個人事業主として1,000万円を稼ぐことができた場合、納付すべき税金も大きく変わります。どの程度の税金がかかるのか把握できていないと、予想外の出費となって生活に支障が出る可能性もあります。本記事では、個人事業主が1,000万円を稼いだときの税金額や、役立つ節税対策について紹介します。年収が1,000万円を超える可能性がみえてきた場合には、ぜひ参考にしてください。
- 個人事業主として納める税金には、様々な種類があるよ!
- 所得の金額に応じて税金の額が変わるから、なるべく使える節税方法は利用できるようにしておこうね!
- 税金額は事前にシミュレーションできるから、確認して支払に備えておこう!
目次
収入に関わらず個人事業主が支払う税金の種類と計算方法
個人事業主は実際の収入の金額に関わらず、必ず収めるべき税金がいくつかあります。以下では、個人事業主が納付する税金の種類と計算方法を解説します。
住民税
住民税とは、自分の暮らす地域社会におけるサービスや設備の維持に必要な費用を、分担して負担するための税金です。住民税は「所得割」と「均等割」によって計算され、個人の前年の収入が基準として用いられます。具体的に均等割は、非課税世帯を除く世帯で年額4,000円(2014年から2023年分については、防災施策の財源として1,000円プラス)となります。所得割は課税される所得に対して、10%の金額をかけて計算します。
所得税
所得税とは、個人の年間収入に対して、一定の割合で課税される税金のことを指します。課税所得に定められた税率をかけ、各種控除額を差し引いて計算します。収入が高くなるほど税率が上がるため、「所得の向上=納税額が増える」という図式になります。
所得税の税率は5〜15%まであり、課税所得によって変動します。同様に、控除される金額も0〜4,796,000円で設定されています。詳細は所得税の税率|国税庁のページで確認可能です。
国民健康保険税
国民健康保険とは、会社の健康保険に加入していないすべての人が加入することになる医療保険制度です。個人事業主は会社に雇われるのではなく、委託業務を請け負う形で仕事をするため、基本的に国民健康保険に加入します。保険料は「被保険者均等割額」と「所得割額」の合計額によって変動し、所得が増えるほど負担も大きくなります。また、住んでいる自治体によっても、保険料が変わります。事前に自分が所属する自治体のホームページを確認することで、保険料の計算方法を把握可能です。
条件を満たしたら支払わなければならない税金と計算方法
個人事業主の場合、特定の条件を満たした場合に納付が必要になる税金もあります。以下では、「個人事業税」と「消費税」についての詳細と計算方法を解説します。
課税所得が290万円を超えたら個人事業税が必要
所得が290万円を超えた場合、個人事業主は「個人事業税」を支払う必要があります。個人事業税は定められた「法定業種」に属する事業を営む人が、毎年納付する税金です。税率は事業の種類によって、3〜5%の間で変動します。法定業種以外の事業をしている個人事業主は、個人事業税が免除されます。どのような事業が法定業種に該当するのかは、個人事業税|東京都主税局などで確認できます。
課税所得が1,000万円を超えたら消費税が必要
消費税は、商品やサービスの取引に対してかかる税金のことです。普段の買い物でも発生することから、生活に身近な税金として知られています。
個人事業主として1,000万円を超える課税所得がある場合には、消費税の課税対象者となります。消費税を計算し、納税する義務があります。具体的には前々年度の年収が1,000万円以上の人、もしくは前年度上半期の売上が1,000万円を超えた人が、消費税の納税対象者です。
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年収1,000万円を超えたときに使える節税対策とは?
個人事業主の年収が1,000万円を超えた場合、さまざまな節税対策を講じて負担を減らすことが考えられます。以下では、年収1,000万円を超えた個人事業主におすすめの節税対策を解説します。
生命保険料控除
生命保険料控除は、払った保険料に応じて一定の金額が所得から差し引かれます。生命保険に加入している場合には、申請することで税金の負担を軽減できます。生命保険料控除の計算方法は、支払った保険料額に応じて決まります。例えば生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料などの金額を、合算して計算します。生命保険料控除においては、年間で最高12万円分の所得控除を受けられます。
iDeCo
iDeCo(イデコ)とは、個人が任意で加入できる年金のことを意味します。個人型確定拠出年金とも呼ばれ、国民年金や厚生年金のような公的年金とは別に給付される個人年金です。iDeCoへの掛け金は、全額を控除の対象にできます。個人事業主が該当する「第1号被保険者」の場合ですと、68,000円/月までが掛け金の限度額となります。最低5,000円から1,000円単位で調整できるため、収入に合わせて掛け金が設定可能です。
加えて、iDeCoを一時金として受け取ると、退職金と同じ「退職所得」として課税されるため、税率が低くなります。
国民年金基金
国民年金基金とは、国民年金に加入している人が、給付される年金額に上乗せできる公年金制度です。一定額を終身年金で受けられるため、将来の給付金を増やせる点がメリットです。国民年金基金への掛け金もiDeCoと同様に、全額が控除の対象になります。掛け金の上限は6万8,000円/月となっています。
しかし、iDeCoと併用する場合には、合計金額の上限が6万8,000円/月となる点に注意が必要です。
小規模企業共済
小規模企業共済とは、個人事業主や小規模企業の経営者などに向けた退職金制度です。個人事業主の事業を廃業した際に、掛け金に応じた金額が給付されます。個人事業主は会社に所属していないため、退職金を受け取れません。そのため小規模企業共済を活用し、老後の生活に備える方法が検討されます。小規模企業共済の掛け金は月額1,000円〜7万円までとなっていて、こちらも全額を控除可能です。
青色事業専従者給与の特例
生計を一にしている配偶者・親族が事業に従事していて、かつ給与を支払っている場合、青色事業専従者給与の特例を受けられます。確定申告で青色申告を行っている場合、一定の要件を満たすことで、実際に支払った給与の額を必要経費として計上可能です。事業専従者が事業主の配偶者の場合は86万円、配偶者でない場合は50万円までが、控除として利用できます。
ふるさと納税
ふるさと納税の納税額も、寄付金控除として控除の対象になります。上限額は世帯年収や家族構成で決まるため、事前の計算が重要です。節税につながるだけでなく、納税先に応じて返礼品をもらえるため、お得な手法として広まっています。
年収1,000万円の個人事業主が支払う税金のシミュレーション
以下では、年収1,000万円の個人事業主を、年齢20〜39歳、配偶者なし、扶養家族0人、青色申告ありの条件で実際に計算します。1つの目安として、参考にしてみてください。
経費額が0円の場合
事業に使う経費が0円の場合、事業所得はそのまま1,000万円となります。この場合の税金のシミュレーション額は、以下のようになります。
内訳 | 金額 |
所得税額 | 1,434,000 |
住民税額 | 897,000 |
国民健康保険料 | 838,000 |
経費額が100万円の場合
事業に使う経費が100万円の場合、事業所得は900万円となります。この場合の税金のシミュレーション額は、以下のようになります。
内訳 | 金額 |
所得税額 | 1,199,000 |
住民税額 | 797,000 |
国民健康保険料 | 784,000 |
経費額が300万円の場合
事業に使う経費が300万円の場合、事業所得は700万円です。シミュレーションした場合の金額は、以下の数値になりました。
内訳 | 金額 |
所得税額 | 762,000 |
住民税額 | 597,000 |
国民健康保険料 | 599,000 |
経費額が500万円の場合
経費額が500万円の場合、事業所得は500万円となります。シミュレーション結果は、以下の通りです。
内訳 | 金額 |
所得税額 | 354,000 |
住民税額 | 397,000 |
国民健康保険料 | 413,000 |
まとめ
個人事業主としての年収が1,000万円を超えると、多くの税金がかかります。節税方法を学び、対策をしなければ、もったいない結果になる可能性もあるでしょう。この機会に年収1,000万円を超えた場合の税金のシミュレーションと、効果の見込める節税方法をチェックしてみてください。個人事業主として節税を実行するには、有益な情報源が必要です。
- 個人事業主として納める税金には、様々な種類があるよ!
- 所得の金額に応じて税金の額が変わるから、なるべく使える節税方法は利用できるようにしておこうね!
- 税金額は事前にシミュレーションできるから、確認して支払に備えておこう!
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