フリーランスとして働く場合、開業届の提出が必要とされています。では、開業届を提出する場合、手続きにどのような費用がかかるのでしょうか?本記事では、開業届を提出する際にかかる費用を解説します。また、開業するのに必要となる資金や、資金の調達方法なども解説しますので、これから起業される方は参考にしてください。
- 開業届は無料で提出できるよ!
- 収入の多さに関わらず、フリーランスとして事業を始めたら1ヶ月以内に開業届を提出してね。
- 開業する時は、さまざまな費用を用意する必要があるから、自分に合った方法で資金を調達しよう!
目次
開業届の提出にはいくらかかるか
開業届を提出する際に気になるのが「手数料」です。事務手続きを行う場合は、手数料を取られることも多いので、どのくらい費用がかかるか気になる方もいると思います。以下の項目では、開業届や青色申告承認申請書の提出にかかる費用について解説します。
開業届の提出にお金はかからない
開業届を提出するのに際して、お金はかかりません。事務手数料などは発生せず、無料で提出できます。用紙も税務署に行けば無料でもらえるので、用紙代や印刷代などもかかりません。印鑑や本人確認書類などがあれば、開業届の提出は可能です。
青色申告承認申請書にもお金はかからない
開業届と一緒に提出することの多い『青色申告承認申請書』も、無料で提出できます。青色申告承認申請書とは、青色確定申告を利用するために事前提出する書類です。青色申告承認申請書に関しても、税務署へ行けば用紙をもらえるので、用紙代や印刷代をかけずに提出できます。
郵送代はかかる
開業届や青色申告承認申請書を郵送する場合は、郵送代(切手・封筒)のみかかります。自宅で印刷する場合は、用紙代や印刷代もかかるので注意しましょう。
なお、開業届を郵送する場合、控えを返送してもらうための封筒と切手も用意しなくてはなりません。重さや大きさによって異なりますが、往復で約300円程度はかかると考えておくとよいでしょう。
フリーランスは収入いくらから開業届を出す必要がある?
開業届に関するよくある質問として「収入がいくらになったら出すべきか?」といったものがあります。副業でフリーランスをしている方だと、開業届を出さずに事業をしている方もいるでしょう。
また、学校を卒業してそのままフリーランスになった場合、開業届を知らずに事業をしている方もいます。開業届を出さずに事業をしても罰則はありませんが、収入や事業の状況によっては、開業届けを出したほうがよいケースも少なくありません。以下の項目では、収入いくらから開業届を出すべきかについて解説します。
売上に関わらず、事業開始から1ヶ月以内に提出する
原則として、開業届は事業をスタートしてから1ヶ月以内に提出しなくてはなりません。提出しないことで罰則が科されることはありませんが、開業届を提出すると青色確定申告を利用でき、節税しやすくなります。
税務署での手続きは面倒に感じるかもしれませんが、早めに提出しておきましょう。なお、開業届を提出していなかったとしても、開業した年に確定申告をすると、申告が開業届提出のかわりになります。
目安としては「所得48万円以上」が目安
開業届を提出する目安は「所得48万円以上」とされています。
課税所得とは、売上のうち所得税がかかる部分の金額のことです。
- 売上 – 経費 = 所得
- 所得 – 控除 = 課税所得
売上から経費や控除を差し引いた物が、課税所得です。個人事業主の場合、令和2年(2020年)から基礎控除が48万円になりました。所得が48万円までであれば、基礎控除48万円を差し引いて課税所得が0円になります。
このため、所得が48万円までの方であれば、確定申告をしなくてすみ、開業届の提出も特に必要ないとされているのです。ただし、所得48万円に満たないからといって確定申告をせず、開業届も出していないと、手続き上は事業の実態がない状態になります。所得48万円未満であれば、確定申告をする必要はありませんが、開業届は出しておいたほうがよいでしょう。
副業の場合であれば「所得20万円超」が目安
副業フリーランスの場合「所得20万円超」が開業届を提出する目安です。給与を1箇所から受け取っている場合で、副業所得が20万超になったら、確定申告をしなくてはならないためです。
確定申告をする場合、開業届を出していれば青色確定申告を利用でき、65万円までの控除が利用できます。副業でもしっかりと節税したいのであれば、開業届を提出して、青色確定申告を利用するのがおすすめです。
所得が低くても、確定申告はしたほうがよい
所得が低かったとしても、確定申告はしたほうがよいでしょう。確定申告は「今年は〇円の収入がありました」と申告するものです。確定申告をしないと、所得の実態が記録されなくなります。税務署や地方自治体からすると、どこでいくら収入を得ている人なのか分からないことになるのです。
収入が証明できなくなれば、ローンが借りられなくなったり、クレジットカードが作れなくなったりします。また、収入が少ない場合に受けられる国民健康保険料の減額も、受けられなくなるでしょう。このように、確定申告をしないとさまざまなデメリットがあるので、所得が低くても申告はしておいたほうが無難です。
開業資金にはいくら必要か
開業資金にいくら必要かは、事業規模や業種によって異なります。相場に関わらず、自分の事業に適した金額をしっかりと投じるのが、事業をうまく行うポイントでしょう。
しかし、これから開業する方は「開業資金の相場を何となく知りたい」と感じることも多いかと思います。以下では、平均的な開業資金額を紹介しますので、ある程度の相場を知りたい方はご覧ください。
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500万円未満が多い
日本政策金融公庫が実施した『新規開業実態調査』によると、2022年度の開業資金額は以下のような分布でした。
開業資金額 | 割合 |
2,000万円以上 | 10.5% |
1,000万~2,000万円未満 | 18.0% |
500万~1,000万円未満 | 28.5% |
250万~500万円未満 | 21.4% |
250万円未満 | 21.7% |
上記のように、開業資金500万円未満で開業している事業者が約半数を占めています。開業資金の中央値は550万円となっており、約500万円前後の資金で開業している方が多い状況です。開業資金の推移を見ると、少額での開業が年々増加しています。
開業資金が減少している要因としては、2006年に会社法が改正され、最低資本金制度が廃止されたことが挙げられるでしょう。また、技術の進歩やSNSの普及によって、設備費や広告宣伝費を抑えやすくなったのも、要因のひとつと考えられます。
なお、開業資金の調達方法としては『金融機関からの借入』や『自己資金』が半数以上を占めました。
開業費用の内訳
開業費用は、物件の取得費や設備費などに充てるのが一般的です。以下の項目では、開業費用の内訳について解説します。
物件取得費
店舗を構えるビジネスの場合は、物件取得費に多くの費用を必要とします。立地や広さによって異なりますが、都心だと居抜き物件でも3万円/坪ほどはかかります。例えば飲食店の場合、10坪程度は必要になるので、月額30万円ほどかかる計算です。
保証金として家賃6ヶ月分、礼金として2ヶ月分、仲介手数料1ヶ月分、開業までの空家賃2ヶ月分がかかった場合、開業までに330万円はかかるでしょう。
内外装工事費
さらに、物件のクリーニング代や内装費用もかかるため、おおよそ400万円前後はかかるケースも少なくありません。事業用の物件は、基本的にコンクリートがむき出しなので、壁紙や照明などを手配する必要があります。さらに、換気扇やガス、水道などの配管も必要になるでしょう。また、内装だけでなく外装の工事が必要になるケースもあります。
内外装工事費はおおよそ1坪あたり30万円ほどかかり、10坪だと300万円前後の費用がかかります。
設備費
設備費とは、事業に必要な設備にかける費用のことです。飲食店であれば、厨房に設置するコンロや食洗機、コーヒーメーカーなどの購入費用が設備費に該当します。
IT系であれば、パソコンや周辺機器などの購入費用が該当するでしょう。
広告宣伝費
広告宣伝費は、チラシの印刷代やポスティング代行費用などの総額です。
昨今はSNSが普及したため、広告宣伝費をほとんどかけないケースもあります。しかし、Web広告を出したり、SNS運用を外部委託したりした場合は、数十万円〜数百万円ほどの費用が発生します。
運転資金
事業がスタートしてからの運転資金も、開業時に用意しておく必要があります。食材の購入費や、家賃、水道光熱費などに充てるのが、運転資金です。運転資金は、最低でも3ヶ月分が必要とされています。半年から1年程度の運転資金があると、余裕を持って事業を進めやすいでしょう。
資金調達方法
資金調達方法にはさまざまなものがあります。自分で仕事をして貯めるだけでなく、銀行や消費者金融から借り入れるケースも少なくありません。開業資金の半分以上を自己資金でまかないつつ、一部を借り入れる事業者も多いでしょう。以下では、開業資金の調達方法について解説しますので、これから開業する方は参考にしてください。
自己資金
開業資金の調達方法として代表的なのは、自己資金です。仕事をしたり、資産運用をしたりして、開業資金を貯める方はとても多いでしょう。前述した『新規開業実態調査』によると、開業にむけた資金調達のうち、3分の1程度は自己資金でまかなうのが一般的であることが分かります。
自己資金の場合は返済する必要がないため、事業を続けるうえで経営を圧迫するリスクがないのがメリットですただし、多額の自己資金を貯めるためには、多くの時間と労力が必要になるのがデメリットでしょう。
消費者金融のローン
消費者金融のローンを利用して、開業資金を調達する方も多くいます。消費者金融の場合、銀行や地方自治体と比べると審査が柔軟とされており、利用しやすいのがメリットです。利用しやすい分、利息は比較的高いため、将来的に経営を圧迫するリスクがあるのはデメリットでしょう。
銀行からの融資
銀行からの融資は、多額の借入が可能な点や、消費者金融に比べて低金利で利用できるのがメリットです。大規模な事業を立ち上げたい場合には、銀行からの融資が適しているでしょう。ただし、金利が低い分、審査は比較的厳しく、新規事業の場合は審査に通らない可能性もあります。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫とは、農林水産業者や中小企業などの支援を行っている、政府公認の機関です。新規事業を立ち上げる方のように、銀行や信用金庫からの借入が難しい事業者に対しても、積極的に支援を行っています。さまざまな支援を行っているので、積極的に利用してみるとよいでしょう。ただし、審査手続きが煩雑で、審査機関も比較的長い点には注意が必要です。
国や地方自治体の補助金・助成金
開業資金を調達する際には、国や地方自治体の補助金や助成金を利用する方法もあります。新規事業者向けの補助金・助成金を探してみると、自分にぴったりのものが見つかるかもしれません。
補助金や助成金の場合は、借入でないため返済する必要がないのがメリットです。ただし、自分で立て替えたお金を後日支払ってもらう形になるため、まず自分である程度のお金は準備しておく必要があります。
ファクタリング
すでに契約済みの請求書がある場合は、即時入金されるファクタリングの利用がおすすめです。ローンのように一般に普及している方法ではありませんが、手軽に利用しやすく、スピーディに資金調達できるため、利用者が増加しています。詳しくは以下の記事で説明ていますので、合わせてご覧ください。
開業届の書き方と提出方法
開業届を出す際には、書き方や提出方法、提出期間などに注意しましょう。記入内容が間違っていたり、提出期間を過ぎたりすると、トラブルに繋がります。以下では、開業届や青色申告承認申請書の書き方、提出方法などについて解説します。
開業届の書き方
開業届は、枠の説明に沿って記入すれば問題ありません。ただし、記入箇所によってはどうすればよいか分かりにくい部分もあるでしょう。特に、以下のような部分には記入内容に注意が必要です。
- 一番上の『個人事業の開業・廃業等届出書
- 開業に丸をつける
- 個人番号
- マイナンバーを記入
- 職業
- 複数の職業を記入してもよい
- 屋号
- なければ未記入でよい
- 「青色申告承認申請書」又は「青色申告の取りやめ届出書」青色申告を利用したい場合は、有にチェックをつける
- 消費税に関する「課税事業者選択届出書」又は〜
- 「無」にチェックをつける
上記の部分は、書く内容を間違えたり迷ったりしやすい部分です。リストで解説したように記入すれば問題ありませんが、不安があれば税務署の方に相談しましょう。
青色申告承認申請書の書き方
青色申告承認申請書の書き方も、基本的には枠の説明に沿って記入すれば問題ありません。以下のポイントには、注意して記入を進めましょう。
- 屋号
- なければ未記入でよい
- 所得の種類
- 通常の個人事業であれば「事業所得」にチェック
- いままでに青色申告承認の取消しを受けたこと又は〜
- 初めて承認申請書を出す方は「無」にチェック
- 相続による事業継承の有無
- 新規開業であれば「無」にチェック
- その他参考事項
- 65万円控除を利用する場合は「複式簿記」にチェック
- 備付帳簿名
- 65万円控除を利用する場合は「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」「預金出納帳」「総勘定元帳」「仕訳帳」にチェック
特に『備付帳簿名』は間違えやすい部分です。青色確定申告65万円控除を利用する場合は、複式簿記にチェックのうえ、上記項目にチェックを入れましょう。簡易簿記にしてしまうと、控除額が10万円となってしまうのでご注意ください。
開業届・青色申告承認申請書の提出方法
開業届や青色申告承認申請書は、以下の方法で提出できます。
- 最寄りの税務署の受付で提出する
- 最寄りの税務署に郵送する
- e-Taxで提出する
郵送やe-Taxを利用すれば、税務署に行かずに提出できるので便利です。記入内容に不安がある場合は、税務署へ行って提出するのがよいでしょう。いずれの方法でも、大きなミスがあれば税務署から電話が入るので、もし電話があれば早急に対応してください。
開業届の提出期間について
開業届は、開業から1ヶ月以内に提出することになっています。ただし、1ヶ月を提出してしまったとしても大きな問題はありません。開業日は任意となっているので、例えば2ヶ月過ぎていても、2か月前の日付を開業日として記入して問題ないのです。かといって、提出日を遡ることはできません。
開業手続きにおいて注意すべき点
開業届を提出する際には、提出方法や影響について注意すべきポイントがあります。特に、専業主婦(主夫)の方や、副業フリーランスの方は、開業届を提出するとデメリットがあるかもしれません。以下で、開業手続きにおいての注意点を紹介するので、開業前にご確認ください。
提出期間を守る
開業届は、開業から1ヶ月以内に提出するようにしましょう。罰則はないですが義務ですので、遅れたとしても提出するようにしてください。青色申告承認申請書に関しては、青色申告を利用する年の3月15日までが提出期限です。なお、利用する年の1月16日以後に事業を開始した場合は、事業を開始した日から2ヶ月以内に提出すれば問題ありません。
青色申告承認申請書に関しては、提出が遅れるとその年に青色確定申告を利用できなくなるので、必ず提出してください。
扶養から外れる可能性がある
扶養に入っている人が開業届を出した場合、扶養から外れるケースがあります。扶養から外れるケースとして多いのは「健康保険の扶養対象外になる」というものです。
保険によって異なりますが、収入に関係なく個人事業主になったら扶養から外れる場合もあります。加入している健康保険によって条件は大きく異なるので、開業届を提出する前に確認しておきましょう。
失業保険を受けられなくなる
開業届を提出すると、失業保険が受けられなくなります。失業保険(失業手当)とは、主に会社員が退職した際に受けられる手当のことです。退職から再就職までの期間でもらえる手当で、無職期間の金銭的な不安を和らげられます。副業をしている会社員が、開業届を提出した場合、会社を退職しても個人事業が残るため、無職になりません。
無職期間が発生しないため、失業保険も受けられないのです。会社員の方で、副業が軌道に乗ったため開業届を出そうとしている方は、失業保険が受けられなくなることを把握したうえで提出を判断しましょう。
まとめ
開業届や青色申告承認申請書は、無料で提出できます。開業してから1ヶ月以内に開業届を出す義務があるので、忘れずに提出しましょう。開業届を提出しないと、青色確定申告が利用できません。また、無職扱いになりローンやクレジットカードを利用する際にデメリットが生じます。
開業から1ヶ月以上経っていたとしても開業届は提出できるので、遅くなってしまった方も、必ず手続きを行いましょう。
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