ファクタリング契約を徹底解説|必要書類と契約時の5つのポイント

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ファクタリングの見積書や契約書では、手数料だけでなく、売掛先が支払わなかったときの負担、債権譲渡の通知・承諾・登記、違約金、解除後の書類保存まで確認する必要があります。

契約名称ではなく、誰が未払いリスクを負い、誰が売掛金を回収する契約なのかを読んでから署名しましょう。

署名前に止める条件と、会社へ確認する質問例も紹介します。

やっぷん
電子契約は署名するとすぐ手続きが進むこともあるよ。金額と責任の範囲を読んで、わからない箇所は署名前に質問しようね!

ファクタリング契約は売掛債権の売買契約

ファクタリングは、事業者が持つ売掛債権をファクタリング会社へ売却し、支払期日より前に現金化する取引です。

契約名だけでなく回収不能時の負担を確認する

最も重要なのは、売掛先の倒産や支払拒否で売掛金を回収できなかった場合に、誰が損失を負うかです。

無条件の買戻しや元本・利息の返済に近い条件がある場合は、契約の実態を確認してください。

金融庁も、ファクタリングを装った高金利の貸付けに注意を呼びかけています。

出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」

融資契約とは審査・費用・返済の仕組みが異なる

2者間契約で売掛先から申込者へ入金された売掛金をファクタリング会社へ送る行為は、回収を委託された売掛金の送金であり、一般的な借入金の返済と同じではありません。

比較項目ファクタリング融資
契約の基本売掛債権の売買金銭の貸付け
主な審査対象売掛債権・売掛先・取引実績など申込者の返済能力・信用情報など
主な費用買取手数料など利息・手数料など
資金の流れ買取代金を受け取り、契約に沿って売掛金を回収・送金借入金を受け取り、返済期日に元金・利息を返済

2者間・3者間ファクタリングの契約の違い

2者間は申込者とファクタリング会社で契約する

2者間ファクタリングは、申込者とファクタリング会社の間で債権譲渡契約を結ぶ方法です。

ただし、2者間なら売掛先への通知が絶対に行われないとは限りません。

契約違反や送金遅延が起きた場合の通知条件、債権譲渡登記の条件まで確認しましょう。

3者間は売掛先の承諾を含めて契約する

3者間ファクタリングは、申込者とファクタリング会社に加え、売掛先の承諾を得て進める方法です。

ファクタリング会社が売掛先へ直接請求できる流れを確保しやすいため、2者間より手数料が低い場合がありますが、承諾に必要な日数も見込む必要があります。

売掛金を誰が回収・送金するかが異なる

比較項目2者間3者間
当事者申込者・ファクタリング会社申込者・ファクタリング会社・売掛先
通知・承諾通常は売掛先の事前承諾なし。ただし通知条件は契約による売掛先へ通知し、承諾を得る
回収・送金申込者が受領し、ファクタリング会社へ送金する形が中心売掛先がファクタリング会社へ直接支払う形が中心
手数料3者間より高くなる場合がある2者間より低くなる場合がある

ファクタリング契約前に用意する書類

本人・法人情報を確認する書類

個人事業主は本人確認書類、法人は代表者の本人確認書類、履歴事項全部証明書、印鑑証明書などを求められる場合があります。

発行日や有効期限の指定もあるため、ファクタリング会社の必要書類一覧を確認してから用意してください。

売掛債権を確認する請求書・契約書・発注書

請求書は、売掛先、請求金額、支払期日、取引内容を確認するための基本資料です。

取引基本契約書、発注書、納品書、検収書など、請求の根拠がわかる資料を追加で求められる場合もあります。

入金実績を確認する通帳・入出金明細

通帳の写しやインターネットバンキングの入出金明細は、売掛先と継続して取引し、過去に予定どおり入金されているかを確認する資料です。

契約時に受け取る見積書・契約書と提出書類を分ける

本人確認書類、請求書、通帳明細は提出資料です。

見積書、債権譲渡契約書、回収業務の委託に関する書面は、会社から受け取って条件を確認します。

申込者が契約書を自作する必要はありません。

署名前に完成版を受け取り、見積書と契約書で債権額、手数料、受取額、支払期日が一致するか確認してください。

必要書類を詳しく確認したい人は、下記の記事も参考になります。

ファクタリング契約で確認する5つのポイント

見積書と契約書を並べ、次の5点を順番に確認します。

手数料を含む費用総額と実際の受取額

確認する条文・欄:買取対象債権額、買取代金、手数料率、事務手数料、登記費用、振込手数料、差引支給額の各欄を確認します。

質問例:「この契約で差し引かれる費用をすべて含めた総額と、実際に入金される金額を教えてください」と質問しましょう。

危険な回答:「詳しい内訳は契約後にわかる」「手数料以外は当日決まる」と説明され、署名前に総額を書面で示さない場合は契約を進めないでください。

償還請求権・買戻し義務・回収不能時の負担

確認する条文・欄:償還請求権、買戻し、保証、回収不能、表明保証、契約違反時の責任に関する条文を確認します。

質問例:「売掛先が倒産または支払拒否した場合、私が支払う金額と条件は何ですか」と質問しましょう。

危険な回答:「理由を問わず全額を買い戻す」「売掛先が払わなければ必ず申込者が補填する」とだけ説明される場合は、取引の実態を含めて専門家へ確認してください。

償還請求権がある契約をすべて違法と判断することはできません。

一方、償還請求権がない契約でも、架空債権の申告や二重譲渡などの詐欺、契約違反による責任まで免れるわけではありません。

債権譲渡通知・売掛先の承諾・登記の条件

確認する条文・欄:債権譲渡通知、売掛先の承諾、債権譲渡登記、通知を行う条件、登記費用と抹消手続きの条文を確認します。

質問例:「契約時、送金遅延時、契約解除時のどの時点で売掛先へ通知しますか」

「登記を行う場合の費用と抹消時期も教えてください」と質問しましょう。

危険な回答:「2者間なので通知は絶対にない」「登記すれば売掛先への説明は一切不要」と断定し、契約条文を示さない場合は注意が必要です。

違約金・遅延損害金・損害賠償の発生条件

確認する条文・欄:送金遅延、報告義務違反、二重譲渡、虚偽申告、違約金、遅延損害金、損害賠償の金額と計算方法を確認します。

質問例:「どの行為から違約金が発生し、金額は固定額と割合のどちらで計算されますか」と質問しましょう。

危険な回答:「会社の判断で金額が決まる」「軽い連絡遅れでも債権額の全額を請求する」と説明され、上限や計算方法が書かれていない場合は署名を止めましょう。

契約解除・キャンセル・契約書保存の条件

確認する条文・欄:契約成立時点、解除できる期間と方法、キャンセル料、返金、電子契約書の交付とダウンロード期限、契約終了後の保存方法を確認します。

質問例:「どの操作で契約が成立しますか」

「成立前後のキャンセル条件と、署名済みデータを受け取る方法を教えてください」と質問しましょう。

危険な回答:「契約書は後で送る」「署名画面だけ見ればよい」「控えは交付しない」と説明される場合は、その場で署名しないでください。

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2者間契約で売掛金の入金後に確認すること

2者間契約では、売掛先から申込者の口座へ入った売掛金を、回収業務の委託契約に沿ってファクタリング会社へ送金する場合があります。

ファクタリング会社への送金期限

「入金当日」「翌営業日まで」などの送金期限と、売掛先の入金が遅れた場合の連絡期限を確認しましょう。

送金先口座と振込手数料

送金先は契約書やファクタリング会社の管理画面にある口座と一致するか確認します。

振込手数料を誰が負担するか、送金額から差し引いてよいかも契約書で確認しましょう。

売掛金を別の支払いに使わない

給与、仕入れ、税金など別の支払いへ使わず、入金後すぐに区分して管理しましょう。

売掛金の一部しか入金されなかった場合も自己判断で送金額を変えず、明細を示してファクタリング会社へ連絡してください。

やっぷん
2者間では、売掛先から入ったお金を預かって送る形になるんだ。送金期限と口座を先に確認して、別の支払いと分けて管理しようね!

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債権譲渡通知・承諾・登記の違い

債権譲渡の通知・承諾と債権譲渡登記は、譲渡した事実を誰に主張するための手続きかが異なります。

通知・承諾は売掛先との対抗要件に関わる

売掛先に対して「債権がファクタリング会社へ移った」と主張するには、原則として譲渡人から売掛先への通知、または売掛先の承諾が関係します。

さらに、同じ債権を譲り受けた別の人など第三者との関係では、確定日付のある証書による通知・承諾が重要になります。

債権譲渡登記は法人の第三者対抗要件に使われる

法人が金銭債権を譲渡する場合、債権譲渡登記によって第三者に譲渡を主張するための要件を備える方法があります。

ただし、登記だけで売掛先への請求に必要な手続きがすべて完了するわけではありません。

出典:法務省「債権譲渡登記制度」

2者間でも登記を求められる場合がある

2者間契約でも、二重譲渡などに備えるため、法人の申込者に債権譲渡登記を求める会社があります。

登記の有無、登録免許税や司法書士費用の負担、契約終了後の抹消手続きと費用を署名前に確認してください。

債権譲渡登記の仕組みを詳しく確認したい人は、下記の記事も参考になります。

危険なファクタリング契約の特徴

次の特徴がある場合は、即日入金を理由に手続きを急がず、署名を止める判断が必要です。

契約書を交付せず署名を急がせる

契約書の全文を事前に見せない、質問する時間を与えない、署名済みの控えを交付しない会社は避けましょう。

電子契約では、署名前に本文と添付資料をダウンロードできるか、署名後に完成版が交付されるかも確認してください。

費用と受取額の説明が一致しない

見積書と契約書の差引支給額が一致しない場合は、理由と修正版を受け取るまで署名しないでください。

売掛先の未払いを申込者が全額負担する

売掛先が支払わない理由を問わず、申込者が債権額の全額を補填する契約は、未払いリスクが実際に移っているか確認が必要です。

契約名称だけで合法・違法を決めず、資金の流れ、買戻し義務、取り立て方法を含む取引の実態について専門家へ相談しましょう。

空欄のある契約書へ署名を求める

手数料、買取代金、売掛先、支払期日、違約金などの重要欄が空白の契約書には署名しないでください。

「後から埋める」と説明されても応じず、すべての欄が確定した完成版を受け取りましょう。

違法なファクタリングと正規の取引の違いを確認したい人は、下記の記事も参考になります。

契約トラブルの事例と対策を確認したい人は、下記の記事も参考になります。

やっぷん
契約書がもらえない、金額が合わない、空欄がある。このどれかがあったら、急いでいても署名を止めよう。説明と完成版を受け取ってから判断しようね!

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ファクタリングの契約手順

申込から売掛金の回収までの流れを知っておくと、どの時点で条件を確認するか判断しやすくなります。

申込・必要書類提出・審査

申込フォームへ事業者情報、売掛先、請求金額、支払期日などを入力し、本人確認書類、請求書、入出金明細を提出します。

見積書と契約書の確認

続いて契約書の回収不能時の負担、通知・承諾・登記、違約金、解除・保存条件を読み、見積書と一致するか照合してください。

電子署名または書面で契約

電子署名法では、一定の電子署名が行われた電子文書について、本人の意思に基づいて作成されたものと推定する規定があります。

ただし、電子データならすべて同じ扱いになるわけではなく、署名方法や契約内容によって個別の判断が必要です。

署名日時、本人確認方法、添付書類を含む完成版を保存しましょう。

買取代金の入金・売掛金の回収

2者間では売掛先から申込者へ入金された売掛金を期限内に送金し、3者間では売掛先がファクタリング会社へ直接支払う形が中心です。

ペイトナーのファクタリングの申込方法やサービス内容を確認したい人は、下記の記事も参考になります。

ファクタリング契約に関するよくある質問

契約後にキャンセルできますか?

契約成立後にキャンセルできるかは、契約書の解除条項と取引の進み具合によって異なります。

事業者間の契約では消費者向けのクーリング・オフを前提にできない場合があるため、成立時点とキャンセル料を署名前に確認してください。

契約後に止めたい場合は、すぐにファクタリング会社へ連絡し、合意内容を書面で残しましょう。

契約書は電子データでも有効ですか?

電子データの契約書であっても、個別の契約が有効かは、当事者の合意、署名方法、本人確認、契約内容などを含めて判断されます。

署名済みデータ、署名記録、添付資料、メールをまとめて保存してください。

取引先への通知なしで契約できますか?

2者間ファクタリングでは、売掛先の事前承諾を得ずに契約できる場合があります。

ただし、送金遅延や契約違反が起きた場合の通知、債権譲渡登記、売掛先との契約にある譲渡制限の確認が必要です。

「絶対に知られない」とは考えず、通知条件を契約書で確認しましょう。

債権譲渡登記は必ず必要ですか?

すべてのファクタリング契約で債権譲渡登記が必要になるわけではありません。

登記を利用できるのは法人による金銭債権の譲渡で、ファクタリング会社の運用や契約条件によって要否が異なります。

登記を求められた場合は、目的、費用、抹消手続きまで確認してください。

まとめ

ファクタリング契約では、費用総額、回収不能時の負担、通知・承諾・登記、違約金、解除・保存の5点を署名前に確認することが重要です。

見積書と契約書の金額が合わない、空欄がある、契約書の控えを受け取れない場合は署名を止めましょう。

契約名称だけで判断せず、誰が未払いリスクを負い、誰が売掛金を回収する取引なのかを確認してください。

やっぷん
  • 費用は手数料率だけでなく、実際の受取額まで確認しよう
  • 未払い時の負担と、通知・登記・違約金・解除条件を署名前に読もう
  • ペイトナーなら一律10%の手数料で、オンラインから申し込めるよ
監修者プロフィール

ペイトナー執行役員 邨山毅

立教大学経済学部卒。投資会社にて内部統制・米国新興事業の国内展開に従事。その後VOD運営会社にて経営戦略・機械学習・調達戦略領域の経験を経て、ペイトナー株式会社に入社。執行役員ファクタリング事業本部長として、ファイナンスサービスの運営及びフリーランスの与信構築全般を所掌している。

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