
- クラウドソーシング外での信頼度が低い
上記の例をふまえて、考えられる対策としては以下があります。
- 徹底的に支出を減らす
- 貯金用口座を作り、事業用口座から毎月定額が積み立てられるように設定
- クラウドソーシングサイト外で営業をかける(SNS、Wantedly等)
- SNS運用を通じて知名度を高める
- 本や講座でスキルアップ
- 借金がある場合は、返済計画を立てる
基本的には、支出を減らし収入を増やすための対策をしなければなりません。
借金や奨学金がある場合は、早期返済を目指して繰り上げ返済をしたり、場合によっては減額申請をしたりしましょう。
また、本記事でも紹介している方法を使って、収入アップのための対策も同時並行で取り組んでください。
iDeCoを使って資産形成する
iDeCoを利用すると、掛金額を全額所得控除にできるので、大幅な節税対策になります。
そもそもiDeCoとは、私的年金制度のひとつです。投資信託や定期預金から好きなものを選び、一定額を積み立てていきます。この積立金(掛金)が、全額所得控除になるのです。
iDeCoは受取時も控除を使えますし、運用益に対しても非課税なので、かなりの税金対策になります。
ただし、投資信託に積み立てていた場合、タイミングによっては資産が減少する場合もあるので、投資商品は慎重に選びましょう。また、原則として 60歳までは引き出せず、スタート時期によっては60歳以降まで引き出せなくなるので、ご注意ください。
つみたてNISAを活用する
控除にはなりませんが、運用益が非課税になるという点においては、つみたてNISAも節税対策になると言えるでしょう。
つみたてNISAは、毎月定額を積み立てられる制度です。投資信託やETFから好きなものを選んで、毎月一定額を投資していきます。
このとき、投資信託やETFが値上がりして運用益が出たら、非課税で受け取れるというのがつみたてNISAのメリットです。
ただし、選べる投資商品は金融庁の定める条件をクリアしたものだけです。個別株式や不動産投資信託(REIT)に投資したい場合は、一般NISAを利用しなければなりません。
青色確定申告をする
青色確定申告を利用すると、最大65万円の控除を利用できます。65万円の控除があった場合となかった場合とで、どれくらい所得税が変わるかを計算してみましょう。
- 65万円控除なし
- 6,000,000円 – 480,000円 = 5,520,000円(課税所得)
- 5,520,000円 × 20% = 1,104,000円
- 1,104,000円 – 427,500円 = 676,500円(所得税額)
- 65万円控除なし
- 6,000,000円 – 480,000円 – 650,000円 = 4,870,000円(課税所得)
- 4,870,000円 × 20% = 974,000円
- 974,000円 – 427,500円 = 546,500円(所得税額)
上記のように、青色申告特別控除が有るかどうかで、10万円以上も所得税額に差が出るのです。昨今は確定申告ソフトを使えば簡単に帳簿作成できるので、ぜひ青色確定申告を活用しましょう。
なお、青色確定申告をしたい方は、所得が発生する年の3月15日までに『青色申告承認申請手続』を提出してください。開業が3月15日以降の場合は、事業開始日に提出しましょう。
減価償却資産に関する正しい知識を身につける
減価償却資産を正しく申請するのは、節税対策において非常に重要です。
そもそも減額償却とは、事業で何年も使う機器・設備を、耐用年数に応じて、何年かに分けて経費計上していく制度です。例えば、法定耐用年数が10年の200万円の設備なら、20万円ずつ10年にわけて経費計上していくことになります。
なお、青色確定申告をしている方は「少額減価償却資産の特例」を使えます。通常は10万円以上の資産は減価償却していきますが、特例を使えば、取得価格30万円未満なら、年300万円まで一括で減価償却できる制度です。
こうした減価償却に関する知識を身につければ、経費控除の額を増やせるので、効率よく節税できるでしょう。
年収600万円フリーランスの税金に関するよくある質問
年収600万円のフリーランスの税金や手取りに関しては、以下のような質問が多くあります。
- フリーランスの平均年収・税額はどれくらい?
- 年収600万円になったら法人化を検討したほうが良い?
- 翌年に収入が激減したら税金はどうなる?
- NISAとiDeCoはどっちが良い?
それでは、よくある4つの質問に回答します。
フリーランスの平均年収・税額はどれくらい?
フリーランスの平均年収は、おおよそ300万円前後とされています。以下は、フリーランス協会が発表している『フリーランス白書2023』の調査結果です。
回答者自身の現在の年収(n=850) | 割合 |
200万円未満 | 19.5% |
200〜400万円未満 | 27.9% |
400〜600万円未満 | 20.9% |
600〜800万円未満 | 11.3% |
800〜1,000万円未満 | 8.9% |
1,000万円以上 | 10.0% |
わからない・答えたくない | 1.4% |
なお、年収300万円前後のフリーランスの場合、年間の税金はおおよそ25万円ほどです。別途、社会保険料(健康保険・年金)が40万円弱はかかり、さらに経費もありますので、手取りは220万円ほどになります。
年収600万円になったら法人化を検討したほうが良い?
年収600万円の場合、すぐに法人化を検討するには少し早いかもしれません。なぜなら、法人登記にはコストがかかるうえ、法人化したほうが諸経費が増える可能性があるためです。
参考までに、フリーランスの所得にかかる「所得税」と、法人の売上にかかる「法人税」の、税率の違いを見てみましょう。
所得税(個人事業主) | 法人税 | |||
課税される所得金額 | 税率 | 控除 | 区分 | 税率 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 | 年800万円以下の部分 | 15% |
3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 | 年800万円超の部分 | 23.20% |
6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
引用:国税庁『No.2260 所得税の税率』
引用:国税庁『No.5759 法人税の税率』
上記を見ると「年収400〜600万円くらいでも、税率20%になるから法人化したほうが良いんじゃないか?」と思うかもしれません。
しかし、330万円以上だった場合、所得税は427,500円の控除があります。また、年収400〜600万円ほどであれば、経費控除等で課税所得を330万円未満にして、税率10%にできるかもしれません。
そのため、法人登記の費用や、社会保険料のコスト、法人税申告や決算書作成のコストなどを考えると、年収800万円ほどになるまでは、法人化は見送ったほうが良いという意見が主流なのです。
翌年に収入が激減したら税金・保険料はどうなる?
やむを得ない理由によって収入が激減した場合、税金や保険料の減額や免除の申請ができます。まずは、所轄の税務署や役所へ行って相談しましょう。
払えないからといって、届いた納付書や催告状を無視していた場合、財産が差し押さえられる可能性があります。実際、日本全国で毎年1万件を超える差し押さえが行われているのです。
差し押さえになってしまうと、預貯金・生命保険・車やバイクといった移動手段・自宅・家具・趣向品などさまざまなものが公売へかけられます。
差し押さえが実行されてからでは遅いので、払えないと分かった時点で、早急に相談へ行きましょう。
NISAとiDeCoはどっちが良い?
つみたてNISAとiDeCoは、どちらも老後資産の形成におすすめの制度です。しかし、内容やメリット・デメリットはまったく異なります。それぞれの特徴を把握して、自分にあったものを選びましょう。
メリット | デメリット | |
NISA | 運用益が非課税いつでも引き出せる | 損益通算ができない元本割れリスクあり |
iDeCo | 運用益が非課税掛金が全額所得控除になる受取時にも控除を使える | 元本割れリスクあり原則60歳以降まで引き出せない |
上記のメリット・デメリットを比較すると、節税対策や老後資産形成としてはiDeCoが適しているでしょう。一方、教育資金や住宅費用などに充てるための資金形成としては、いつでも引き出せるNISAが良さそうです。
なお、つみたてNISAとiDeCoを併用するのも可能です。資金的に余裕がある場合は、ぜひ併用も検討してみてください。
まとめ
年収600万円フリーランスの手取りは、約400万円ほどということが分かりました。ただし、経費や確定申告の種類などによって異なるので、自分の状況にあわせてシミュレーションをしてみましょう。
手取り額が増えにくいと感じるのは、所得税率が5%だったのが10%・20%と飛躍的に上がるタイミングだからです。さらに23%、33%と上がっていくので、年収800万円を超えるようになったら法人化も検討しましょう。
本記事の内容が、手取りアップのための参考になれば幸いです。
- 年収600万円フリーランスの手取りは約400万円ほどだよ!
- ただし売上の40%を経費としたケースで、経費額によって手取り額は大きく変動するよ
- 手取り額が増えにくくなったら、所得控除や税額控除を増やせないか考えてみよう!
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