個人事業主が開業する流れは?起業との違いも解説

開業流れ

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個人事業主として開業するなら、まず大まかな流れを把握しておきましょう。正しい手順で開業すれば、長く安定して事業を続けられる確率が高まります。

本記事では、個人事業主が開業する際の流れを5ステップで解説します。いま副業をしている方、これから独立したいと考えている方は、ぜひご覧ください。

やっぷん
  • 個人事業主として開業したいなら、税務署に開業届を提出しよう!
  • 開業届を出す際には、あわせてインボイスや青色申告などの手続きが必要な場合もあるよ
  • 開業にあたっては、事業内容だけでなく、資金繰りについてもしっかりと計画を立てよう!

目次

そもそも個人事業主とは?

個人事業主とは、名前のとおり個人で事業を営む人のことです。開業届を出して、所得税を納めている方が、個人事業主に該当します。

個人事業主と似た言葉に「フリーランス」がありますが、これは開業届提出の有無に関わらず、個人で事業を営む方です。副業をしている方や、フリーターとしてバイトと個人事業を兼業している方など、さまざまな方がフリーランスにあたります。

中小企業庁の『小規模企業白書』によると、2018年時点のデータで、フリーランス人口は本業のみで約300万人、副業もあわせると440万人にものぼると推計されています。ランサーズ株式会社の調査でもフリーランス人口は増加傾向にあるとされており、今後もより多くの人々が個人事業主・フリーランスとして働くことが想定されています。

個人事業主の「開業」と「起業」の違いは?

「開業」と似た言葉に「起業」があります。開業と起業の2語に大きな違いはなく、いずれも新しい事業を立ち上げるときに使う言葉です。

しかし、一般社会での使われ方には若干の違いがあります。

個人事業を始めるときに使うのは「開業」です。個人事業を新しくスタートする際に届け出るのは「開業届」なので、「起業」でなく「開業」を使うと考えられます。

一方、会社を立ち上げる際には「起業」や「設立」を使います。これは、開業だと個人事業と混合しやすいから、またベンチャーのように新分野を開拓していく意味合いを感じるから、と考えられています。

開業の相談ができる機関は?

個人事業の開業について相談できる機関はたくさんあります。代表的なのは、以下の4つです。

開業の相談ができる機関
  • 税務署
  • 地方自治体の創業関連窓口
  • 日本政策金融公庫
  • 商工会議所、商工会

利用しやすいのは、税務署や地方自治体の創業関連窓口でしょう。ただし窓口によっては混雑が予想されるので、時間帯に注意して行くのがおすすめです。

開業の相談をするときは、まず自分が何を疑問に感じているのか整理しておきましょう。漠然と「開業ってどうやるんだろう?」ではなく「確定申告って何?」「事業計画書って書かないとダメ?どう書くの?」など疑問を具体的にしておいたほうが、時間を有効活用できます。

個人事業主として開業するタイミング

いま副業をしている方や、独立を考えている方は「どのタイミングが最適なのか?」と悩むでしょう。個人事業主として開業するのに適したタイミングとしては、以下3つのものが考えられます。

個人事業主として開業するタイミング
  • 会社から独立するとき
  • 確定申告が必要になったタイミング
  • 融資を受けて大規模な事業を展開したいとき

それでは、それぞれのタイミングについて、具体的にどうなれば開業してOKなのかを解説します。

会社から独立するとき

個人事業主として開業するのに多いのは「会社から独立して開業」といったパターンです。会社員時代にやっていた仕事なので、ノウハウもあり、スムーズに開業できるでしょう。また、人脈を活かせるのも独立開業の大きなメリットです。

ただし、顧客引き抜きについてはトラブルにならないよう十分に注意しましょう。会社によっては、退職後に競合事業を行うことを禁止している場合もあります。

競業避止義務については、法的な有効性を疑問視する声があるものの、内容によっては裁判に発展するかもしれません。会社から独立する際には、もとの会社との関係性を十分に考慮し、できるかぎりトラブルのないよう配慮してください。

参考:経済産業省『競業避止義務契約の有効性について

確定申告が必要になったタイミング

副業をしていて、確定申告が必須となったタイミングで独立する方もいます。具体的には、副業による課税所得が20万円を超えたタイミングです。課税所得が20万円を超えると、確定申告をして所得税を納めるのが義務となります。

ただし、課税所得20万円で生活するのは厳しいでしょう。今後、飛躍的に収入が増える見込みがない限り、課税所得20万円で退職・開業するのはおすすめできません。

なお、以下の記事ではダブルワークしている方の年末調整や確定申告について解説していますので、あわせてご覧ください。

融資を受けて大規模な事業を展開したいとき

融資を受けて事業展開をしていきたい場合、基本的には個人事業主として開業するのがマストになるでしょう。

融資にはさまざまな種類がありますが、そのなかに「創業融資」というものがあります。創業融資は、創業・起業を検討している方に向けて、初期費用や運転資金を支援するための融資制度です。

創業融資のなかには、個人事業主としての開業・展開を検討している人も申し込めるものがあります。しかし、開業を検討していない個人が利用できる創業融資はありません。

つまり、こうした創業融資を活用して大規模な事業展開をしたいのであれば、開業はマストなのです。

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      個人事業主として開業する流れ

      個人事業は、法人と異なり比較的簡単に開業できます。まずは、開業のおおまかな流れを見てみましょう。

      個人事業主として開業する流れ
      • 事業内容を考える
      • 開業の準備をする
      • 開業届を作成する
      • 必要に応じてインボイスや確定申告の書類も準備する
      • 必要に応じて社会保険の切り替えをする

      それでは、それぞれどんな準備や手続きをするのか、詳しく解説します。

      事業内容を考える

      まずは、どんな事業を営みたいのか、具体的な内容を考えていきます。事業内容を考える際に重要なのは、以下の3つです。

      事業内容を考える際の軸
      • 収益性
      • 将来性
      • 社会性

      どんなに好きな仕事であっても、売上の見込めない事業は成立しません。また、大きな売上が期待できる事業でも、将来的な売上までは見込めないのであれば、やはり事業として成立させるのが困難です。

      そして、事業を営むうえで「社会性」も欠かせないポイントです。人間は一人では生きていけません。必ず誰かの支えを必要とし、また自分も誰かの助けにならないといけないのです。

      「事業が成功しさえすれば良い」「競合や国なんてどうでもいい」といった考えでなく、事業を通じて社会にどう貢献するかまで、しっかりと考えましょう。

      開業の準備をする

      事業内容を考えたら、さっそく開業の準備をしましょう。具体的には、以下のような準備をします。

      開業準備において必要なこと
      • 事業用の印鑑
      • 事業用の口座(プライベートと分けるのがオススメ)
      • 確定申告ソフト(開業前から操作に慣れておく)
      • 請求書フォーマット(指定がなければ使いやすいもの)

      開業する際に大事なのは、お金まわりの準備を進めておくことです。口座や確定申告ソフトなどは、特に重要になってくるので、必ず準備をしておきましょう。

      開業届を作成・提出する

      個人事業をスタートする際に提出するのが「個人事業の開業・廃業等届出書(以下:開業届)」です。開業届は、新しく事業をスタートしたり、事業所を移転したり、廃業したりする際に記入・提出します。

      なお、開業届の作成方法について後半の項目で解説しますので、これから書類記入をする方はぜひご覧ください。

      必要に応じてインボイスや確定申告の書類も準備する

      全員ではありませんが、必要に応じて以下2つの書類も準備しましょう。

      任意で提出する書類
      • 適格請求書発行事業者の登録申請書(インボイス登録申請書)
      • 消費税簡易課税制度選択届出手続(インボイスの消費税納税に関連するもの)
      • 所得税の青色申告承認申請書

      「適格請求書発行事業者の登録申請書」は、いわゆるインボイス制度に関する書類です。提出するとインボイス番号を取得でき、インボイス制度に対応した請求書を発行できる事業者になります。ただし、これまで消費税非課税だった方でも、消費税の納税義務が生じます。

      インボイス制度については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

      「所得税の青色申告承認申請書」は、青色確定申告を利用するために必要な書類です。確定申告には白色と青色があり、青色であれば最大65万円の控除が利用できます。しかし、青色申告承認申請書は、利用する年の3月15日、または事業開始から2か月以内に提出する必要がありますので、ご注意ください。

      必要に応じて社会保険の切り替えをする

      個人事業主として開業する場合、健康保険や年金などの社会保険の切り替え手続きが必要です。具体的には、以下のようなかたちに切り替えとなります。

      社会保険の切り替え
      • 健康保険:組合等の保険から、国民健康保険へ
      • 年金:国民年金 + 厚生年金から、国民保険のみへ

      なお、健康保険に関しては「健康保険任意継続制度」を活用して、会社の保険にそのまま加入し続けるのも可能です。任意継続を希望する方は、会社に相談のうえ、管轄の協会けんぽに連絡しましょう。

      また、家族の扶養に入る方法もあります。扶養内で個人事業主として働きたい方は、以下の記事をご覧ください。

      個人事業主の開業届の書き方

      開業届にはさまざまな欄があり、どのように書くのか分からない方も多くいます。

      不安があれば、税務署に行って用紙をもらい、不明点は質問したうえで記入するのが一番確実です。しかし、税務署は混雑していることも多く、用紙をもらって質問しながら書くのだと1〜2時間ほどかかってしまう可能性も十分にあります。

      このあとの項目では、項目別の記入事項や、提出方法などを解説します。以下を参考にしながら開業届を作成して税務署に持参し、提出時に不明点だけ質問するようにすると、スムーズに手続きを進められるでしょう。

      項目別の記入事項

      開業届にある記入項目のうち、特に内容に迷う方の多い箇所をピックアップして解説します。

      記入項目記入する内容
      個人番号インボイス番号
      職業一般的な名称で問題ないが、不安があれば総務省「日本標準産業分類」を参考にして記入。複数ある場合は、収入のメインとなっているものを記入。個人事業税に関連するため、内容に注意が必要(後述)。
      屋号なければ空欄でOK
      所得の種類不動産や山林所得でなく、個人事業を営む場合は「事業所得」にチェック。
      事業所等を新増設、移転、廃止した場合関係しない方は空欄でOK
      開業・廃業に伴う届出書の提出の有無青色確定申告やインボイス、消費税納税などに関して別途提出書類があれば、該当するものにチェック
      事業の概要どんな事業をしているか具体的に記入。細かいルールはないため、読んで分かる内容であれば問題なし。
      以降の項目給与所得に関する扱いがなければ「無」にチェック

      なお、注意したいのは「職業」の欄です。この欄に何を書いたかによって、個人事業税の税率が変わってきます。

      区分税率事業の種類
      第1種事業(37業種)5%物品販売業、料理転業、保険業、代理業、問屋業、請負業、写真業、演劇興行業、旅館業、運送業など
      第2種事業(3業種)4%畜産業、水産業、薪炭製造業
      第3種事業(30業種)5%医業、公証人業、デザイン業、理容業、弁護士用、コンサルタント業、司法書士業、薬剤師業、印刷製版業など
      3%あんま、マッサージまたは指圧、はり、きゅう、柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業

      参考:東京都主税局『個人事業税

      なお、法定業種にない業種に関しては、個人事業税は非課税です。例えば「文筆業」は法定業種にないため対象外ですが、クラウドソーシング経由で仕事をする場合は「請負業」になるため、5%の個人事業税がかかります。

      提出方法

      開業届は、以下4種類の方法で提出できます。

      開業届の提出方法
      • 管轄の税務署の窓口に持参
      • 管轄の税務署の時間外収受箱に投函
      • 管轄の税務署に郵送
      • e-Taxで提出

      手軽なのはe-Taxや郵送ですが、記入事項にミスがあっても事前に気付けない点がネックです。時間に余裕があれば、窓口に持参したほうが安心でしょう。

      提出期限

      開業届の提出期限は『事業の開業等の事実があった日から1か月以内』です。なお、提出期限が土日祝日だった場合は、その翌日が提出期限になります。

      提出期限を過ぎたら?

      開業届の提出期限を過ぎても、罰則はありません。

      しかし、開業届を出しておかないと、青色確定申告を利用できなかったり、インボイス制度に登録できなかったり、融資を受けにくくなったりと、さまざまな弊害が生じます。極力、提出期限までに提出しましょう。

      なお、開業届を提出していなかった場合、1回目の確定申告書をした時点で、開業届を提出したことと同じ扱いになります。

      個人事業主が開業届を出すメリット

      個人事業主のなかには「開業届を出すのが面倒」という方もいるでしょう。しかし、開業届を提出すると、以下のようにたくさんのメリットがあります。

      個人事業主が開業届を出すメリット
      • 青色確定申告が可能になる
      • 赤字の繰り越しが可能になる
      • 取引先から信用を得やすくなる
      • 職業の証明になる
      • 法人用クレジットカードを作れる
      • 屋号で銀行口座をつくれる
      • 小規模企業共済に加入できる

      それでは、開業届を提出するメリットを詳しく見ていきましょう。

      青色確定申告が可能になる

      開業届を提出する特に大きなメリットとして、青色確定申告が使えるようになるという点があります。青色確定申告とは、確定申告の種類のひとつで、最大65万円の控除が使える申告方法です。

      白色確定申告と比べて少し手続きが面倒ですが、昨今は家計簿ソフトや確定申告ソフトがとても使いやすくなっているので、ある程度の時間があれば問題なく確定申告書を作れるでしょう。

      控除なしの白色確定申告と、最大65万円控除の青色確定申告では、所得税の納税額が大きく変わります。節税対策をしっかりと行いたい方は、開業届と「青色申告承認申請書」を提出しておくのがおすすめです。

      赤字の繰り越しが可能になる

      赤字の繰り越しが可能になるのも、開業届を提出するメリットです。正確に言うと、開業届を提出のうえ「青色申告承認申請書」を提出して、青色確定申告をすると、赤字が3年間繰り越せるようになります。

      赤字繰り越しができると、黒字化した際に、その売上から赤字分を差し引いて税金の計算ができます。つまり、赤字が発生しても翌年以降の節税に役立つ可能性があるのです。

      収入が不安定になりやすい個人事業主だからこそ、この赤字繰り越しは積極的に活用していきたい制度です。

      取引先から信用を得やすくなる

      個人事業主として開業していると、それだけでも取引先からの信用を得やすくなります。開業届を出しているということは、事業内容や納税などについて、ある程度しっかり考えていると推定されるためです。

      もちろん、開業届の提出だけで絶大な信頼を獲得できる訳ではありません。しかし、開業届を出さず確定申告もしていない方と、開業届を出している方とでは、やはり印象は大きく変わるでしょう。

      職業の証明になる

      開業届を提出していると、自分の仕事について証明するのに役立ちます。個人事業主には社員証のようなものがありません。そのため、開業届すら提出していないと、どんな仕事をしている人物なのか、証明する手立てがないのです。

      開業届には、開業日や仕事の内容などについて記載されているので、自分の職業を証明するのに利用できます。具体的には、事業用ローンやクレジットカード等の審査などで活用可能です。

      法人用クレジットカードを作れる

      個人事業主として開業届を提出していると、法人用クレジットカードの申し込み対象になります。カードの種類によりますが、多くの法人用カードは会社だけでなく、個人事業主も対象としています。

      しかし、開業届を出していない人はそもそも個人事業主という扱いではないので、法人用カードに申し込めません。

      法人用カードを発行できれば、事業用とプライベートの支出を分けて管理できるので、確定申告や日々の収支管理がとても簡単になります。

      屋号で銀行口座をつくれる

      屋号で銀行口座を作れるようになるのも、開業届を提出するメリットです。そもそも屋号とは、事業用の名前を指します。「〇〇美容院」「〇〇法律事務所」や、芸名などが屋号です。

      開業届に屋号を記入した方であれば、その屋号で銀行口座を作成できます。屋号つきの口座があると、取引先に送金したり、顧客から代金を振り込んでもらったりする際にとても便利です。

      小規模企業共済に加入できる

      小規模企業共済とは、会社員でいう厚生年金のようなものです。個人事業主の場合、年金の1階部分にあたる国民年金には加入できますが、2階部分の厚生年金は対象外のため加入できません。つまり、会社員よりも年金額が大幅に少なくなるのです。

      こうした年金や、社会保険などの不足を補うためスタートしたのが、小規模企業共済です。一定金額の掛金を払っておくと、老後により多くの年金をもらえるのはもちろん、事故や病気があった際にも、貸付金や共済金で金銭的な負担を和らげられます。

      年金や健康保険などについて、現状に不安のある方は、開業届を提出のうえ、小規模企業共済に加入することを検討してください。

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      個人事業主が開業届を出すデメリット

      開業届を提出するとさまざまなメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。

      個人事業主が開業届を出すデメリット
      • 失業手当の対象外になる
      • 扶養家族でなくなる

      ただし、上記2つについても、条件を満たした場合にそうなってしまうというものです。開業届を出した方全員が、上記のような悪影響を被るものではありません。

      以下で個人事業主が開業届を出すデメリットを解説しますので、書類を提出するか悩んでいる方はぜひご覧ください。

      失業手当・再就職手当の対象外になる

      開業のタイミングによっては、失業手当や再就職手当の対象外になってしまうリスクがあります。そもそも失業手当とは、退職した人が再就職するまで受け取れる資金支援制度です。条件を満たす方で、再就職が決まると、再就職手当も受け取れます。

      しかし開業してしまうと、無職という扱いではなくなるので、失業手当は受け取れません。当然、再就職手当も受け取れなくなってしまうのです。

      ただし、個人事業主として開業することを予定している方でも、正しい手順を踏めば失業手当や再就職手当を受け取れます。以下の記事では、個人事業をスタートする方に向けた失業保険の受け取り方について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

      扶養家族でなくなる

      所得金額が一定額を超えると、扶養から外れてしまいます。年間所得103万円を超えると所得税の対象に、130万円を超えると社会保険の加入義務発生により扶養から外れることになるのです。

      しかし、こちらも所得金額を調整すれば扶養家族のままで働けます。また、扶養家族から外れたとしても、大きな金額を稼げるようになれば、これまでより豊かな暮らしが実現できるかもしれません。

      扶養制限に関する「103の壁」についてや、扶養内で働く方法などについては、以下2つの記事をご覧ください。

      個人事業主が開業するときに使える補助金・助成金・融資

      個人事業主が開業する際には、さまざまな補助金や助成金などを活用するのがおすすめです。手続きは面倒ですが、資金的に余裕をもってスタートを切れます。

      特におすすめなのは、以下7つの制度です。

      個人事業主が開業するときに使える補助金・助成金・融資
      • ものづくり補助金
      • 事業再構築補助金
      • IT導入補助金
      • 小規模事業者持続化補助金
      • 事業承継・引継ぎ補助金
      • 創業助成金・助成金
      • 創業融資(日本政策金融公庫)

      それでは、それぞれの制度について詳しく解説します。

      ものづくり補助金

      ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)とは、中小企業に向けて、生産プロセス改善や新製品・サービス開発のための資金援助を行っている制度です。

      製造業だけでなく、ソフトウェア業・旅館業・運輸業など幅広い業種が対象となっています。また、知財関連費やクラウドサービス利用料など、さまざまな経費が対象になっているのも嬉しいポイントです。

      ただし、補助金受給にあたって、給与支給総額アップが基本条件となっています。ただ生産ライン改善やサービス開発をするだけでなく、その取り組みによる利益が働き手に還元できるかが、補助金を受け取れるかの分かれ目になるでしょう。

      参考:ものづくり補助金総合サイト

      事業再構築補助金

      事業再構築補助金は、事業転換や事業再編などの取り組みを通じて事業の再構築を図る事業者に対し、取り組みにかかる経費の一部を補助する制度です。2024年6月現在で募集している第9回は、以下7つの枠から選んで申請できます。

      事業再構築補助金の申請枠
      • 成長分野進出枠(通常類型)
      • 成長分野進出枠(GX進出類型)
      • コロナ回復加速化枠(通常枠)
      • コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
      • サプライチェーン強靱化枠
      • 卒業促進上乗せ措置
      • 中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置

      個人事業を開業する際に使いやすいのは、成長分野進出枠(以下:成長枠)です。成長枠は、事務局によって選定された市場拡大要件の対象となっている業種において、事業を行っている方のみが申請できる枠です。

      業種の指定はあるものの、今後拡大が予想される市場において、潤沢な資金をもって挑戦できるのは非常に魅力的ではないでしょうか。

      参考:事業再構築補助金

      IT導入補助金

      IT導入補助金は、ITツールの導入を通じて、制度対応や業務効率改善などをしていきたいと考える事業者を資金的にサポートする制度です。以下5つの申請枠があります。

      IT導入補助金の申請枠
      • 通常枠
      • インボイス枠(インボイス対応類型)
      • インボイス枠(電子取引類型)
      • セキュリティ対策推進枠
      • 複数社連携IT導入枠

      在庫管理ツール・クラウド名刺管理サービスといったITツールのほか、インボイス対応のための経理管理ソフトやセキュリティソフトなども補助対象となっています。

      ITツールが必須の事業者や、インボイス対応が必要な個人事業主であれば、積極的に活用していきましょう。

      参考:IT導入補助金

      小規模事業者持続化補助金

      小規模事業者持続化補助金は、事業展開にかかる経費の一部をサポートし、円滑な事業継続が実現できるようにするため作られました。

      何年も事業をしている人だけでなく、開業して間もない事業者でも申請可能です。おすすめは創業枠で、過去3年間で開業していて、かつ「特定創業支援等事業」による支援を受けている方なら申請できます。

      ただし、何年も続く事業と比べれば不利なのは事実です。まず特定創業支援等事業の要件をしっかりと満たせるか、また事業計画書でどのくらい差別化できるかがポイントになります。

      参考:小規模事後業者持続化補助金

      事業承継・引継ぎ補助金

      事業承継・引継ぎ補助金は、事業の再編やM&Aなどによる再構築を後押しするための制度です。以下の申請枠があります。

      事業承継・引き継ぎ補助金の申請枠
      • 経営革新枠(創業支援類型、経営者交代類型、M&A類型)
      • 専門家活用枠(買い手支援類型、売り手支援類型)
      • 廃業・再チャレンジ枠

      例えば、既存事業を引き継ぐかたちでの開業であれば、創業支援類型で申請できます。また、廃業をして新たに事業を再スタートするのであれば、廃業・再チャレンジ枠での申請が可能です。

      参考:事業承継・引き継ぎ補助金

      創業助成金・補助金

      地方自治体や財団などの創業助成金・補助金も非常に便利です。例えば、東京都の創業助成金は、創業関連の支援プログラムを受講した方のみが申請できます。つまり、創業に関する知識をしっかりと勉強したうえで、資金的な支援も受けられるのです。

      ほかにも、さまざまな自治体が創業助成金を提供しています。自分が開業する土地で、支援制度がないかぜひ探してみましょう。

      参考:東京都創業NET『創業助成金(東京都中小企業振興公社)

      参考:地方創生『企業支援金

      新規開業資金(日本政策金融公庫)

      融資制度を利用したい方は、日本政策金融公庫の新規開業資金がおすすめです。通常の新規開業資金は、成長新事業育成審査会において認定を受ければ申請可能です。また「女性、若者/シニア起業家支援関連」もあり、こちらは女性・35歳未満・55歳以上のいずれかの方であれば利用できます。

      担保や保証人は、相談しながら柔軟に設定できるので、安心して利用しやすいのもメリットです。

      参考:日本政策金融公庫『新創業融資制度

      個人事業主の起業・開業に関するよくある質問

      個人事業主の開業(起業)について、以下のような疑問を抱く方が多いようです。

      個人事業主の起業・開業に関するよくある質問
      • 開業届を出していないと経費控除がつかえない?
      • 開業届を出さなくても個人事業はできる?
      • 開業届を出していないけど確定申告は必要?

      よくある質問について、以下で詳しく回答します。

      開業届を出していないと経費控除がつかえない?

      開業届を出していなくても、経費控除は利用できます。まず、開業届を出していない方が使えるのは「白色確定申告」です。この白色確定申告であっても、経費控除は青色同様に上限なく使えます。

      一方、30万円未満の減価償却資産を一括で経費にすることはできません。また、青色申告控除や赤字の繰り越しも不可です。

      青色申告と比べて節税効果は薄れるので、開業届を提出したうえで、事前申請をして青色申告を活用したほうが良いでしょう。

      開業届を出さなくても個人事業はできる?

      開業届を出さなくても個人事業自体はできますが、個人事業主という扱いにはなりません。なぜなら、個人事業主とは、開業届を提出したうえで個人で事業を営む人を指すからです。

      扱いは個人事業主ではありませんが、一定金額以上の所得があれば確定申告が必要です。そして、確定申告をすれば開業届を提出したのと同じ扱いになります。

      開業届を出していないけど確定申告は必要?

      開業届を出していなくても、課税所得48万円を超える方は、確定申告が必要です。確定申告不要の方であっても、住民税申告は必須となります。

      副業の方は、課税所得20万円を超える場合は確定申告が必須です。住民税に関しては、会社にて手続きをしているはずなので、基本的に必要ありません。

      課税所得って何?

      課税所得とは、売上から各種控除を差し引いた金額です。

      例えば、売上が50万円、経費で35万円の支出があった場合、課税所得は以下のようになります。

      課税所得の計算
      • 50万円(売上) – 35万円(経費) = 15万円(課税所得)

      副業をしている方の場合、上記のように課税所得が20万円以下になっていれば、確定申告は不要です。

      まとめ

      個人事業主が開業(起業)するのは、比較的簡単です。しかし、関連して確定申告・インボイス・簡易課税・社会保険などさまざまな手続きが必要で、それぞれ時間がかかります。

      また、事業を軌道に乗せるためには、潤沢な資金が必要です。補助金・助成金や融資などを上手に使って、健全な資金繰りを目指していきましょう。

      やっぷん
      • 個人事業主として開業したいなら、税務署に開業届を提出しよう!
      • 開業届を出す際には、あわせてインボイスや青色申告などの手続きが必要な場合もあるよ
      • 開業にあたっては、事業内容だけでなく、資金繰りについてもしっかりと計画を立てよう!
      監修者プロフィール

      ペイトナー執行役員 邨山毅

      立教大学経済学部卒。投資会社にて内部統制・米国新興事業の国内展開に従事。その後VOD運営会社にて経営戦略・機械学習・調達戦略領域の経験を経て、ペイトナー株式会社に入社。執行役員ファクタリング事業本部長として、ファイナンスサービスの運営及びフリーランスの与信構築全般を所掌している。

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